今回は以前書いたこの記事の2022年の情報が揃いましたので情報更新をしました。

今回は女子編です。
男子編は以下のリンクからどうぞ。

なお、今回は女子編ということで、共学校の部分が前回と重複していますが、女子編しかご覧にならない方もいるかと思いますので、同じ内容を再掲します。
前回記事を読んでいただいた方には同じ内容となってしまい大変恐縮ですが、ご了承ください。
今回の内容をざっくりとまとめると以下のようになります。
- 共学校の人気上昇に伴う偏差値上昇・受験者数増が明確で、特に愛知・名電・春日丘は予想より大幅に偏差値が上昇した
- 金城の偏差値が上昇した一方で、受験日程変更の影響もあり椙山の偏差値は下がっている
- 滝中学の偏差値上昇・受験者数増加は学校側の努力が実ったと思われる
- 受験者数や倍率、偏差値を中期視点で見ると、共学校と女子校は明暗が別れており、共学校の人気が高まっている傾向がハッキリと出ている
詳細は以下をご確認ください。
偏差値の推移
2013年から2022年の日能研結果R4偏差値の推移は以下のようになりました。
なお、「日能研R4偏差値」とは、日能研の全国模試における合格率80%のラインの事です。
ざっくり言ってしまえば、
合格率が80%となる偏差値
だと思っていれば良いと思います。
また、今回使用する偏差値データは上記の通り、日能研の全国模試なので、名進研の偏差値と異なり関東や関西の超難関校(開成や灘など)を受験する人も含めた全国の偏差値になっているので注意が必要です。
ただ、まだ少しデータに変動があるようで、偏差値が若干異なっている資料も散見される状況のため、今後データが更新される可能性があることにご注意ください。
出典:日能研ホームページ 結果R4偏差値より作成
2021年→2022年結果の偏差値変化のポイントとしては、
- 共学校(緑色線)の偏差値が上昇している
- 金城の偏差値が上昇した一方で椙山の偏差値が下がっている
- 金城・椙山は偏差値が近かった共学校に抜かれてしまった
といった感じでしょうか。
相変わらず南山女子は中部地区トップの偏差値を維持しています。
共学校の偏差値上昇(再掲)
共学校の偏差値上昇は著しく、後述の受験者数や倍率の状況からみても、共学校の人気が上昇していると見て良いのではないかと思います。
特に共学校は昨年日能研が作成した予想偏差値では偏差値が横ばい~下降する予測だったにも関わらず、以下の通り軒並み上昇しているのはすごいことだと思います。
【予想偏差値と実績の違い】
- 滝中学
予想:59(前年比較横ばい) → 結果:60 - 愛知中
予想:43(前年比較横ばい) → 結果:45 - 愛工大名電中
予想:38(前年比較下降) → 結果:43 - 春日丘中
予想:39(前年比較下降) → 結果:43
特に名電と春日丘は予想よりも4-5も偏差値が上になっているのが特徴的です。
金城の偏差値が上昇
金城は、2021年の冬に日能研が予想した偏差値よりは上昇幅は抑えられていますが、昨年に比べて上昇しています。
思考力入試を導入した関係で偏差値の変動が起こることは予想されていましたが、予想よりは変動幅は小さかった、というところでしょうか。
過去、似たような専願制のVAP入試を導入した聖霊中は、導入割合が高くなった結果、学科入試の合格者数が減少し、学科入試の偏差値が上昇する、という結果になりました。
今回導入された金城の思考力入試の合格者数割合は5%程度のため、影響はほぼないのではないかと思いますが、今後の思考力入試の規模がどうなるかも含めて気になるところです。
椙山の偏差値が低下
これは、昨年の入試は金城の合否を確認する前に、愛知淑徳か椙山かを選択する必要があったため、安全策(全落ち回避)として椙山に流れた生徒が居た一方で、今年は金城の合否を確認した後に愛知淑徳か椙山かを選択する事が出来た、という事の影響が出ているように感じます。
受験者数推移
2022年のデータを反映した受験者数推移は以下の通りです。
なお、愛工大名電中における受験者数、倍率データは、奨学生入試と第1回入試と第2回入試の合計を使用しています。
また、金城学院中は、今年より思考力入試が導入されたため、学科と分離し、これまでの推移データと連続しているのは学科のみのデータとし、思考力入試のデータは別記することにしました。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
愛工大名電の受験者数が約1割増加しており、共学校の需要・人気の高さがここでも現れていると思います。
愛知淑徳も受験者数が微減傾向ですが、これは専願となっている金城の思考力入試に181人の生徒が流れた影響を受けていると思います。
椙山は淑徳よりも受験者数の減少幅が大きいですが、これは上記の思考力入試の影響に加え、前述の受験日程の変更による影響が大きく、2019年や2020年の水準に戻ったと言えます。
滝中学の受験者増加について(再掲)
滝中学の受験者数が増えているのは、
- 名古屋でも受験が可能になった
- スクールバスの運行(特に一宮からの直通)が開始された
の2点が大きいと思います。
名古屋会場の受験はすぐに埋まってしまった程の人気だったようで、受験者数の増加の理由の1つになったと思います。
スクールバスの運行は特に一宮からの直通バス開始の影響が大きいように思います。
実は滝中学は今までも1割程度(2021年入学者252名のうち一宮市23名)一宮市からの入学者が存在しており、名古屋市に次いで2番目の多さでした。
今回、スクールバス運行開始で通学の利便性が劇的に向上したことで、一宮市在住で中学受験を志向する層の受験者が増えたのだと思います。
(参考)受験者増減割合
絶対数だけの比較だと募集人員の影響等があるので、2016年を基準とした増減割合も作ってみました。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
増減率における上位は春日丘・愛工大名電の2校で、他校に比べると増加率は頭一つ抜けて高く、人気を維持していると言えます。
女子の受験という視点では、増減率にするとよりハッキリと現れますが、女子校がハッキリと減少傾向な反面、共学校の増加傾向が目立ちます。
特に椙山や金城は、近年偏差値が伸びてきた偏差値40-50付近の共学校と完全に競合するようになったため、その影響が出ているように感じます。
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倍率の推移
倍率データは受験者数÷合格者数で算出した実質倍率のデータです。
出典:日能研ホームページ 倍率速報および各校の発表情報より作成
ここ数年の傾向としては、南山女子と愛工大名電が上昇しており人気を維持していると言えるのではないでしょうか。
金城は思考力入試を導入した結果、学科の合格者数が減少したため倍率としては上昇しています。今後どのような傾向になるか気になりますね。
なお、金城の思考力入試は母数が少ないので図としては出していないですが、倍率は約5.8倍となっており、2022年は狭き門となったようです。
以上、今回は
2022年 東海地区私立中学の受験者数・倍率・偏差値の変化まとめ(女子編)
をご紹介しました。
なお、少し本文中でも触れていますが、この偏差値データと進学実績データを見比べると面白いと思うので、進学実績の記事へのリンクを貼っていおきます。
ご興味があればどうぞ。



皆様の参考になれば幸いです。
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