今回は東海地区の私立中学における受験者数と倍率、偏差値の推移をまとめましたのでご紹介します。
最新情報は以下のリンクからどうぞ。

数が多いと分かりづらいので、男子と女子に分けました。
今回は女子編です。
男子編は以下のリンクからどうぞ

今回の内容をざっくりとまとめると以下のようになります。
- 偏差値は全体的にはほぼ横ばいだが、VAPの影響もあり聖霊中の変動が大きい
- 受験者数の絶対数は共学校は増加傾向だが女子校は微減傾向
- 受験者数は減少していても、実質倍率が下がっているわけではない
詳細は以下をご確認ください。
偏差値の推移
2013年から2021年の日能研結果R4偏差値の推移と、2021年11月時点の2022年の予測R4偏差値をまとめました。
なお、「日能研R4偏差値」とは、日能研の全国模試における合格率80%のラインの事です。
ざっくり言ってしまえば、
合格率が80%となる偏差値
だと思っていれば良いと思います。
また、今回使用する偏差値データは上記の通り、日能研の全国模試なので、名進研の偏差値と異なり関東や関西の超難関校(開成や灘など)を受験する人も含めた全国の偏差値になっているので注意が必要です。
ポイントとしては、
- 偏差値は常に南山女子がNo.1は揺るぎなく変化がない
- 大きく変化しているのは聖霊中で、2016年にVAP選考を導入して以降、偏差値が上昇している
- その他の学校は若干上昇している学校はあるものの、ほぼ横ばい
といった感じでしょうか。
やはり女子の場合は聖霊中のVAP選考導入による偏差値変動が一番目立つ要素です。
現在の聖霊の入試は、VAP選考で残った枠を学科入試で争う形になるので、偏差値は上昇傾向になっていると思われます。
受験者数推移
受験者数データは2016年からしか手元にないので、5年分の推移を作ってみました。
なお、愛工大名電中における受験者数、倍率データは、奨学生入試と第1回入試と第2回入試の合計を使用しています。
また、聖霊中の数値はVAP選考、学科試験選考、附属小(南山小)からの進学者の合計値になっています。(それしかデータがないです)
出典:日能研ホームページ 倍率速報より作成
全体的な傾向としては今日学校は緩やかな増加傾向で女子校が横ばいから微減傾向となっています。
男子校の受験者数が増加傾向である事を考えると女子校が減っているのは意外でした。
また、絶対数だけの比較だと募集人員の影響等があるので、2016年を基準とした増減割合も作ってみました。
出典:日能研ホームページ 倍率速報より作成
増減割合を見ると、愛工大名電、春日丘といった共学(グラフが緑色系統)の受験者数(割合)が大きく上昇傾向である反面、聖霊中の受験者数(割合)が大きく減少傾向です。
聖霊中は既述の通り、VAP選考を主体とした入試に変化させており、VAP選考が専願に近い(第一志望でないとダメ)形態であることが影響していると考えられます。
失礼ながら、VAP選考導入前の聖霊中は試験日の関係から、「試験に慣れるため」「滑り止め」としての受験者が多く存在していましたが、上記のVAP選考の影響によりこういった受験者数が大きく減少しているのだと思います。
なお、2021年は椙山の受験者数が増加、愛知淑徳の受験者数が減少していますが、これは昨年の試験日程が、
「愛知、金城の合否が分からない状態で愛知淑徳か椙山のどちらを受験するかを選ばなくてはいけなかった」
という状況だったことが影響しており、“全落ち”を避けるために愛知淑徳ではなく椙山を選んだ受験生が一定数居たのだと思われます。
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倍率の推移
倍率データは受験者数÷合格者数で算出した実質倍率のデータです。
出典:日能研ホームページ 倍率速報より作成
実質倍率は南山女子が圧倒的で、最近は倍率が低下傾向ではありますが、それでも他校よりかなり高いです。
また、聖霊中は受験者数はかなり下がっているものの倍率は横ばい~上昇傾向となっており、これは
「受験者数は低下しているが合格者数も絞っており、合格者が辞退する割合がかなり下がっている」
事を示しています。
受験者減少だけを見ると「人気が下がったのか?」と感じられる変化ですが実情はそうではなく、また、第一志望だった生徒の割合が高くなった結果、校内の雰囲気は良くなった、という意見もあるようです。
今回は以上です。
少し本文中でも触れていますが、この偏差値データと進学実績データを見比べると面白いと思うので、進学実績の記事へのリンクを貼っていおきます。
ご興味があればどうぞ。



皆様の参考になれば幸いです。
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