今日の投稿は全く子育てが関係ない完全に趣味の領域の話です。(子育て情報局自体が趣味ではあるんですけど…w)
最近過去の経歴を話したり書いたりすることが多かったので正直に書くと、元関係者として
「楽天モバイルの計画が酷かったので文句を言いたかった」
というだけの内容です。
プラチナバンドをゲットした経緯から酷かった
2023年10月下旬に楽天モバイルがプラチナバンドの認可を受けました。
これは、各社が報道していましたし、三木谷さんもツイートしていたのでご存知方も多いと思います。
昨日、総務省よりプラチナムバンドの認可を頂きました。携帯サービスの民主化(低料金、無制限、高品質)を目指し、スタッフ一同頑張っております。世界初の完全仮想化のメリットを最大に活用し、さらなる品質、サービス向上を目指して頑張ります。よろしくお願いします。https://t.co/XWl5zLi3aT
— 三木谷浩史 Hiroshi (Mickey) Mikitani (@hmikitani) October 24, 2023
実は、このプラチナバンド獲得までの経緯も酷いもので、
「繋がりにくいのはプラチナバンドを持っていないから既存3社はプラチナバンドを割譲しろ」と楽天が駄々をこねる
↓
ゴリ押しで「条件を満たしたら既存3社の負担で割譲させる」という無茶苦茶なルールを総務省に作らせる
↓
割譲は嫌なので、ドコモが「この電波帯域(場所)なら使えるのでは?」と妥協案を提示
↓
楽天(と総務省)が受け入れて今回の認可を実施
という流れ。
莫大な費用をかけて整備したプラチナバンドを既存3社の負担で割譲しろという要求はホントに酷い。
若干ニュアンスは違いますが、
「お前が国から土地を借りている駅前の店舗、良い場所だなぁ。ずるいから敷地の半分を更地にして寄こせ」
と言っているのに近い感じ。
今回の認可は珍しい競合が居ない審査だった
さて、そんな経緯でプラチナバンドを使う許可を受けたわけですが、今回は超珍しく「競合が存在しない審査」だったのです。
電波は国民共有の財産なので、
「一番良い使い方をしてくれるところに使ってもらおう」
というのが基本的な考え。
なので、基本的には総務省が
「こういう電波帯が空いたけど、最も良い計画を出したところに認可出すわ」
という募集をかけて、最も良い計画を出したところに認可を出します。
もちろん、審査に提出した計画は義務となり、「10年後までに人口カバー率99.9%達成します」と書いたら絶対に達成しなくてはなりません。
まぁ実際には「総務省的にここに割り当てたい」という想いが前提としてあって、その通りになるんですけどね…
具体的には、お目当ての事業者が有利な条件で募集をかけたり、微差しか無いのに得点差をつけたりしてます。
今回は、前項で書いた流れがあったり、「プラチナバンドを持っている会社は超不利にする」というすごい規定があったりしたので、申請したのは楽天モバイルのみという状況に。
そして競合が居ないのを良い事に、楽天はかなり酷い計画で今回の認可を取っているのです。
ちなみに、2012年にソフトバンクがプラチナバンドの認可を受けてますが、その際には当時存在した全キャリアが認可を取るために計画を出しています。
楽天が提出した計画のイメージ
酷い酷いと言っても伝わらないと思うので、2012年にソフトバンクが認可を受けたプラチナバンドの計画と比較して見てみましょう。
ただし、数字は正確なものを書いていますが、エリアイメージはあくまでイメージです。
正確な計画は総務省内部にあるのですが、非公表なので、今回は一定の仮定を設定してのイメージですのでご留意ください。
また、今回出しているのは「総務省に提出した計画」であって、実際のエリア展開はもっと早期に、もっと広範囲に展開されるのはほぼ間違いないとは思います。
しかし、
“国民の共有財産である電波(しかもプラチナバンド)を独占使用する権利を得るために背負う義務”
として考えると軽すぎるのです…
基地局の数
スマホが通信をするためには基地局が必要で、基本的には基地局が多いほうが”繋がりやすさ”や”通信速度”の面で優位です。
特に、人口の少ないエリアまでカバーしようとすると膨大な基地局数が必要になってくるので、ケータイ会社の投資で最も重い投資の1つがこの基地局に関わる費用です。
この基地局の数について、
- 今回楽天が総務省に約束した基地局数
- 2012年のプラチナバンド申請の際に各社が約束した基地局数
を比較すると以下のようになります。
出典:
楽天の数字は「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果 別紙2」から、
2012年の数字は「3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果 別紙2」から作成
もちろん、デカい鉄塔で一気にカバーするか、小さな基地局で細かくカバーするかという違いがあるので、一概に基地局数だけで語ることはできません。
しかし、楽天の数字は、ほぼSBで決まっていたのでやる気が無かった&デカい鉄塔でカバーする予定だったドコモの半分以下という凄まじいもの。
2012年のプラチナバンドをゲットしたソフトバンクと比較すると約1/4しか基地局を建設しないという計画です。
個人的に
「1万局で全国やります」
と言われたら馬鹿じゃないの!?「そんな事できるの!?」と驚く数字です。
さらに言えば、今回の電波は幅が狭いので、高速通信が難しいのです。(最大でも30Mbpsぐらいしか出ない)
これに対しては「基地局を増やすこと」がある程度速度低下に対する対策になるのですが、この計画ではその面も期待できません。
エリアの広さについては、これだけだとあまり伝わらないと思うので、次の”人口カバー率”という指標も見てみる事にしました。
人口カバー率
これは日本全国の人口をどれだけカバーできているかという指標(※)で、ケータイのエリア展開でよく使われる数字です。
※具体的には、「日本全国を500m✕500mのメッシュ状に区切り、そのメッシュの半分以上の面積で通信ができれば、そのメッシュ内に住んでいる人口をカバーしたとみなす」という計算方法
この人口カバー率も同様に
- 今回楽天が総務省に約束した人口カバー率
- 2012年のプラチナバンド申請の際に各社が約束した人口カバー率
を比較してみました。
出典:
楽天の数字は「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果 別紙2」から、
2012年の数字は「3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定に係る審査結果 別紙2」から作成
これもあまり伝わらないと思うんですが、人口の少ないエリアまで(過疎地)全てカバーするのは莫大なお金がかかります。
具体的に、今回の開設計画で使われた人口データで「カバーする必要がある面積」を比較すると
- 人口カバー率83.2%(2023年楽天の計画相当)
→約20,000k㎡ - 人口カバー率99.9%(2012年SBの計画相当)
→約103,000k㎡
という5倍超の凄まじい差があります。
(※最も効率的に(人口が多い順に)カバーした場合)
参考として、最も効率的にカバーしたという前提で、人口カバー率とカバー面積の関係を示したものを掲載しておきます。
出典:「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画 参考資料 様式C」より作成
ちなみに、「プラチナバンド以外」の楽天自前ネットワークの人口カバー率は2023年中に99%超が目標なのだとか。
実際の楽天のサービスエリアマップはこちらから見られますが、かなり頑張っているのは間違いないです。
言いたいのは、全国使用認可を受けた電波(プラチナバンド)の使い方として、”自分が使いたいエリアだけ注力する”というのはちょっとひどいのでは?という事。
これまで、ケータイ各社は”全国使用認可を受けた電波”という重みを自覚して持ってプラチナバンドの申請、運用をしてきたのです…
(もちろん、楽天に対して基準をかない甘くした総務省も悪いんですが、それに甘える楽天もどうかと思う。)
具体的なエリアのイメージ
数字だけじゃわからん!という方も多いと思うので、実際に楽天の計画をイメージ化してみました。
冒頭でも書きましたが、このパートで作ったのはあくまでイメージで、実際の計画とは違います。
具体的には、
- 楽天のイメージは”各地区毎の人口カバー率を最も効率的にカバーして達成した場合”のイメージ
- 楽天は人口カバー率以外にも面積カバー率や道路カバー率も計画として出しているが、今回は無視
- 参考として掲載しているのは楽天の人口カバー率計算に使用した人口データで人口カバー率99.9%を最も効率的にカバーした場合のイメージ
(2012年にSBがプラチナバンドの認定を受けた際のイメージに近いもの)
という前提です。
ちなみに、楽天はauの電波を借りているので、2026年3月末まではauのエリアで通信が可能ですが、それ以降はどうなるか不明です。
東海地区
名古屋関連のブログということで、まずは東海地区から。
いかがでしょうか?
数字で感じる差以上の違いがあると思います。
せっかく全国分作ったので、その他の地区も参考までにご紹介します。
北海道
北海道は人口が少ないところが沢山あるので、差が大きく見えます。
東北地区
東北も北海道と同様、少ないところが沢山あるので、差が大きく見えますね。
関東地区
関東は人口が多いので主要部はカバーしているように見えますが、それでも99.9%と比べると狭く見えます。
近畿地区
近畿も関東と同様、人口が多いエリアが広いですが、郊外はカバーしきれていません
中四国地区
中四国は最も差分がはっきり出ているかも。
内陸部は相当厳しいですね。
九州地区
九州も内陸部が厳しい感じです。
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以上、今回は
楽天モバイルのプラチナバンドエリアを可視化してみた
をご紹介しました。
趣味全開の話で、興味ある方がどれだけいらっしゃるか微妙ですが、個人的には作っていて面白かったです。
次回は名古屋市の地下鉄沿線分析に戻る予定です。
皆様の参考になれば幸いです。














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