[2022年データ]大手学習塾の公立高校合格実績とその推移 Part1

最近、本当に受験ブログみたいになっていて恐縮ですが、大手学習塾における2022年の公立高校合格実績が出ましたので、過去の推移データとともにご紹介します。

Part1の今回は、旭丘高校・明和高校・向陽高校の各塾の合格実績をご紹介します。

菊里高校・瑞陵高校・千種高校の実績は以下のリンクからどうぞ。

[2022年データ]大手学習塾の公立高校合格実績とその推移 Part2
2022年における佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナールの菊里高校、瑞陵高校、千種高校の合格実績とその推移です。 トップ校の実績と異なり、菊里高校以外では河合塾の勢いはそこまでない印象です。

今回の内容をまとめると以下のようになります。

  • 旭丘高校の実績は河合塾がトップで、特に河合塾wingsの勢いを感じる
  • 一方で今年は佐鳴予備校が旭丘高校の合格数を大幅に伸ばしており来年どうなるか注目
  • 佐鳴予備校は明和高校・向陽高校ではトップの実績だが、他塾の猛追を許している
  • 旭丘・明和・向陽高校に対して合格実績を明確に伸ばしているのは河合塾のみで特にwingsの勢いがある
  • 河合塾・佐鳴予備校以外の大手塾は、今回の3校に対しては合格実績が横ばい~微減傾向

詳細は以下をご確認ください。

※7月15日更新
河合塾wingsについて、愛知県内各校の実績が概ね揃いましたので「河合塾wings単体の」実績を追加しました。
ただし、合格者は居るものの各校の実績に載っていないだけの学校もある可能性があるので、最低数という認識で御覧ください。

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対象とする塾と学校

対象とする公立高校

Part1の今回は、愛知県尾張地区のTOP3である以下の3校を対象としました。

  • 旭丘高校:偏差値62
  • 明和高校:偏差値60
  • 向陽高校:偏差値59

※上記偏差値は佐鳴予備校における目標偏差値です

対象とする塾

今回、対象としたのは、以下の6塾で、河合塾だけは(ハイレベル向けの)wingsと「wings+グリーンコース」の2種類集計しています。

  • 佐鳴予備校
  • 河合塾(wings/グリーンコース)
  • 名進研
  • 野田塾
  • 秀英予備校
  • 明倫ゼミナール

(参考)高校受験における大手塾と個人塾

以前から少し触れている通り、愛知県の高校受験は、中学受験と異なり本番の試験以外にも内申点が重要です。

内申点で高得点を取るためには、普段の定期テストからコツコツと実績を積み上げる必要がありますが、その目的を達成することを考えると、各公立中学校の定期テスト傾向等を熟知している地域に根ざした個人塾や小規模塾の優位性はあるのではないかと思います。

今回は、小規模校や個人塾の実績データを広範囲に集めるのが実質上不可能に近いため、大手塾のみを対象としましたが、個人的には大手塾以外も検討する価値はあると思っています。

そういった大手以外の塾選びは結構難しいですが、判断基準の1つとして、
情報収集(と発信)をしっかりやっている塾か?
というのは見ておいて損はないかと思います。

というのも、近年愛知県の高校受験はルール変更が頻繁に行われており、しっかりとした情報収集が非常に重要になっているからです。

たとえば、2023年の3月からは、愛知県公立高校の一般入試はマークシート方式に変わりますが、この内容について、しっかりとした情報収集を行えなければ相当不利になってしまうのは明白で、こういった部分のサポートができる塾を選びたいところです。
(※「発信」を入れているのは、我々が知ることができるという理由もありますが、ちゃんと理解していないと塾ブログ等で発信することができないため、塾の理解度の証拠にもなるからです。)

例えば、当サイト(および当サイトのTwitter)でよくコメント等で応援していただいている「名学館小牧新町校」さんなどは、ブログ等で非常に積極的に情報発信を行っており、上記のようなルール変更も非常に細かく解説されています。
それ以外にも、オススメの参考書情報や各高校の進学実績を書いていたりするので、非常に幅広く情報収集や対策検討を行っていることがわかります。
(そもそもこんな小さな当サイトを見つけていただいている時点ですごい…)

もちろん、情報収集と発信だけで塾を判断する事はできませんが、判断基準の1つとして利用するのはアリだと思います。

データについて

合格実績データとその期間

今回、各塾の進学実績データは以下のように処理しています。

やはり過去データは公式ホームページ上から消されてしまうため、今回もインターネット・アーカイブに頼る事になりました。
ただ、中学受験データと異なり、歯抜けとなっている年が多くなってしまっています。申し訳ございません。

また、データは可能な限り各塾に定期的に通っている生徒の実績のみに絞っていますが、明確な記載がないケースもあるため、一部のデータで模試や春・夏・冬季講習のみ通った生徒の数が入っているかもしれないことをご了承ください。

生徒数は不明

大学合格実績では、各学校の生徒数が概ね分かっているので合格率が出せますが、各塾の生徒数は非公表なので単純に合格数のみを比較しています。

合格数は単純に規模の大きな塾が有利になってしまうため、
合格数が多い塾が必ずしも良い塾というわけではない
という点はご注意いただければと思います。

個人的には母数が分からないデータは好みではないですが、

  • 各塾が変化する受験環境にどこまで対応できているかの把握
  • 生徒に選ばれている大手塾はどこなのか

といった傾向は読み取れると思います。

なお、2016年と2022年の各塾の尾張地区における高校受験対応校舎数は以下の通りになっていました。
(佐鳴の2016年校舎数は、どう頑張っても出てこなかったので空欄になっています…)

2022年 愛知県公立高校受験の学習塾校舎数比較

引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール

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各大手塾の合格実績

旭丘高校

旭丘高校の合格実績は以下の通りとなりました。

2022年 大手学習塾の旭丘高校の合格実績とその推移

引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール

旭丘高校は愛知県におけるトップ校ということで、各塾で最も力を入れている高校だと思います。

傾向としては、

  • 数年前に河合塾に抜かれてしまった佐鳴が2022年は猛追している
  • 河合塾wingsの勢いがすごい
  • 上記2塾以外は横ばい~減少傾向で厳しい状況

といった感じでしょうか。

特に河合塾はwingsの勢いがすごく、元々wingsはハイレベル向けのコースではあるものの、2019年~2021年で1.5倍超になっています。

残念ながらwings単体の実績は現時点では出ていませんが、この勢いが維持されているとしたら、校舎数も考えるとwingsの合格率は相当高いのではないかと思います。
(逆にグリーンコースはどうなんだ、という見方もできますが)

夏期講習向けに出た河合塾wingsの各校実績を見ると、河合塾wings単体では若干合格数が減少したようです。
とはいえ、校舎数の少なさを考えると合格率はかなり高いのは間違いなく、優秀な実績であると考えられます。

明和高校

明和高校の合格実績は以下の通りとなりました。

2022年 大手学習塾の明和高校の合格実績とその推移

引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール

明和高校は常に尾張地区におけるNo.2の学校で、こちらも各塾は力を入れている学校であるのは間違いありません。

傾向としては、

  • 旭丘と異なり佐鳴がトップを維持しており、2位以下と差がある
  • 河合塾wingsの勢いは旭丘ほどはない
  • 上記2塾と野田塾以外は横ばい~減少傾向で厳しい状況

といった感じでしょうか。

河合塾全体としては、佐鳴に迫るような勢いを感じますがそれでも合格者数としての差は感じます。

また、wingsはそこまで伸びていない印象で、単にターゲットとしているのが旭丘だけ(=No.1ねらいのみ)なのか、伸び悩んでいるのか気になるところです。
夏期講習向けに出た河合塾wingsの各教室の実績を合算すると、2022年の実績はかなり伸びており、旭丘だけでなく後述の向陽高校も合わせて、河合塾wingsは上位校への強さが増していると考えて良いのではないでしょうか。

長期視点で見ると、ほぼ同等の合格者数だった野田塾が河合塾(全体)に差を広げられてしまっており、近年は微増傾向ではあるものの厳しい傾向です。

向陽高校

向陽高校の合格実績は以下の通りとなりました。

2022年 大手学習塾の向陽高校の合格実績とその推移

引用元:以下の各塾公式サイトの公表データより作成
佐鳴予備校/河合塾/名進研/野田塾/秀英予備校/明倫ゼミナール

向陽高校は偏差値的にも尾張地区で3位で、大学合格実績でもかなり良い実績を出している実力校です。

傾向としては、

  • 佐鳴がトップを維持しているが22年は合格数を大幅に減らし、2位・3位に追いつかれつつある
  • 上位2校と異なり、野田塾が2位の実績だが、近年は減少傾向で、河合塾の猛追を許している
  • 上記3塾以外は横ばい~減少傾向

といった感じでしょうか。

上位2校と目立って異なるのは野田塾が2位である、というところで、2016年時点では老舗の強さを感じますが、近年は河合塾に追いつかれつつあります。

佐鳴も21年から大幅に合格者数を減らしており、野田塾・河合塾との差が大きく縮まっているのが分かります。

ここでも旭丘高校では勢いのあったwingsはそこまで目立った実績とはなっておらず、その他の塾も横ばい~減少傾向となっています。
夏期講習向けに出た河合塾wingsの各教室の実績を合算すると、2022年の実績はかなり伸びており、旭丘だけでなく前述の明和高校も合わせて、河合塾wingsは上位校への強さが増していると考えて良いのではないでしょうか。

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以上、今回は
大手学習塾の公立高校合格実績とその推移
をご紹介しました。

なお、各校の大学合格実績は以下の記事でまとめているので、ご興味があればどうぞ。

名古屋の公立高校・私立高校の大学進学実績(2021年更新版)
2021年の名古屋の公立高校・私立高校の大学進学実績を比較、分析しています。 中学受験、高校受験のどちらをするべきかの考察も合わせて行っています。

次回は、各塾の菊里高校、瑞陵高校、千種高校の実績をご紹介する予定です。

皆様の参考になれば幸いです。


コメント

  1. あい より:

    はじめまして。今年、名古屋市名東区に引っ越してきました中1の子どもがいます。
    突然すみません。
    塾を探しているのですが、どこを選んだらいいかわからずらここに辿り着きました。
    色々と体験したり、電話で話を聞いたりしていますが、よくわかりません。
    秀英予備校は体験しようとしたら電話でうちは神丘中学専門だと言われました。(うちは近いですが違う中学)
    今、明倫ゼミナールの夏期講習に行っていますが、何の科目も同じ先生らしく…気になる箇所です。
    佐鳴は近いのですが、中間や期末テストの結果があまりよくないのが気になりました。

    ネットのよくわからない評判もどこまで信用していいかのかわからず決められません。

    • contra より:

      コメントありがとうございます!

      高校受験の塾選びは非常に悩ましく、各学区には評判の良い小規模塾があったりするので一言で「この塾が良い」と断言するのが難しいのが正直なところです。

      ご期待いただいている回答になっていないかもしれませんが、あいさんがされている「色々な塾に触れてみる」というのは時間はかかりますが正しいアプローチだと思います。
      というのも、塾に対して何を求めるかによって検討する塾の種類が変わってきますし、各塾の方針/空気感とお子様が「合う」「合わない」もあるからです。

      前者に関しては、一般的には補習的な役割を求めるのであれば個別指導型が多いですし、上位校への進学対策を求めるのであれば講義型が多いです。
      (もちろん上位校を目指す個別指導塾もありますが)

      後者に関しては、実際に説明を受けたり、体験授業を受ける事でしか確認できないので、そういう意味で「正しいアプローチ」だと思っています。
      もちろん、多数の塾の体験をするわけにもいかないので、当記事で紹介しているような進学実績を判断材料の1つとされるのも良いと思います。

      ハッキリした答えをお伝えすることができず心苦しいですが、愛知県の公立高校受験は3割が内申点(学校の成績)ですし、どちらかというと基礎的な内容が重視される傾向が強いので、お子様が気に入る/学習しやすいと感じる塾が良いのではないかと個人的には思います。

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