名古屋の中学生の学力は他の都市と比べてどうなのか?

先日の記事で、
「名古屋市の中学生の英検取得率が低い=英語の学力が低いのでは?」
というお話がありました。
※英検にフォーカスしたのは、2023年の小学校の英語教科書の採択時に”英検取得率が低い=英語の学力が低い”という意見が出ていたため

今回は、英語を含め、
「名古屋市の中学生の学力は他の都市と比べてどうなのか」
というところを見ていきたいと思います。

スポンサーリンク

使用するデータと分析内容について

使用するデータ

使用するデータは
「令和5年度 全国学力・学習状況調査」
を使用します。

実は令和6年版の結果も出ているのですが、英語の調査が毎年行われるものではないので、条件が揃う令和5年版を使うことにしました。

なお、全国学力・学習状況調査は中学校3年生を対象に、数学・国語の試験を行い、教育施策の成果と課題を分析する事を目的にしているものです。
令和5年の中学校場合、

  • 国語:15点満点
  • 数学:15点満点
  • 英語:17点満点

のテストとなっています。

また、試験自体は、私立・国立・公立全ての学校で実施されていますが、今回の分析では、公立中のもののみを使用しています。

分析内容

どう分析するかはなかなか難しいのですが、今回は

  • 平均点比較
    →各都市の全体的な学力を比較する
  • 得点率80%以上の生徒の割合
    →各都市の上位層の学力を比較する
  • 得点率20%以下の生徒の割合
    →各都市が授業についてこれない生徒をどれだけ出さないか

という3つの視点で分析をしたいと思います。

なお、対象都市は政令指定都市+東京都としました。

中学生の学力比較結果

国語の学力比較

まずは国語の結果を見てみましょう。

平均点の比較

平均点を比べると以下のようになりました。
なお、平均点そのものを比べると差が見えづらいので、得点率で表しています。
(例えば、1位のさいたま市の場合、平均点は11.0点/15点満点で、得点率は73.3%)

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

上記の通り、全体感としては、名古屋市の国語の学力は政令指定都市でも下位に来ています。
そのほか、傾向としては関西の京都以外の都市が下位に集まっているのが特徴的ですね。

なお、全国の公立中の平均得点率が70%なので、名古屋市は全国平均を下回っている事になります。

得点率80%以上の生徒数割合比較

この指標は、要するに「80%以上得点できるような優秀な生徒がどれだけ居るか」という分析で、数字が大きい方が優秀です。
国語の場合、15点満点なので、12点以上取れた生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらは、若干平均得点率のランキングよりは上に来ていますが、やはり真ん中よりは下、という感じですね。

なお、全国の値は47%なので、この指標では名古屋市は全国平均を少し上回っている事になります。

得点率20%以下の生徒数割合

この指標は、要するに「20%も得点できないような生徒を出さない努力をどれだけしているか」という分析で、数字が小さい方が優秀です。
国語の場合、15点満点なので、3点以下しか取れなかった生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

名古屋市はワースト4という感じで、ちょっと芳しくない結果。
特にトップのさいたま市と比較すると、差は大きく、2倍ぐらいの割合の生徒が授業についていけていない、という環境になっています。

また、全国の値は2.5%なので、名古屋は全国以下になってしまっています。

傾向としては、名古屋の公立中学校教育は国語が少し苦手、といったところでしょうか。

数学の学力比較

次に、数学の結果を見てみましょう。

平均点の比較

平均得点率(平均点)を比べると以下のようになりました。
なお、平均点そのものを比べると差が見えづらいので、得点率で表しています。
(例えば、1位のさいたま市の場合、平均点は8.5点/15点満点で、得点率は56.7%)

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらは、国語とは大きく異なる結果で、名古屋市はトップ3に入っています。
全体傾向としては関東の都市が多く上位に入っていますね。

全国の公立中の平均得点率が50.7%なので、名古屋市は全国平均を上回っている事になります。

得点率80%以上の生徒数割合比較

この指標は、要するに「80%以上得点できるような優秀な生徒がどれだけ居るか」という分析で、数字が大きい方が優秀です。
数学の場合、15点満点なので、12点以上取れた生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらはさらに優秀で、名古屋市は第2位となっており、さらに3位との差が大きく開いています。

なお、全国の値は19.8%なので、この指標では名古屋市は全国平均を大きく上回っている事になります。

さいたま市、強いですね…

得点率20%以下の生徒数割合

この指標は、要するに「20%も得点できないような生徒を出さない努力をどれだけしているか」という分析で、数字が小さい方が優秀です。
数学の場合、15点満点なので、3点以下しか取れなかった生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらも名古屋市はトップ5に入っており、比較的優秀と言えます。
上位層だけを見ているわけではない、というのは安心感がありますね。

なお、全国の値は10.7%なので、この指標では名古屋市は全国平均を上回っている事になります。

英語の学力比較

最後に、英語の結果を見てみましょう。
英検の取得率では芳しくなかったですが、学力試験ではどうだったのでしょうか。

平均点の比較

平均得点率(平均点)を比べると以下のようになりました。
なお、平均点そのものを比べると差が見えづらいので、得点率で表しています。
(例えば、1位のさいたま市の場合、平均点は9.1点/17点満点で、得点率は53.5%)

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらも数学と同様、名古屋市は上位に入っています。
全体傾向として関東の都市が多く上位に入っているのも同じですね。

全国の公立中の平均得点率が45.3%なので、名古屋市は全国平均を上回っている事になります。

得点率80%以上の生徒数割合比較

この指標は、要するに「80%以上得点できるような優秀な生徒がどれだけ居るか」という分析で、数字が大きい方が優秀です。
英語の場合、17点満点なので、14点以上取れた生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらも平均得点率と同様、名古屋市は優秀で、トップ5に入っています。

なお、全国の値は11.8%なので、この指標では名古屋市は全国平均を大きく上回っている事になります。

得点率20%以下の生徒数割合

この指標は、要するに「20%も得点できないような生徒を出さない努力をどれだけしているか」という分析で、数字が小さい方が優秀です。
英語の場合、17点満点なので、3点以下しか取れなかった生徒がどれだけ居るか、と読み替える事もできます。

引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成

こちらも名古屋市は上位に入っており、比較的優秀と言えます。
この指標でもさいたま市は強く、2位以下と大きな差がありますね。

なお、全国の値は17.0%なので、この指標では名古屋市は全国平均を上回っている事になります。

まとめ

これまでの結果を考えると、名古屋市の中学生・中学校の学力・教育としては

  • 国語は若干芳しくない結果で全国平均も下回る
  • 数学はかなり優秀で、大都市でも上位に入る
  • 英語も数学同様優秀と言って良いレベルで、上位に入っている

という感じでした。

英検の統計と異なり、学力調査では特に名古屋の中学生の英語レベルは低いという結果ではなく、むしろ優秀な部類に入ると言って良いと思います。

英検と学力検査は内容が違うので、この結果だけで全てを判断することはできないですが、前回記事で紹介した英語教科書の採択時に”名古屋の中学生の英語レベルが高くない”という話が出た際に、この結果を例に出して「名古屋の英語レベルはそんなに低くない」という話が出ても良かったのではないかと思います。
(教科書の採択はそんなに軽い話ではないので、議論の際はこれぐらいの資料は用意しておいて欲しいところ…)

ちなみに、数学・国語の調査は毎年行われていますが、令和6年の調査でも名古屋市の「国語が下位で数学が上位」というのは同じ傾向でした。

====
以上、今回は
名古屋の中学生の学力は他の都市と比べてどうなのか?
をご紹介しました。

皆様の参考になれば幸いです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました