すでに様々な報道機関で報道されていますが、キッザニア名古屋進出は中止され、キッザニア名古屋は幻の計画になってしまいました。

非常に残念な決定で、私もずっと待っていたので呆然としていますが、どうしてこうなったのかの考察も兼ねて、これまでの経緯を振り返ってみることにします。
これまでの経緯振り返り
キッザニアとみなとアクルスからの正式な発表の内容
まず、キッザニア名古屋の開業に関する情報で公式なものは
- キッザニアを運営する「KCJグループ株式会社」およびその親会社のKDDI
- キッザニア名古屋が開業するとしていたみなとアクルスの開発の旗振り役である東邦ガス
の2社から出ていました。
具体的な公式情報発信としては
- 2018年10月:KDDIが「キッザニア名古屋」開業計画を正式発表
- 2018年11月:東邦ガスがみなとアクルスにキッザニア名古屋作る事を発表
- 2020年 4月:東邦ガスが「キッザニア名古屋」の開業が2021年度以降に延期になる見通しを発表
ぐらいしかありません。
開業計画は今もこちらにプレスリリースが残っており、キッザニアを運営している「KCJグループ株式会社」をKDDIが子会社化するニュースと共に、キッザニア地方展開の1つとして「キッザニア名古屋」が挙げられていました。
東邦ガスの発表は日経新聞記事が残っていますが、ここで「みなとアクルス2期開発エリアに入る」という事が公表されました。
2021年度以降に延期するというお話はこちらの動画で残っています。
なお、この時点で、今回の中止理由に挙げられていた
「資材や人件費を含む建築コストの高騰」
は言及されています。
その他の情報
実は前項でご紹介した「KDDIが発表した2018年10月のキッザニア名古屋計画の公表」よりも前の2018年9月の段階で、
「みなとアクルスの当初の全体開業予定は2022年だったが、現在は開業予定を白紙としている」
という情報が残っています。(こちらの記事参照)
すでにこの段階で、当時の東邦ガスの代表取締役会長が
「建築コストの上昇など、プロジェクト開始時とは開発環境が変化している。第2期の計画についても見直しを図っている。まずは、ららぽーとを中心とした第1期を成功させ、第2期開発へつなげていきたい」
と語っており、キッザニア名古屋計画の公表よりも前の段階でみなとアクルス計画の先行きが不透明だった事が分かります。
実際、以前記事化しましたが2023年10月までキッザニア名古屋が入るとされていたみなとアクルス2期工事の建設が全く手つかずだった事が分かっています。
断念に至った「建材費高騰」に関する考察
近年今回も出ていた、”建材費高騰”という言葉を耳にしますが、どれぐらい上がっているのでしょうか。
実は、「建設物価調査会」という一般財団法人のホームページで、色々な建材費の指標が出せるのですが、今回は名古屋の指標を出してみました。
条件は
地区:名古屋
建物種類:店舗(RC)
指数種類:設備・建築
期間:2011年以降
です。
引用元:建設物価調査会HPより抜粋
正直、詳しくない分野なので数字の細かい意味までは理解していませんが、間違いなく費用は上昇していることは分かります。
なお、なぜ上昇しているか、というところはGoogleのGeminiの力を借りつつ調べたところ、
- 2013年ごろの上昇:東京オリンピック決定で期待感による上昇
- 2017年ごろの上昇:東京オリンピック建設ラッシュの実需のピークによる上昇
- 2021年以降の上昇:パンデミックやウクライナ情勢に起因する上昇
という事のようです。
つまり、今回のキッザニア名古屋の開発断念の主要因として挙げられた建材費高騰、特に2018年前後のみなとアクルス2期工事を遅延させた建材費高騰は
「東京オリンピックの影響が大きかった」
というところでしょう。
そして東邦ガスが「東京オリンピックが終わったら建材費高騰も落ち着くだろう」と思っていたら、パンデミック発生、国際情勢の変化という大事件が相次いで発生し、どうしようもなくなった、という流れのような気がしています。
完全に私見ですが、東京オリンピックに関しては
- ハード面での投資の大部分は東京都とその周辺の関東圏に集中した
- 地方の税金も含まれる国の予算が、集中的に関東圏のインフラ整備に投入された(会計検査院の指摘では1兆円を超える)
という流れがあり、
「全国から建設作業員や資材を東京に引き寄せ、地方の公共事業や民間工事のコスト増・人手不足を招き、地方経済にとってはむしろマイナスに作用した」
という現実があったのは否定できないと思います。
今回のキッザニア名古屋の開業断念は関東一極集中に地方が負けた結果、と言えるのかもしれません。
キッザニア福岡との違い
よく引き合いに出されるキッザニア福岡ですが、
- 計画の報道があったのは2018年で名古屋と同時期
- 初期報道での開業時期は2022年春
- 2022年7月31日にグランドオープン
となっており、若干の遅延はあったものの、ほぼ計画通りに開業しています。
この違いは、キッザニア名古屋は東邦ガスが(みなとアクルス)計画の旗振り役でしたが、キッザニア福岡(ららぽーと福岡)は三井不動産を中心とする企業連合が旗振り役だった、という違いが大きいような気がしています。
(キッザニア福岡はららぽーと福岡内に作る一体開発だったことも大きいと思いますが)
もちろん、キッザニア福岡も建材費の高騰の影響は受けています。
しかし、既述の経緯のように、東邦ガスは2017年-2018年の建材費高騰を受けて計画初期の段階で日和っているわけで、結果として計画断念に至ってしまったわけです。
結局は巷でよく言われる
「名古屋は官も民も街作りが下手」
というのが如実に現れてしまったのが今回の”ッザニア名古屋開業断念”に繋がってしまったのではないかと思います。
もちろん、今回の発表のタイミング的に
「結果的にキッザニア地方展開の最初のプロジェクトとなったキッザニア福岡の業績が芳しくなかった」
という可能性もありますが、もともとはその位置づけはキッザニア名古屋が担うはずだったんですよね。。。
なお、余談ですが、キッザニアを運営するKCJグループ株式会社はKDDIの子会社です。
実はKDDIの大株主にはトヨタ自動車も名を連ねています(保有比率10%)。
もしキッザニア名古屋が実現していればトヨタ自動車のパビリオンもできていた可能性が高く、本当に残念です。
(逆に言えば、トヨタ自動車がキッザニア名古屋に興味が無かった可能性も否定できないですが)
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以上、今回は
[悲報]キッザニア名古屋開業断念が確定…
をご紹介しました。
結局、名古屋在住者はキッザニア甲子園に遠征するしかなくなったわけですが、逆に遠征ついでに色々な関西の観光地を巡るのも良いです。
以前、キッザニア甲子園の訪問記を書いてますので、ご興味があればどうぞ。




皆様の参考になれば幸いです。





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