今回から2回に分けて、
「名古屋において中学受験をするのはメジャーではない」
というイメージは本当なのか統計データを使って確認することにしました。
具体的には、中学受験が必要な私立や国立の学校数や生徒数のデータから都道府県別や政令指定都市別で私立中学の学校数や生徒数のランキングを作成し、全国の状況と比較して、愛知県/名古屋市における私立中学の学校数や入学する生徒の割合はどのような状況になっているのか、というのを可視化していきます。
1回目の今回は学校数の比較をメインに、中学校の学校数について、
- 国立+私立の学校そのものの絶対数
- 国立+私立の学校の割合
を都道府県別と政令指定都市別でランキングを作り、愛知県、名古屋市の位置づけを見てみます。
中学受験が必要な学校の絶対数の比較
関東出身者からすると、
「東海地区の中学受験は選択肢が少なすぎる!」
とよく言われますが、実際に他県や他市と比較するとどうなのか見てみました。
都道府県別比較
国立+私立の学校数を都道府県別で見ると以下のようになり、
愛知県は25校で全国11位
という結果になりました。
引用元:令和3年学校基本調査統計データ「都道府県別学校数」より作成
やはり、愛知県の都市規模から考えると少ないという印象を持ちますね。
政令指定都市別
政令指定都市別データは「公立」と「私立」の2区分しかないので、私立のみのデータになります。
結果としては、
名古屋市は13校で7位
という結果になりました。
こちらも、名古屋市が3番目の都市、と言われていることを考えると少ない印象です。
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中学受験が必要な中学校の割合
上記の通り、学校の絶対数はあまり多くないという結果になりましたが、学校数の割合としてはどのような位置にいるのかも調べてみました。
都道府県別比較
国立+私立の学校数を都道府県別で見ると以下のようになり、
愛知県の国立+私立中の学校割合は5.7%で全国25位
という結果になりました。
愛知県の中学校で私立中学は5%程度しかない、ということです。
引用元:令和3年学校基本調査統計データ「都道府県別学校数」より作成
学校数割合になると、学校の絶対数よりも更に下位になり、真ん中よりも下という結果になりました。
政令指定都市別比較
政令指定都市別データは「公立」と「私立」の2区分しかないので、私立のみのデータになります。
結果としては、
名古屋市は10.2%で15位
という結果になりました。
名古屋市の中学校で1割程度が私立中学、という事です。
県で考えるよりも割合は高まっていますが、他の政令指定都市と比較すると、私立中学の学校数割合は高くなく、下から数えたほうが早いレベルです。
まとめ
これまでの結果から、以下のことが言えるのではないでしょうか。
- 愛知県で中学受験が必要な学校(国立+私立)は25校あり全国で11位である
- 名古屋市内で中学受験が必要な学校(国立+私立)は13校で、政令指定都市+東京23区のなかでは7位である
- 上記2つの順位は経済圏や人口の規模から考えると高くない
- 県内、市内の国立+私立中の比率は絶対数よりもさらに順位が低い
- 愛知県内の国立+私立中の割合は全体の5.7%しかなく、これは全国25位の順位
- 名古屋市に絞っても国立+私立中の割合は10.2%で、政令指定都市のなかでは北九州や岡山など、都市規模が明らかに名古屋よりも小さな都市よりも比率が低い
つまり、学校数の視点では、
他の都道府県や都市と比べて中学受験における学校の選択肢は少ないということが数字からも明らか
であることがわかりました。
とはいえ、中学受験志向が高い=良い環境であるかと言われれば、個人的に必ずしもそうではない、と思っています。
次回は生徒数の数字に加え、このあたりの考察も行いたいと思います。
今回は以上です。
皆様の参考になれば幸いです。
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