大手学習塾における2023年の公立高校合格実績が概ね揃いましたので、過去の推移データとともにご紹介します。
なお、河合塾wingsについては6-7月頃にwings各教室の合格実績が出るのでそれを合算して公開予定です。
※名進研は記事公開直後に実績が公開されたので反映しました。
※河合塾wingsも2023年は各教室の速報発表が早かったので反映しました。
Part1の今回は、旭丘高校・明和高校・向陽高校の各塾の合格実績をご紹介します。
菊里高校・瑞陵高校・千種高校は以下のPart2にてご紹介しています。

対象とする塾と学校
対象とする公立高校
Part1の今回は、愛知県尾張地区のTOP3である以下の3校を対象としました。
- 旭丘高校:偏差値62
- 明和高校:偏差値60
- 向陽高校:偏差値59
※上記偏差値は佐鳴予備校における目標偏差値です
対象とする塾
今回、対象としたのは、以下の6塾で、河合塾だけは「wings」と「wings+グリーンコース」の2種類集計しています。(河合塾の実績発表の事情からこうなっています)
なお、河合塾wingsと中学グリーンコースについてはどちらが上、というのは無いようです。
確かにwingsは難関公立高校を主眼に入れたカリキュラムになっていますが、中学グリーンコースのトップレベルクラスは全県模試の平均値が70近い生徒が集まっているようで、どちらも上位層はかなり優秀な生徒が在籍しています。
- 佐鳴予備校
- 河合塾(wings/グリーンコース)
- 名進研
- 野田塾
- 秀英予備校
- 明倫ゼミナール
- サンライズ
2023年からサンライズを追加しています。
これはインタビュー記事の忖度(サンライズは西塾と同系列)ではなく、2022年から旭丘高校の合格実績が佐鳴予備校、河合塾に次ぐ3位となりったうえ、過去データも確認できたためです。
(参考)高校受験における大手塾と個人塾
以前から少し触れている通り、愛知県の高校受験は、中学受験と異なり本番の試験以外にも内申点が重要です。
内申点で高得点を取るためには、普段の定期テストからコツコツと実績を積み上げる必要がありますが、その目的を達成することを考えると、各公立中学校の定期テスト傾向等を熟知している地域に根ざした個人塾や小規模塾の優位性はあるのではないかと思います。
小規模校や個人塾の実績データを広範囲に集めるのが実質上不可能に近いため、実績紹介は大手塾のみを対象としましたが、個人的には大手塾以外も検討する価値はあると思っています。
そういった大手以外の塾選びは結構難しいですが、判断基準の1つとして、
情報収集(と発信)をしっかりやっている塾か?
というのは見ておいて損はないかと思います。
というのも、近年愛知県の高校受験はルール変更が頻繁に行われており、しっかりとした情報収集が非常に重要になっているからです。
たとえば、2023年の3月からは、愛知県公立高校の一般入試はマークシート方式に変わりましたが、この内容について、しっかりとした情報収集を行えなければ相当不利になってしまうのは明白で、こういった部分のサポートができる塾を選びたいところです。
(※「発信」を入れているのは、我々が知ることができるという理由もありますが、ちゃんと理解していないと塾ブログ等で発信することができないため、塾の理解度の証拠にもなるからです。)
例えば、当サイト(および当サイトのTwitter)でよくコメント等で応援していただいている「名学館小牧新町校」さんなどは、ブログ等で非常に積極的に情報発信を行っており、上記のようなルール変更も非常に細かく解説されています。
それ以外にも、オススメの参考書情報や各高校の進学実績を書いていたりするので、非常に幅広く情報収集や対策検討を行っていることがわかります。
(そもそもこんな小さな当サイトを見つけていただいている時点ですごい…)
もちろん、情報収集と発信だけで塾を判断する事はできませんが、判断基準の1つとして利用するのはアリだと思います。
データについて
合格実績データとその期間
今回、各塾の進学実績データは以下のように処理しています。
- 実績は基本的に各塾の公式ホームページから取得
- 過去データはインターネット・アーカイブ等を活用して収集
やはり過去データは公式ホームページ上から消されてしまうため、今回もインターネット・アーカイブに頼る事になりました。
ただ、中学受験データと異なり、歯抜けとなっている年が多くなってしまっています。申し訳ございません。
また、データは可能な限り各塾に定期的に通っている生徒の実績のみに絞っていますが、明確な記載がないケースもあるため、一部のデータで模試や春・夏・冬季講習のみ通った生徒の数が入っているかもしれないことをご了承ください。
生徒数は不明
大学合格実績では、各学校の生徒数が概ね分かっているので合格率が出せますが、各塾の生徒数は非公表なので単純に合格数のみを比較しています。
合格数は単純に規模の大きな塾が有利になってしまうため、
合格数が多い塾が必ずしも良い塾というわけではない
という点はご注意いただければと思います。
個人的には母数が分からないデータは好みではないですが、
- 各塾が変化する受験環境にどこまで対応できているかの把握
- 生徒に選ばれている大手塾はどこなのか
といった傾向は読み取れると思います。
なお、2016年と2023年の各塾の尾張地区における高校受験対応校舎数は以下の通りになっていました。
(佐鳴の2016年校舎数は、どう頑張っても出てこなかったので空欄になっています…)
引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール/サンライズ
各大手塾の合格実績
旭丘高校
旭丘高校の合格実績は以下の通りとなりました。
引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール/サンライズ
旭丘高校は愛知県におけるトップ校ということで、各塾で最も力を入れている高校だと思います。
トピックとしては、
- 佐鳴予備校の大躍進
- 河合塾は合格数を伸ばせず2位に転落
- 河合塾wings単体は合格数の減少傾向が続く
- 名進研は合格者数が4割超の大幅減
- 上記以外の塾はほぼ横ばいの傾向
といった感じでしょうか。
昨年から佐鳴予備校は合格数を伸ばし始めた傾向は見えていましたが、今年は大幅に合格数を伸ばしました。
理由は色々あるかと思いますが、今年の高校入試と言えば”マークシート式への変更”が大きな変化であった事を考えると、ここに対する対応で差が出た可能性があります。
もちろん、校舎数を考えると河合塾(グリーンコース+wings)の合格数の多さは特筆すべきものがあるのは変わりませんが、ここまで傾向に顕著な差が出てしまうと気になりますね。
実際、
「今年の河合塾の模試は外しまくりだった」
という話も聞いたので、塾によってマークシート対応の差が出た可能性は高そうです。
絶対数が少ないので目立ちませんが、名進研は合格数を5割弱も減らしており、苦戦を強いられています。
明和高校
明和高校の合格実績は以下の通りとなりました。
引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール/サンライズ
明和高校は常に尾張地区におけるNo.2の学校で、こちらも各塾は力を入れている学校であるのは間違いありません。
今年のトピックとしては、
- 佐鳴予備校も河合塾も微増傾向で差は縮まっていない
- 野田塾は大幅に合格数を減らしてしまった
- 河合塾wingsも減少している
- 上記以外の塾はほぼ横ばいで推移
といった感じでしょうか。
長期目線で見ると、河合塾全体としては佐鳴に迫るような勢いを感じますがそれでも合格者数としての差は感じますし、ここ数年はその差も縮まっていません。
前述の旭丘の結果とは異なり、佐鳴予備校が大幅に合格数を伸ばせていないのも少し気になるところですね。
トップ2塾以外では、野田塾が4割近くも合格数を減らしているのも気になるところ。
近年は横ばい傾向ではありましたが、ここに来ての大幅減少はビックリしました。
向陽高校
向陽高校の合格実績は以下の通りとなりました。
引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール/サンライズ
向陽高校は偏差値的にも尾張地区で3位で、大学合格実績でもかなり良い実績を出している実力校です。
今年のトピックとしては、
- 佐鳴予備校が持ち直して合格数を大幅に伸ばした
- 河合塾が2位になるものの合格数は横ばい
- 長年2位をキープしてきた野田塾が大幅に合格数を減らした
といった感じでしょうか。
佐鳴予備校は去年大幅に合格数を減らし、野田塾、河合塾との差がかなり縮まっていましたが、旭丘の結果と同様に合格数をかなり伸ばしています。
一方で、野田塾は合格数をかなり減らしてしまっており、長期間キープしてきた2位の座を河合塾に譲ってしまっています。
野田塾は明和高校でも合格数を大幅に減らしてしまっているので、理由がマークシート対応によるものなのか、生徒の層が変わった事によるものなのか非常に気になるところです。
河合塾は合格数2位となりましたが、傾向としてはほぼ横ばいです。
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以上、今回は
[2023年データ]大手学習塾の公立高校合格実績とその推移
をご紹介しました。
来年からは今年の試験サンプルがあるので各校マークシートに合わせたカリキュラムにしてくると思われます。
今年のこの傾向がどう変化するのか注目です。
なお、各校の大学合格実績は以下の記事でまとめているので、ご興味があればどうぞ。

次回は、各塾の菊里高校、瑞陵高校、千種高校の実績をご紹介する予定です。
皆様の参考になれば幸いです。
コメント
佐鳴が旭丘の合格者を伸ばしている背景のひとつに、旭丘前校長が佐鳴に行かれたことがあると思います。
コメントありがとうございます!
こちらについてはPart2で少し調べましたが、佐鳴予備校に旭丘高校前校長と向陽高校前校長が入ったというのは事実のようで、特に向陽高校前校長は入試のルール作りをする検討会にも出ていたので、かなり内部事情に詳しかったのではないかと思われます。
それにしても、この旭丘と向陽だけ実績が上がる、と言うのはちょっと不自然さを感じますよね…