以前書いた私立中学の受験者数・倍率・偏差値の2023年情報が揃いましたので情報更新をしました。
今回は女子編です。
男子編は以下からどうぞ。

今回の内容をざっくりとまとめると以下のようになります。
- 愛知中、名電中聖霊中の偏差値上昇
- 女子校の偏差値は基本的に横ばいか下降傾向
- 受験者数は滝中学の伸びが大きいが、受験回数を減らしても横ばいを維持し、女子受験者が急増している名電中も要注目
- 倍率は南山女子がトップで、他校との差がかなり大きい
詳細は以下をご確認ください。
偏差値の推移
2013年から2023年の日能研結果R4偏差値の推移は以下のようになりました。
なお、「日能研R4偏差値」とは、日能研の全国模試における合格率80%のラインの事です。
ざっくり言ってしまえば、
合格率が80%となる偏差値
だと思っていれば良いと思います。
また、今回使用する偏差値データは上記の通り、日能研の全国模試なので、名進研の偏差値と異なり関東や関西の超難関校(開成や灘など)を受験する人も含めた全国の偏差値になっているので注意が必要です。
ただ、まだ少しデータに変動があるようで、偏差値が若干異なっている資料も散見される状況のため、今後データが更新される可能性があることにご注意ください。
出典:日能研ホームページ 結果R4偏差値およびオンザロード2023配布資料より作成
2022年→2023年結果の偏差値変化のポイントとしては、
- 愛知中、名電中聖霊中の偏差値上昇
- 女子校の偏差値は基本的に横ばいか下降傾向
といった感じでしょうか。
ちなみに、見えづらいですが、聖霊中の学科入試偏差値は45です。
愛知中、名電中、聖霊中の偏差値上昇(再掲)
愛知中、名電中、聖霊中はそれぞれ以下のように偏差値が上昇しています。
- 愛知中:45→46(日能研予想43)
- 名電中:43→45(日能研予想42)
- 聖霊中:43→45(日能研予想43)
愛知中、名電中は日能研の予想偏差値よりも3上振れしており、想像以上に伸びている事が分かります。
特に名電は2018年から5年連続で偏差値を上昇させており、2018年から考えると偏差値が8も上昇しています。
他の学校でここまで急激に偏差値が上昇している例はなく、これはかなりすごい事ではないでしょうか。
聖霊に関しては、先日のインタビュー記事でも触れましたが、聖霊中は南山大学へは毎年60人前後の枠があり、上位1/4に入れば確実に南山大学に行けるというのがかなり魅力的な学校です。
VAP入試がメインとなった関係で、2019年以降に学科入試の偏差値が急上昇し、そのまま上昇した偏差値を維持しています。
女子校の偏差値は基本的に横ばいか下降傾向
上記で触れた聖霊中以外の女子校は偏差値が横ばいか下降している状況です。
特に椙山は3年連続偏差値が下降してしまっており、今後どのような傾向になっていくかちょっと気になります。
後のパートでも触れますが、偏差値に加えて受験者数を考えると女子校よりも共学校へ、という流れが影響しているように感じますね。
受験者数推移
2023年のデータを反映した受験者数推移は以下の通りです。
なお、愛工大名電中における受験者数、倍率データは、奨学生入試と一般入試の合計を使用しています。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
注目ポイントは
- 受験者数を着実に伸ばしている滝中学
- 受験回数を減らしたにも関わらず大きく受験者数が減っていない名電中
- 名電中の女子受験者の増加
の3点ではないでしょうか。
滝中学は2022年から名古屋市での受験が可能となった事もあって、今年も順調に受験者数を伸ばしています。
また、前述の通り、名電中は一般入試を2回実施していたものが、今年から1回に減らされたにも関わらず、ほぼ同等の受験者数を維持しています。
これは上でご紹介した偏差値のデータも含めて、人気上昇がほぼ間違いないと言って良い状況なのではないでしょうか。
そして上記グラフには現れていませんが、女子的に注目なのは名電中の女子受験者の急増です。
2021年の時点では名電中の女子受験者はわずか80人でしたが、今年は176人まで増加しており、2倍超の受験者数になっています。
前述の通り、名電中は一般入試を今年から1回に減らしていますが、女子受験者数が伸びているのは驚異的。
現時点では入学予定者数自体はそこまで伸びていないですが、このペースで受験者数が増えるとすると入学予定者数も伸びる可能性があるので要注目ですね。
(参考)受験者増減割合
絶対数だけの比較だと募集人員の影響等があるので、2016年を基準とした増減割合も作ってみました。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
増減率で見ると、名電中の人気上昇がかなりはっきりと出ますね。
春日丘も好調だったのですが、今年は受験者数を減らしており、人気上昇の一服感が出ています。
女子校に関しては2016年より受験者数が増えているのは愛知淑徳(104%)のみで、それ以外の学校は横ばいか微減、という傾向です。
これは、共学校は全て10%超の増加となっているのと対称的。(前回ご紹介した男子校も全て10%超の増加)
一方で、(女子受験生の多くが滑り止めで受験する)名古屋女子中学の受験者数が2020年の780人から2023年には1003人に増加していることから、中学受験をする女子が全体的に減っている、という事はなさそう。
つまり、全体的な流れとしては女子校離れの傾向があるように感じます。
倍率の推移
倍率データは受験者数÷合格者数で算出した実質倍率のデータです。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
実質倍率は南山女子がトップで、相変わらず4倍近くの倍率を維持しています。
また、繰り返しになりますが、名電中の倍率上昇は凄まじいですね…
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以上、今回は
2023年 東海地区私立中学の受験者数・倍率・偏差値の変化まとめ(女子編)
についてご紹介しました。
なお、少し本文中でも触れていますが、この偏差値データと進学実績データを見比べると面白いと思うので、進学実績の記事へのリンクを貼っていおきます。
ご興味があればどうぞ。

皆様の参考になれば幸いです。
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