今回は、これまでご紹介してきた私立中学の進学実績と、公立高校の進学実績の比較をご紹介します。
その他の2022年の進学実績記事は以下の通りです。
【医学部進学実績編】

【私立男子編】

【私立女子編】

【公立高校編】

注意点
今回の実績比較にあたり、以下の点が注意点となっておりますのでご留意いただきご確認ください。
- 実績数値は基本的に各校ホームページで公表されているデータを使用しているが、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊の数字を使用(それぞれ、非公表・未更新が理由)
- 公立高校の100人あたりの数字を算出するベースとなる卒業生の数は、詳細な人数が不明のため、各校の”普通科”の募集人数とした
ちなみに、去年ご指摘をいただきましたが、「公立、私立のトップ校は早慶上理ですら滑り止めであり、そもそも受けていない事も多い」という内情があるらしく、そのあたりは頭に入れて比較したほうが良いかもしれません。
国公立大学の進学実績
東大・京大の合格数実績
東大・京大の合格数実績は以下のようになりました。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
昨年のデータと比較しても大きな変動はなく、特に上位校は数字を含めて似たような形になっています。
昨年もそうでしたが、医学部等に学部を限定しない場合、東大+京大の実績は旭丘高校が頭一つ抜けている感じで、安定した強さを感じますね。
名古屋大学の合格数実績
名古屋大学の合格数実績は以下のようになりました。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
こちらも、順位の変動が若干あるものの、基本的な傾向は同じで、地元の上位公立高校が地元の国公立大学に強い、という真っ当な結果だと言えます。
また、私立のまとめでも書きましたが、春日丘は受験時の偏差値が上だった学校(愛知淑徳、名古屋、南山男子)よりも良い実績になっているのは非常に興味深いですね。
東大・京大以外の旧帝大+一工の合格数実績
東大・京大以外の旧帝大(名大、北大、東北大、阪大、九大)と、一橋大、東工大を合算した実績は以下の通りです。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
名古屋大の結果と傾向は同じで、やはり公立高校が強いです。
なお、どこの大学が多いか、という傾向は公立でも私立でもあまり変わりはなく、地元の名古屋大が突出して多く、次に地理的に近い大阪大、その次は北海道大学、という順番になっています。
関東難関私立大学の進学実績
早慶上理の合格数実績
関東私大のトップ校である早慶上理の合格数実績は以下のようになりました。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
早慶上理は昨年からの変動が大きく、特に私立の滝、南山男子が大きく実績を伸ばした結果、上位に中高一貫私立高が多くなりました。
もちろん、公立の実績が落ちたわけではないですが、順位としては入れ替わっています。
MARCHの合格数実績
関東私大の難関校ではるMARCHの合格実績は以下のようになりました。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
このカテゴリも、基本的な傾向としては早慶上理と似ていますが、昨年と同様、公立だと菊里、私立だと愛知淑徳の合格数が多くなっているのが特徴的です。
学年ごとに空気感が違う可能性はありますが、この2校はこのカテゴリを狙う傾向がある程度あるのかもしれません。
関西難関私立大学の進学実績
関西難関私立大学である関関同立の進学実績は以下のようになりました。
引用元:以下の各校ホームページ公表値および説明会の配布資料より作成。ただし、東海、旭丘、金城はサンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版の数字を使用。
明和/一宮/向陽/菊里/瑞陵/千種/滝/南山女子/愛知淑徳/春日丘/南山男子
地理的に近いこともあってか関東難関私大と異なり、公立高校が上位に多く入っています。
滝も今年は関関同立の合格数を大きく伸ばしており、昨年の1.5倍超となっていますが、それでも上位公立高校よりは少ないという結果です。
実際に進学しているかは分かりませんが、関西私大は公立高校から受験する人数が多いのは間違い無さそうです。
まとめ
以上をまとめると以下のようになります。
- 難関国公立大、難関私立大どちらを見ても旭丘高校と東海高校は圧倒的な実績を出している
- 上記2校も含め基本的な傾向としては昨年と同様「難関国公立大:公立が優位」「難関私立大:私立が若干優位」である
- 中学受験校よりも上位の公立高校の方がオールマイティーに難関大学をカバーできている印象が強い
ただし、当サイトとしては、去年も書いた通り、この結果だけで「公立高校の方が良いのでは?」と考えるべきではないと考えています。
繰り返しになってしまうので詳細はこちらをご確認いただければと思いますが、中高一貫私立高には、
- 内申点で悩む必要がない
- 指定校推薦を狙える
- 中学の3年間に余裕が生まれる
という数字では測れない大きなメリットがあり、こちらも含めてどういった進路を考えるか検討するべきだと思います。
中学受験、高校受験のどちらが良いかは人によって異なると思いますが、大事なのは「選択肢を多く持っておくこと」であり、親としては日頃から情報収集を欠かさず、子供に相談された場合に受け止められる準備をしておくのが望ましいのではないかと考えています。
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以上、今回は
2022年の愛知県公立高校と中高一貫私立校の進学実績比較
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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