名古屋の公立高校・私立高校の大学進学実績(2021年更新版)

今日は名古屋から通える学校の進学実績に関するまとめです。

これまで、以下の4回に分けて最新の進学実績を比較してきましたが、今回はそのまとめになります。

Part1:私立男子校
Part2:私立女子校
Part3:私立共学校
Part4:公立高校

※9月3日更新
Twitterでご指摘を受け、普通科でない人数を除外して数字を更新しました。
対象は、
旭丘高校:美術科40人
一宮高校:ファッション創造科40人
明和高校:音楽科40人
千種高校:国際教養科80人
です。

千種高校の国際教養科はかなり迷いましたが、やはり普通科で揃える事にしました。

上記の変更により、公立高校の実績は全て普通科の実績という事になります。

なお、繰り返しになりますが、今回の分析において愛知高校、菊里高校、向陽高校、千種高校の4校はデータが1年分古い可能性があることをご了承ください。
(ホームページの更新がありませんでした)

また、生徒数が違う中での比較となりますので、今回は全て「生徒100人あたりの合格数」を使用しています。
合格数ではなく、合格数です。
国公立大学の入試の場合は同一人物による複数合格は少ないですが、私立の場合は同一人物による複数合格が多々あるので、そこは頭に入れておいた上で以下の分析をご確認いただけますと幸いです。

単純な全体の合格数を確認したい場合は上記のPart1~Part4に載せていますので、そちらをご確認ください。

今回の内容をザックリとまとめると以下のようになります。

  • 難関国公立大、難関私立大どちらを見ても旭丘高校と東海高校は圧倒的な実績を出しており、差は少ない
  • 上記2校以外の基本的な傾向としては「難関国公立大:公立が優位」「難関私立大:私立が若干優位」である
  • 誤解を恐れずに言えば、中学受験校よりも上位の公立高校の方がオールマイティーに難関大学をカバーできている印象が強い
  • 一方で高校受験に向いていない子や中高一貫校に通うメリットを考えると中学受験も選択肢の1つとして考える価値はあるのではないか

詳細は以下をご確認ください。

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国公立大学の進学実績

国公立大学の実績をまとめると以下の表のようになります。

名古屋の高校における21年進学実績(旧帝大)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

これだけだと分かりづらいので細かく分割して可視化しました。

東大+京大の結果

上位順にグラフにすると以下のようになりました。

ポイントとしては、

  • 東海高校よりも旭丘高校の方が実績が大幅に良かった
  • 総じて公立高校の方が実績が良い
  • 私立では東海高校以外の実績はそこまで高くない

といったところでしょうか。

名古屋の高校における21年進学実績(東大+京大)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

名古屋大学結果

地元志向が強い名古屋においては名古屋大学の進学実績が重視される傾向があるので、名古屋大学の結果のみ切り出し、上位順にグラフにすると以下のようになりました。

ポイントとしては、

  • 東大・京大よりも公立高校優位がはっきりと出ている
  • トップは向陽高校で、東大・京大の結果と比較するととても良い実績が出ている
  • 私立で100人あたりの合格数が10を超えているのは偏差値トップ3の東海・南女・滝のみ
  • 春日丘高校の中学受験組の実績が受験時の偏差値と比較すると高く出ている

といったところでしょうか。

ちなみに、補足部分に追記しましたが、トップ2校(旭丘・東海)が上位に居ないのは、この2校のメインターゲットが東大京大および国公立医学部であるという理由の可能性が高いです。

名古屋の高校における21年進学実績(名古屋大)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

旧帝大+一工の合計結果

難関国公立大といわれる旧帝大+一橋大+東工大の合計結果も出してみました。(上記の東大・京大・名古屋大も含んでいます)

ポイントとしては、

  • トップである旭丘高校、東海高校はほぼ同じ実績で100人あたりの合格数が40を超える
  • 次いで100人あたりの合格数が30を超えるのは公立の上位校のみ
  • 特に向陽高校は明和高校・一宮高校と偏差値的には差があるが、この2校に近い結果を出している
  • 私立は南女・滝が100人あたりの合格数が20を超えるが、それに次ぐ学校まで大きな差がある

といったところでしょうか。

中学受験で難関と言われる南女、滝の実績を公立の上位校が明らかに上回っており、「名古屋は公立王国」と言われるだけのことはあるなと感じました。

名古屋の高校における21年進学実績(旧帝+一工)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

前回も少し触れましたが、やはり旧帝大(国公立大)の入試は全教科広く浅くミス無くカバーする事が求められる共通テストがあり、これは高校受験で求められる能力と近いこともあり公立高校と相性が良い可能性は否定できないですね。

関東の私立大学進学実績

関東の難関私立大学の実績をまとめると以下の表のようになります。

名古屋の高校における21年進学実績(関東難関私立大)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

なお、繰り返しになりますが、私立大は併願が多い関係で、国公立大学よりも同一人物による重複合格が多く含まれている可能性が高いです。

こちらも、これだけだと分かりづらいので細かく分割して可視化しました。

早慶上理の結果

上位順にグラフにすると以下のようになりました。

ポイントとしては、

  • 公立、私立のトップ2校は国公立大学実績に続き圧倒的で、旭丘高校はそのなかでもさらに良い実績を残している
  • トップ校以外は国公立大学の実績と異なり、私立と公立の実績の差が小さく、どちらかと言うと私立の方が良い
  • 私立の実績はほぼ中学受験時の偏差値通り
  • トップ校以外は国公立大学の実績と逆で、明らかに私立の方が良い
  • ここでも向陽高校の実績の良さが出ている

といったところでしょうか。

なお、ダントツの合格実績を残しているトップ校ですが、コメントをいただいた内情が10年前から変わっていないとすると、この早慶上理の合格は滑り止めであり、合格したとしても早慶へ進学するのは東大・京大・国公立医学部に落ちたケースであることが多いと言うことで、レベルの高さが現れていますね。

名古屋の高校における21年進学実績(早慶上理)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

なお、私立は一定数の指定校推薦枠を持っており、公立と比較すると優位であることを考えた場合、公立と私立の差はほとんどない可能性もあります。

MARCHの結果

上位順にグラフにすると以下のようになりました。

ポイントとしては、

    • 東海高校が圧倒的で、他の結果が良い旭丘高校はその少し下に位置している
    • 偏差値を考慮に入れると、愛知淑徳と千種高校はこのカテゴリで明らかに良い実績を出している
    • 全体的に見れば東海高校以外は公立と私立の差は大きくないように見える

といったところでしょうか。

名古屋の高校における21年進学実績(MARCH)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

国公立の実績を考えると、もしかしたら旭丘高校や明和高校はこのカテゴリの学校をターゲットにしていない可能性はありますね。

関西の私立大学進学実績

関西の難関私立大学の実績をまとめると以下の表のようになります。

21年公立高校進学実績(関関同立)結果3

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

可視化すると以下のようなグラフになりました。

ポイントとしては、

  • 他の私立大結果と異なり、上位は公立校が占めている
  • その他も偏差値通りではない部分も多く、学校としての志向が表面化している可能性がある

といったところでしょうか。

名古屋の高校における21年進学実績(関関同立)結果2

引用元:以下の各ホームページ掲載情報・配布資料より作成
東海高校実績/名古屋高校全体実績/名古屋高校中学受験組実績:学校説明会配布資料より/南山男子実績/南山女子実績/愛知淑徳実績/聖霊実績/金城実績/滝高校実績/愛知高校実績/春日丘実績/愛工大名電実績/旭丘高校実績:大学入試全記録 2021年度版 (サンデー毎日 増刊) より/一宮高校実績/明和高校実績/菊里高校実績/向陽高校実績/瑞陵高校実績/千種高校実績
高校受験偏差値データ:リセマム「愛知県 高校偏差値一覧 2020年度 公立校」より/日能研偏差値:こちら/名進研偏差値および実質倍率:名進研配布資料「名進研中学入試データ集2021」より

この結果をどう考えるか

まとめ

冒頭でも書きましたが、これまでの結果をまとめると以下のようになると思います。

  • 難関国公立大、難関私立大どちらを見ても旭丘高校と東海高校は圧倒的な実績を出しており、差は少ない
  • 上記2校以外の基本的な傾向としては「難関国公立大:公立が優位」「難関私立大:私立が若干優位」である
  • 誤解を恐れずに言えば、中学受験校よりも上位の公立高校の方がオールマイティーに難関大学をカバーできている印象が強い

やはり、公立高校は強かったです。

正直なところ公立・私立のトップ2校の結果は想定の範囲内でしたが、その他の公立上位校の結果が予想以上でした。

私が度々言っている、
「就職活動において、一部の超一流企業を除いて門前払いを食らうことがないMARCH以上を目指す」
というラインを考えれば、今回挙げた公立高校は充分狙える実績を残しており、逆に下位の中学受験校は厳しい結果でした。

では、中学受験という選択肢を考える意味はどこにあるのしょうか…?

中学受験をする意味

個人的には以下の3つがメリットとして考えられると思います。

  • 内申点で悩む必要がない
  • 指定校推薦を狙える
  • 中学の3年間に余裕が生まれる

内申点で悩む必要がない

以前、以下の高校受験のルールの記事でも触れましたが、今回挙げたような上位の公立高校を狙うには、内申点で高得点を取る必要があります。

名古屋(愛知県)の公立高校入試ルールから考える進路と子育て1 -合否ルール-
さて、以前の投稿でも少し触れていますが、名古屋市(=愛知県)の公立高校の受験ルールから住む学区について考えたいと思います。 2023/1/18更新 当記事の後継版である2023年以降の合否ルールについて新たな記事を公開しまし...

高得点を取るためには英数国理社に加えて実技科目もカバーしなければなりません。

英数国理社に関しては定期試験の内容がそこまで難しいものではないため、絶対にミスが許されないプレッシャーがかかるものですし、実技科目に関しては先生との相性が悪くて成績が伸びなかったり、評定に納得がいかないケースが多々あるという話をよく聞きます。
最上位校を狙う子の中には、先生の印象を少しでも良くするために先生の誕生日は絶対に覚えて声をかける、といった話も出るぐらい、先生に気を遣う1年を過ごすようです。

こういったミスが少なく、実技もそつなくこなし、先生の印象も良い子は高校受験に向いていますが、どうしても性格上そういった動きが苦手な子供は居ます。

中学受験の場合は、そういった実技や先生の印象は関係なく国算社理の4教科の得点で機械的に判断されるため、気を遣ったりするのが苦手な子には向いています
(もちろん、費用と親のサポートは重いですが)

こういった「高校受験に向いていない子」は中学受験をするべきだと思います。

指定校推薦を狙える

上位の私立中は難関私立大学に指定校推薦枠を持っています。

(男子校編でも触れましたが)例えば21年の名古屋高校の指定校推薦で今回挙げた難関私立大学の枠を見ると以下のようになっています。

早稲田:6人
慶応:1人
明治:3人
青学:7人
立教:4人
中央:3人
東京理科:4人
関西学院:40人
同志社:21人
立命館:12人
合計で101人の枠があり日々の定期テストで上位を確保しておけばそこまで高いハードルではないと思います。
日々コツコツと頑張れる子はこの指定校推薦に向いており、厳しい大学受験を回避する事ができるので、メリットは大きいと思います。

中学の3年間に余裕が生まれる

個人的にはこのポイントが一番大きいと思っています。

高校受験、大学受験を両方こなすとなると、1/3は勉強漬けの毎日を送ることになりますが、中高一貫校であれば中学では定期テスト対策さえしておけばそれなりに余裕がある生活を送ることができ、好きなことに没頭できる時間が大きく増えます。

例えば、部活などは通常の場合は中学3年の後半までには引退するのは普通ですが、中高一貫校の生徒はずっと部活を続ける事が可能です。

中学~高校の6年間は人間形成に一番影響を与える時期で、そのど真ん中にあたる中学3年の1年間をプレッシャーを受けずに過ごせるメリットはとても大きいのではないでしょうか。

加えて、中高一貫校では中学の時から高校生と触れる機会が多くあり、文化祭などは合同で行われる学校も多く、模擬店などの様々な企画を自主的に行える事も大きなメリットだと思います。

大事なのは選択肢を増やすこと

中学受験、高校受験のどちらが良いかは人によって異なると思いますが、最初から中学受験を選択肢から外してしまうのはもったいないと思います。
とはいえ、上記の通り子供の特性によってどちらの選択肢を選ぶのが良いか見極める必要がありますし、本人との話し合いも必要で、判断が難しいのも事実です。

中学受験をする場合には2-3年前から準備(とお金)が必要なので、予め知識として知っておくのは大事だと思い、このパートを書かせていただきました。

(補足)トップ校の受験と進学先について

このエントリーを公開した後、ありがたいことに旭丘高校の内部事情のコメントをいただきましたので追記します。※9/4に一部表現を再修正しました

コメントをいただいた内容をまとめると、少なくとも10年前の旭丘高校の雰囲気としては、

  • 合格実績のみから受ける印象と、実際の進学先は乖離がある
  • 私大専願は非常に珍しく、成績上位50%程度は東大京大国公立医学部志望である
  • MARCHや関関同立は合格実績はあるが進学する人は少数である
  • 名古屋大学も中下位層が受験するイメージ
  • 私大は滑り止めという位置づけで、私大上位の早慶であっても進学するのは東大京大や国公立医学部に落ちたケースであることが多く、合格数と進学数には差がある

といった感じでした。(解釈が違っていたらすみません)

統計的なデータが手元にないので明言していませんでしたが、データから見ても恐らくトップ2校(旭丘・東海)は現在でも上記の傾向が強い可能性は高いと思います。

※9月8日追記
Twitterで

  • 国公立医学部の実績比較をしてほしい
  • 国公立医学部の実績を考慮に入れないと学校別の優劣は分からない

というご意見をいただきました。

元々、当記事に関しては学校の優劣をつける意図は無かったのですが、こういった事情については触れていないのは不適切でした。
申し訳ございません。

ただ、各個人の将来の目標は十人十色で、重要なのは各個人のやりたいことが実現できる可能性を上げる事だと私は思っています。
残念ながら現状の日本の就職では大学名が重視される傾向が残っているため、まずは大学別の実績分析をさせていただきました。

もちろん、トップ校においては医学部志望者が多く、医学部志望者によってはその視点による分析が重要であることは充分認識していますので、何らかの形で今後分析できるようにしていきたいと考えております。

そのため、
あくまでこの数字は大学別の合格実績であり、学部まで考慮に入れると分析結果だけで学校の優劣が分かるわけではない
ということを頭に入れておいた方が良いと思います。

つまり、トップ校の数字を見る際には、

  • 本当のターゲットは東大京大および国公立医学部であるのが大半
  • 私立大学の実績はは滑り止めとして受験して合格した数が積み上がった結果である
  • 実際に私立大学に進学する人も一定数いるが、それは東大・京大・国公立医学部に落ちたケースであることが多い
  • 偏差値だけで見た学校の優劣は進学した学部等の詳細を見なければ分からない

ということを頭に入れておいたほうが良いということです。

そういう意味では、今回お伝えした一連の合格数分析に関しては、
「少なくともこの学校以上の大学に合格しているという指標」
という位置づけだと考えるのが良いかもしれません。

普段は全く情報がない憶測は極力書かないようにしていますが、今回、こういった情報をいただけたので補足として書くことができました。
ありがとうございました。

今回は以上です。

皆様の参考になれば幸いです。


コメント

  1. 名無しの権兵衛 より:

    旭丘(普通科)出身です。合格実績とそこから予想される中の様子は乖離があるので幾らかコメントしておきます。10年ほど前のとある私のいたクラス(40人)の進学実績は3人が東大(現役1、一浪2)、4人が京大(現役2、一浪2)、国公医9人でした。医学部が多かったですが文理合同クラスでして、一橋1人と、東京芸大1人もいました(この例のように芸大だからといって美術科とも限らないです)。私大組は進学実績としては早稲田3、慶應1、中央2は確認してますが、確かな私立専願は1人のみでした。MARCHの他の大学や関関同立は合格実績はあったと思いますが進学した人はいません。東大京大落ちの進学実績は早稲田、中央のほか、国立後期で横国に進学した例を聞いていたりして、最初の受験の段階では20人以上の人が東大京大医学部狙いだったことがわかっています。やや異色のクラスだったものの、成績順でクラス分けしてるわけではないことを思えば、真ん中あたりから上は東大京大医学部志望が平均で、下半分でも私大希望者は少なく、私大合格者の大半は滑り止めで、名古屋大学さえ一部の上位者もいるものの、平均的には中下位層からの受験だったように思います。

    • contra より:

      コメントありがとうございます。
      また、貴重な情報をご提供いただきありがとうございます。
      こういった内部の事情は外部からは知ることができないため非常にありがたいです。

      いただきました情報については、本日実施予定の数値修正に合わせてコメントとして反映させていただく予定です。

      各校が発表する合格実績は見栄えの問題もあるのか、実際の進学先を提示しているケースはほとんどなく、ご指摘いただいている滑り止めの私大重複合格の事情については反映が難しいのが現状です。

      旭丘高校や東海高校は最難関の国公立大学の合格実績を見ると、私大が第一志望ではなく滑り止めである事は推測できるのですが、確実ではない推測を明言するわけにもいかないため、現状の形を取らせていただいております。
      とはいえ全く触れないのも良くないので、今後は少しそのあたりの可能性には触れようと思います。

      ありがとうございました。

  2. 名無しの権兵衛 より:

    修正確認しました。1箇所ほど(分かりづらい説明で申し訳ないですが)誤解を招いたように見えたので、それだけコメントします。早慶進学者は(私たちの頃は)東大進学者に近い人数いて、少数とは言い難い人数でした。というのも、成績上位50%の人数160人に比べれば東大京大医学部合算は私の頃は100人もいませんでしたので、浪人しなかった人や浪人しても合格できなかった受験生はざっくり見積もりでも50人以上はいたはずで、彼らを国立後期か、早慶かで半々くらいに分けていたのではないかと思います。成績中下位層は名古屋大学を除けばどこかの大学に集中しているわけではなく、私もチラチラ知ってる人はいますが、上理以下の関東私大、関関同立以下関西私大、名古屋近辺国公立+南山あたりに知り合いはいますが「少数」として問題はないと思います。

    • contra より:

      再度のコメントありがとうございます。
      解釈を間違えてしまい申し訳ございません。

      内容を反映させていただきました。

      やはりトップ校の実力の高さはすごいですね。

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