[速報]明和高校が中高一貫校へ!

さて、衝撃的なニュースが入ってきました。

エラー - NHK

上記の記事の通り、愛知県立の公立高校である、

  • 明和高校(名古屋市)
  • 津島高校(津島市)
  • 半田高校(半田市)
  • 刈谷高校(刈谷市)

の4つの高校が、附属中学校を作り、中高一貫校化する検討を開始するようです。

今日は、この愛知県立の公立高校について、以下の情報を集めてみました。

  • いつから開校する計画なのか
  • 対象となる子どもの生年月日
  • 対象となる学校の偏差値と進学実績
  • 現在の中学受験校との進学実績比較
  • 進学実績から考えるR4偏差値の予測
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開校に関する情報

いつから開校する計画なのか

冒頭でご紹介した記事によれば、
2025年4月に開校
を想定して検討を進めるそうです。

ただし、こういう計画は話がまとまらないと後ろ倒しになるケースも多いので、あくまで目安、というイメージで考えておいた方が良さそうです。

対象となる生徒

今回の話で最も気になるのは、
自分の子供は対象になるのか?
というところだと思います。

上記の開校予定の通りに進んだ場合、現時点(2022年4月時点)に小学4年生になる生徒、つまり、
2012年4月2日~2013年4月1日生まれの子供が1期生として入学する計画
となっています、

ということで、2012年4月2日以降に生まれた子はこの中高一貫公立校に入学する事が可能ということになります。

定員は何人なのか

報道によれば
普通科は2クラスを設置
という事になっています。

これはまだハッキリとした事は言えませんが、通常のルールだと、1クラスの上限人数が40人のため、
1学年で入学できる最大人数は80人
と考えて良さそうです。

なお、余談ですが、2020年12月に出た報道によると、小学校は2025年度に全学年で35人学級を目指す方針が出されましたが、中学校の少人数学級化は見送られました

この経緯から、定員の最大数は1校1学年80人である、と言えそうですが、1クラス40人というのは上限なので、教育の充実を掲げるのであれば少人数化される可能性は残っています。

ちなみに、明和高校に設置されている音楽科についても、中高一貫の枠を設ける方向で検討を進めるようです。

また、現状の高校入試の枠は維持するという方向で検討するそうなので、付属中の人数分だけ高校の募集人数が減少するということはなさそうです。

対象校の偏差値と進学実績

偏差値は扱いが難しいのですが、参考情報としてご紹介します。

なお、今回ご紹介する偏差値はざっくりと言えば「愛知県における平均偏差値」であり、よく中学受験で言われる偏差値とは異なる事にご注意ください。

当サイトで扱っている中学受験の偏差値は日能研が発表しているもので、

  • 全国の中学受験をする生徒が母数
  • 偏差値の数字は合格率が80%となる数値をとったもの

という前提があります。

しかし、今回高校の偏差値として使うのは、

  • 愛知県の高校受験をする生徒が母数
  • 偏差値の数字は合格者の平均値をとったもの

という前提となっており、中学受験で使用している偏差値とは全く意味が異なる、というところにご留意ください。

つまり、同じ「偏差値60」という値でも前提が異なるためどちらが上か比較することはできないとお考えください。

対象校の高校入試時での偏差値

対象校の高校入試における「平均偏差値」は以下の通りになっています。

なお、データはいつもの通り、名学館小牧新町校さんのブログに掲載されている「愛知全県模試」の2021年データから取ってきています。

  • 明和高校:平均偏差値68.4/内申平均43.1
  • 津島高校:平均偏差値54.3/内申平均34.0
  • 半田高校:平均偏差値62.2/内申平均40.9
  • 刈谷高校:平均偏差値66.2/内申平均43.0

引用元:高校受験偏差値データ:2021年愛知全県模試 追跡調査NEXT STAGEより

どの高校も偏差値が高く、入学するためのハードルはかなり高いです。
特に、明和高校・半田高校・刈谷高校の3校は、目安となる内申平均が40を超えており相当なハイレベル校であることが分かります。

対象校の進学実績

さて、では上記の学校の進学実績はどうか、というのも作ってみました。

いつもの通り、数字は100人あたりの合格数を出していますが、1人で複数合格がある可能性がありますのでご了承ください。

一貫校化される学校の大学合格実績(東大+京大)

 

一貫校化される学校の大学合格実績(その他旧帝大+一工)
 
一貫校化される学校の大学合格実績(早慶上理)
 
一貫校化される学校の大学合格実績(MARCH)
 
一貫校化される学校の大学合格実績(関関同立)

引用元:以下の各校公式ホームページ掲載データより作成
明和高校/津島高校/半田高校/刈谷高校

上記の通り、特に明和高校・半田高校・刈谷高校の3校は素晴らしい実績を残している学校です。

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中学受験に与える影響

まだ詳細が出ていないため確実な事は言えませんが、以下の理由により今回の変更が東海地区の中学受験に与える影響は大きいと考えられます。

  • 名門公立高校に内申点の争いを回避して入学できる
  • 名古屋市内の共学中高一貫校で旧帝大レベルを普通に狙える学校は貴重である
  • 偏差値的に空白地帯となっている中学受験校となり得る

名門公立高校に内申点の争いを回避して入学できる

過去に何度かご説明していますが、名古屋の公立高校入試はルールが非常に複雑で、さらに内申点を確保する必要がある関係で、実技も含めてすべての教科を高レベルに網羅する必要があります。

今回の付属中入試がどのような形になるか分かりませんが、少なくとも公立高校入試のような複雑なルール設定とストレスのかかる高い内申点を要求される可能性は低いと考えられます。
(関東のケースだと、内申書の割合は2割程度、高くても3割はないケースが多い)

前述の通り、例えば明和高校に入学しようとすると、目安となる内申点は43.1で、9教科のうち2科目のみ4が許され、残り7科目が全て5である必要がある水準と言えばイメージは伝わるでしょうか。
当然、こういった内申点をもらうためには学校の先生の印象が良いというのは大前提となっており、多感な思春期の子どもには非常に辛い経験となる、というのはよく聞く話です。

こうした厳しい内申点の争いを回避できる可能性があり、しかも公立で学費が高額でない、という条件が揃うので、私立中を受けていた層の一定数は今回の付属校に流れるのではないかと思います。

名古屋市内の共学中高一貫校で旧帝大レベルを普通に狙える学校は貴重である

実は、名古屋市内の上位(偏差値50以上)の中高一貫私立中で、共学である学校はありません

「私立」という枠を外しても名古屋大学教育学部附属中のみが該当し、定員も80人と非常に狭き門であることや、私立中学受験との親和性が高くない事もありメジャーな選択肢ではありませんでした。

前述の通り、今回付属中が設置され一貫校化される学校は、旧帝大レベルを普通に狙える共学の学校であり、非常に貴重な存在となります

特に明和高校は、これまでほとんど供給されてこなかった、

  • 歴史ある名門校
  • 名古屋市内にあり交通の便も良い
  • 共学中高一貫校である
  • 旧帝大レベルを普通に狙える学校

という高需要となる条件を揃えている存在となるので、他の私立中を志望していた層も流れるような、かなりの人気校となる可能性が非常に高いと思います。

偏差値的に空白地帯となっている中学受験校となり得る

現在、名古屋地区の中学受験では、以前お伝えした最新情報でも以下のように偏差値50の学校のひとつ上がいきなり偏差値60の学校で、偏差値55前後が空白地帯となっており、受験できる学校が存在していません。

  • 超上位(偏差値60前後):南山女子/東海/滝
  • 上位(偏差値50前後):愛知淑徳/名古屋/南山男子

今回、上記の既存中学受験私立中学6校と、今回一貫校化される明和高校・半田高校・刈谷高校の3校の進学実績の比較をしてみたところ、以下の通りとなり、この3校はこの空白地帯に入るポテンシャルがあります。
(明和高校はもしかしたらそれ以上になる可能性がありますが。。。)

一貫校化される学校と既存中学受験校の大学合格実績比較(東大+京大)
 
一貫校化される学校と既存中学受験校の大学合格実績比較(その他旧帝大)
 
一貫校化される学校と既存中学受験校の大学合格実績比較(早慶上理)
 
一貫校化される学校と既存中学受験校の大学合格実績比較(MARCH)

引用元:以下の各校公式ホームページ掲載データより作成
明和高校/津島高校/半田高校/刈谷高校/東海高校/南山女子//愛知淑徳/名古屋/南山男子

※偏差値は愛知全県模試のデータを使用
※名古屋高校の進学実績は中学受験組のものを使用したため偏差値も空欄としている

上記の通り、東大や京大、旧帝大といった学校の実績は東海高校に迫る実績で、愛知淑徳や名古屋、南山男子を上回っている一方、難関私大の実績は愛知淑徳や名古屋、南山男子と同等かそれ以下、といった感じになっています。

このことから、通常の中学入試で使用される日能研R4偏差値換算すると、
偏差値50以上は確実に上回り、60を超える可能性もある
と言えるのではないでしょうか。

(もちろん、今回の一貫校化される学校が国公立志向が強いので上記の結果になっている、という解釈も可能なので、R4偏差値は60を余裕で超える、と考えることもできますが…)

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今後の注目ポイント

ちゃんと計画が進むか?

まずは、
ちゃんと計画通りに付属中学が設置されるか?
といったところが注目ポイントです。

ただ、例えば明和高校は以下の記事の通り、今回の付属中設置と同じタイミングで校舎の改築に着手します。

ページが見つかりませんでした – 建設通信新聞Digital

当然、この計画には付属中の設備が含まれていると考えるのが妥当であり、計画が固まった後に白紙化するのは容易ではないと思います。

そのため、時期はズレる可能性は残されていますが、計画自体は進む可能性が高いのではないでしょうか。

試験の内容

他地区の中高一貫公立校の多くは、私立中の試験とは異なった形の試験となる事が多いです。
試験の名称も入学試験ではなく「適性検査」となっており、小学校6年間の学習内容をベースにした、思考力、判断力、表現力を問われる出題内容になります。

このあたりの話は都立中高一貫校の説明をしているこちらのサイトを読むとだいだい理解できますが、こういった都立中高一貫校と同様の試験となった場合は既存の私立中対策の受験勉強とは親和性が高くなく、併願する場合は勉強する内容が増えるかもしれません。

そういう意味では、上で少し触れた名古屋大学教育学部附属中学校は方向性が似ているため、名大付の志願者が増える可能性があります。

どちらにしろ、どのような形の試験となるかは要注目です。

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以上、今回は
明和高校が中高一貫校に関するまとめ
をご紹介しました。

続報があればまたまとめる予定です。

皆様の参考になれば幸いです。


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