先日まで、
「公立の小中学校で選ばれている=生徒数が増えているのはどこか?」
「中学受験が盛んな学区はどこか?」
というお話をまとめました。



今回は学区分析のラストということで、
- 生徒数の多い大規模校はどこなのか?
- ここ1-2年の傾向はどうなのか?
という2点をご紹介したいと思います。
大規模校ランキング
生徒数が非常に多い、いわゆる大規模校はどこか、というのを調べてみました。
なお、生徒数の多い学校=良い学校か、と言われるとそうではなく、ただ単に学区が広かったり学校の設備規模からそうなっているケースもあるため、解釈が難しいところです。
とはいえ、ある程度の生徒数がある学校はそれだけ選ばれている証拠でもあるので、学区選びの指標の一つとして利用できるのではないかと思います。
また、大規模校には
- 幅広い友達ができる
- 学校設備がの充実度が高い傾向にある
- 学校行事の規模が大きくなり多様性が期待できる
- 定期的なクラス替えがあり環境変化を体験できる
- 定期的なクラス替えによりコミュニティが固定化し辛く、合わないクラスになってしまってもリセットされる
というメリットがあります。
全ての学校がそうというわけではないですが、行事や遊具などの設備は規模が大きいと個々の負担が軽減されるので、充実する傾向ではあると思います。
また、クラス替え関係は子供にとっては大きく、環境変化の体験と、クラス替えによるリセットはある程度の規模がないと実現出来ないものです。
逆にデメリットとして、
学校行事の場所取りが大変
といった口コミが大規模校では多い傾向ではないかと思います。
小学校大規模校ランキング
ランキングは以下のようになりました。
1位 西山小: 1,316人
2位 田代小: 1,102人
3位 名東小: 1,085人
4位 東山小: 1,047人
5位 下志段味小: 946人
6位 富士見台小: 920人
7位 大清水小: 919人
8位 荒子小: 898人
9位 大高南小: 878人
10位 東丘小 : 864人
11位 鳴海東部小 : 836人
12位 松栄小 : 834人
13位 滝川小 : 831人
14位 汐路小 : 818人
15位 天白小 : 784人
16位 常磐小 : 779人
17位 熊の前小 : 766人
18位 楠小 : 761人
19位 弥富小 : 756人
20位 陽明小 : 751人
21位 瀬古小 : 737人
22位 守山小 : 736人
23位 上野小 : 726人
※太字は人気学区とされている学区
引用元:名古屋市ホームページ「教育調査統計」より作成
明らかに人気学区とされている学校が多く、人気が集中しているのがハッキリと出ています。
特に西山学区は唯一低学年で7クラス存在していたり、高学年でも6クラスを維持している唯一の学校だったりするので、他の学校と比較しても突出している存在ではないでしょうか。
西山学区は以下の学区紹介の記事でも少し触れていますが、転勤族が多く、学校は県外在住者でも馴染みやすい一方で、生活は車があることが前提になっている環境なので、首都圏から引っ越して来た方が生活する場合は慣れるまで時間がかかると思います。

中学校大規模校ランキング
ランキングは以下のようになりました。
1位 有松中: 1,040人
2位 神丘中: 995人
3位 植田中: 905人
4位 志段味中: 798人
5位 守山西中: 794人
6位 長良中: 763人
7位 はとり中: 754人
8位 滝ノ水中: 753人
9位 大高中: 749人
10位 扇台中: 740人
11位 守山中: 738人
12位 一柳中: 736人
13位 神の倉中: 710人
14位 萩山中: 684人
15位 吉根中: 651人
16位 高針台中: 651人
17位 宝神中: 650人
18位 守山東中: 639人
19位 天白中: 628人
20位 楠中: 627人
※太字は人気学区とされている学区
引用元:名古屋市ホームページ「教育調査統計」より作成
小学校と比較すると、人気学区と言われる学区のランクイン数が明確に少なくなっています。
細かく見ると、以下でご紹介した中学受験が盛んな学区が軒並みランク外となっており、私立中学で抜ける人数の多さを感じる結果となりました。
当たり前といえば当たり前の結果なのですが、ここまでハッキリ出るとは思っていなかったので驚きました。

なお、上記記事でも触れていますが、神丘中と萩山中は人気学区の中では中学受験率が低く、公立高校志向が強い環境であり、その影響からか、小学校と中学校の両方で生徒数の多い学区にランクインしています。
中学校学区に子供が多いという事は、学習塾等の需要も高く、競争原理が強く働くので、学習塾の質も高く維持される傾向にあると思います。
そういう意味では、公立高校への進学を考えているのであれば、神丘中や萩山中の学区は優位に働く可能性はあります。
(内申点の問題があるのでレベルの高い学校が良いとも限らないのが悩ましいですが…)
最近の傾向はどうなのか
ここからはちょっとした将来予測をしてみたいと思います。
現時点で得られる最新のデータは2021年のデータですが、このデータで、
1-2年生(低学年)の生徒割合が高い学校=若返りが進んでいる学校でないか?
と考え、その若返りが進んでいる学校のランキングを作ってみました。
低学年の割合が高くなっているということは、基本的には入ってくる新入生の数が増えていると考えることができ、今後の学区内の物件需要を考える上では1-2年生(低学年)の生徒割合が高い方が優位に働く可能性が高いと思います。
また、これから小学校へ入学する方にとっては、こういった地区に住むと同じ境遇の人が多い、という事でもあるので多少安心感が出てくるのではないでしょうか。
2021年の1年+2年生徒数割合トップ20校は以下のようになりました。
1位: 相生小 (天白区) 45.2%
2位: 徳重小 (緑区) 40.9%
3位: 如意小 (北区) 40.3%
4位: 千早小 (中区) 39.8%
5位: 長根台小 (緑区) 39.3%
6位: 大和小 (千種区) 39.3%
7位: 汐路小 (瑞穂区) 39.0%
8位: 豊臣小 (中村区) 38.9%
9位: 砂田橋小 (東区) 38.8%
10位: 伝馬小 (南区) 38.5%
11位: 平和小 (中区) 38.5%
12位: 大生小 (南区) 38.4%
13位: 上志段味小 (守山区) 38.4%
14位: 千種小 (千種区) 38.1%
15位: 高坂小 (天白区) 38.0%
16位: 松原小 (中区) 37.7%
17位: 小幡北小 (守山区) 37.7%
18位: 葵小 (東区) 37.7%
19位: 平田小 (西区) 37.5%
20位: 白鳥小 (熱田区) 37.4%
※太字は人気学区とされている学区
引用元:名古屋市ホームページ「教育調査統計」より作成
徳重小などが分かりやすいですが、やはり新規の開発地区が上位に出てきており、不動産価格の高騰もあってか人気学区のランクインは汐路小のみとなりました。
一方で、中区でランクインする学校が散見されるなど、名古屋でも徐々に見えてきた都心回帰の影響も感じ取る事ができるランキングになっていると思います。
===
以上、今回は
名古屋の公立小中学校における大規模校ランキングと近年の傾向
をご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
コメント