大手学習塾における2022年の公立高校合格実績が出ましたので、過去の推移データとともにご紹介します。
Part2の今回は、菊里高校、瑞陵高校、千種高校のデータをご紹介します。
旭丘高校・明和高校・向陽高校の実績は以下のリンクからどうぞ。

今回の内容をまとめると以下のようになります。
- 菊里高校は佐鳴がトップをキープしているものの、河合塾が迫ってきている
- 瑞陵高校・千種高校は佐鳴が強さを見せており、2位以下を引き離している
- トップ校では勢いのあった河合塾も、菊里高校・瑞陵高校・千種高校ではその勢いはない
- 野田塾は千種高校の実績はキープできているものの、それ以外の高校は芳しくない
- 秀英・名進研・明倫の実績はほぼ横ばいとなっており大きな動きはなし
詳細は以下をご確認ください。
※7月15日更新
河合塾wingsについて、愛知県内各校の実績が概ね揃いましたので「河合塾wings単体の」実績を追加しました。
ただし、合格者は居るものの各校の実績に載っていないだけの学校もある可能性があるので、最低数という認識で御覧ください。
対象とする塾と学校
対象とする公立高校
Part1の今回は、愛知県尾張地区のTOP3である以下の3校を対象としました。
- 菊里高校:偏差値58
- 瑞陵高校:偏差値55
- 千種高校:偏差値55
※上記偏差値は佐鳴予備校における目標偏差値です
対象とする塾(再掲)
今回、対象としたのは、以下の6塾で、河合塾だけは(ハイレベル向けの)wingsと「wings+グリーンコース」の2種類集計しています。
- 佐鳴予備校
- 河合塾(wings/グリーンコース)
- 名進研
- 野田塾
- 秀英予備校
- 明倫ゼミナール
(参考)高校受験における大手塾と個人塾
以前から少し触れている通り、愛知県の高校受験は、中学受験と異なり本番の試験以外にも内申点が重要です。
内申点で高得点を取るためには、普段の定期テストからコツコツと実績を積み上げる必要がありますが、その目的を達成することを考えると、各公立中学校の定期テスト傾向等を熟知している地域に根ざした個人塾や小規模塾の優位性はあるのではないかと思います。
今回は、小規模校や個人塾の実績データを広範囲に集めるのが実質上不可能に近いため、大手塾のみを対象としましたが、個人的には大手塾以外も検討する価値はあると思っています。
詳細はPart1をご確認ください。

データについて(再掲)
合格実績データとその期間
今回、各塾の進学実績データは以下のように処理しています。
- 実績は基本的に各塾の公式ホームページから取得
- 過去データはインターネット・アーカイブ等を活用して収集
- 収集期間は概ね2016年-2022年
やはり過去データは公式ホームページ上から消されてしまうため、今回もインターネット・アーカイブに頼る事になりました。
ただ、中学受験データと異なり、歯抜けとなっている年が多くなってしまっています。申し訳ございません。
また、データは可能な限り各塾に定期的に通っている生徒の実績のみに絞っていますが、明確な記載がないケースもあるため、一部のデータで模試や春・夏・冬季講習のみ通った生徒の数が入っているかもしれないことをご了承ください。
生徒数は不明
大学合格実績では、各学校の生徒数が概ね分かっているので合格率が出せますが、各塾の生徒数は非公表なので単純に合格数のみを比較しています。
合格数は単純に規模の大きな塾が有利になってしまうため、
合格数が多い塾が必ずしも良い塾というわけではない
という点はご注意いただければと思います。
個人的には母数が分からないデータは好みではないですが、
- 各塾が変化する受験環境にどこまで対応できているかの把握
- 生徒に選ばれている大手塾はどこなのか
といった傾向は読み取れると思います。
なお、2016年と2022年の各塾の尾張地区における高校受験対応校舎数は以下の通りになっていました。
(佐鳴の2016年校舎数は、どう頑張っても出てこなかったので空欄になっています…)
各大手塾の合格実績
菊里高校
菊里高校の合格実績は以下の通りとなりました。
菊里高校は公立高校志向の強い人気学区が近くにある人気校で、偏差値も高いです。
傾向としては、
- 佐鳴がトップをキープ
- 河合塾の伸びが大きく野田塾を抜いた後は差を広げている
- 佐鳴、河合以外は横ばい~微減で厳しい状況
といった感じでしょうか。
傾向としては、前回ご紹介した旭丘に近いです。
まだ佐鳴がトップをキープしている点は旭丘とは異なりますが、河合塾(特にwings)の伸びが大きい一方、2016年では2位の実績だった野田塾が大きく合格者数を減らしています。
菊里高校は受験ルールの関係もあって、旭丘とセットで受験する層が一定数存在します。
そのため、旭丘の合格実績を大きく伸ばしているwingsの菊里高校合格者数伸びているのも納得できます。
ただし、2022年は合格者数が減少しており、来年の合格数がどうなるか注目です。
また、佐鳴予備校は星ヶ丘に菊里高校専用館を持っていたりするので、高校受験の段階から菊里高校に力を入れていても不思議ではないです。
瑞陵高校
瑞陵高校の合格実績は以下の通りとなりました。
傾向としては、
- 佐鳴がトップをキープ
- 合格者数だけでなく、合格者数の伸びも他塾を圧倒
- 佐鳴以外の塾の実績は芳しくない
といった感じでしょうか。
上記の推移を見れば分かる通り、瑞陵高校はハッキリと佐鳴の強さが出ています。
もちろん、合格者の絶対数が多いのは校舎数の影響が排除出来ませんが、
ここ数年は顕著に合格者数を伸ばしている唯一の塾である
というのが他塾との大きな違いで、強さが現れていると考えて良いです。
旭丘高校といった超トップ校では河合塾(特にwings)の勢いがありましたが、瑞陵高校ではその傾向はなく、2016年時点では3位以下と差があった野田塾も、2020年以降は合格者数を減らして河合塾に追いつかれています。
千種高校
千種高校の合格実績は以下の通りとなりました。
傾向としては、
- 佐鳴がトップをキープし、野田塾も2位に踏みとどまっている
- 2022年は河合塾が若干実績を伸ばして3位となっている
- 秀英・名進研・明倫の実績ほぼ横ばい
といった感じでしょうか。
千種高校も瑞陵高校と同様、佐鳴の強さが出た形になっていますが、こちらは野田塾も横ばい~微減に踏みとどまっています。
トップ校や菊里高校で強さを見せた河合塾も、千種高校ではそこまで実績を伸ばせていませんが、2022年は少しだけ上昇しており3位になっています。来年どうなるか気になるところです。
それ以外の塾はほぼ横ばい、といった感じで、実績を維持しています。
トップ6校まとめ
ちょっと見づらいですが、Part1からPart2でご紹介した6校をまとめると以下のようになります。
まとめると、
- 最上位校である旭丘高校は河合塾がここ数年で実績を大きく伸ばし佐鳴を抜いた
- 明和~菊里では佐鳴がトップをキープしているものの、河合塾の実績の伸びが大きい
- 瑞陵・千種では佐鳴が強く、2位以下との差を広げている
- 野田塾は向陽、千種では実績をキープできているものの、それ以外の高校では苦戦気味
- 秀英・名進研・明倫は横ばい~微減といった傾向で大きな変化はない
といったところでしょうか。
なお、来年はマークシート方式の導入が予定されているなど、入試環境が大きく変化する予定です。
特にマークシート方式は現時点でも問題のサンプルが一般公開されていないといったように、塾側の対応力が問われる状況になる可能性があります。
来年から数年間の合格実績は変更が大きくなる可能性があり、今回ご紹介した勢力図も変わるかどうか注目ですね。
===
以上、今回は、
大手学習塾の公立高校合格実績とその推移(菊里高校・瑞陵高校・千種高校)
をご紹介しました。
なお、各校の大学合格実績は以下の記事でまとめているので、ご興味があればどうぞ。

皆様の参考になれば幸いです。
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