前回、「名古屋の公立中で選ばれているのはどこか?」というデータをご紹介しましたが、今回はその小学校版をご紹介します。
中学校編はこちら

ザックリと言ってしまえば、
「名古屋の公立小学校生徒数増加率ランキング」
です。
増加率の意味(再掲)
中学校編でも書きましたが念の為再掲します。
増加率については解釈が難しいところですが、注意しなくてはいけないのは
「増加率の高い学校=良い学校ではない」
という事です。
というのも、学校の生徒数が増える要因は、大規模マンションの新設や宅地造成など、様々な要因が重なって発生するものです。
志段味エリアなどは名古屋市が「なごやサイエンスパーク事業」などにより開発に力を入れていたりするので、人口増加が顕著です。
とはいえ、一方で
「問題のある地区はどれだけ開発しても人は集まらない」
とも言えます。
つまり、今回ご紹介する生徒数の増加率が高い学校は
「少なくとも選ばれている学校ではあるので変な環境である可能性は低い」
という、住居選びの判断基準の1つとして利用できるのではないでしょうか。
なお、一般的に名古屋において「人気学区」とされている場所については以下の記事でまとめていますのでご興味があればどうぞ。

使用するデータについて(再掲)
ベースとなるデータ
ベースとなる生徒数データは、インターネット上からデータを探したところ、
- 2009年
- 2012年
- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 2020年
- 2021年
の各中学校の生徒数データが見つかりました。
なお、2009年から2015年は愛知県の公開データ、それ以後は名古屋市の公開データを使用しています。
ちなみに、上記サイトのデータは1年経過すると消されてしまい、公式サイト上から存在しなくなるので、今回はインターネットアーカイブのキャッシュデータからデータを探しています。
統計データは年次データ含めて保存しておいて欲しいですね…非常に面倒でした!
分校について
今回の期間中、以下の通り分校や統合がありました。
小学校の統合
- なごや小:幅下小、那古野小、江西小の統合
- 笹島小:六反小、新明小の統合
統合校については、2009年データから、上記学校を合算してなごや小、笹島小として集計しました。
小学校の分割
- 下志段味小:志段味西小から分割して新設
- 上志段味小:志段味東小から分割して新設
分割校については、扱いが難しかったですが、合計値はランキングには含めず、別記してランキング外として掲載します。
名古屋市の公立小学校全体の生徒数増加率はどうなっているのか
上記期間中の名古屋市の生徒数の増減は、
- 2009年~2021年:-6.8%
- 2012年~2021年:-2.8%
- 2016年~2021年:-0.7%
といった感じで、全体としては減少傾向です。
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生徒数増加率ランキング
2009年~2021年
ランキングは以下のようになりました。
1位 大高南小:+181%
2位 笹島小:+106%
3位 南陵小:+86%
4位 葵小:+67%
5位 東白壁小:+63%
6位 守山小:+61%
7位 東丘小:+58%
8位 菊住小:+54%
9位 榎小:+49%
10位 星ヶ丘小:+46%
[(参考)分割校の数値]
志段味西小+下志段味小:+145.2%(2位相当)
志段味東小+上志段味小:+138.1%(3位相当)
※太字は人気学区とされている学区
中学校では志段味エリアが強かったですが、小学校では大高南小がトップでした。
大高の南エリアは区画整理事業等で再開発・宅地開発が進んでいるとはいえ、3倍弱まで生徒数が増えていると考えると凄まじい勢いです。
逆に、笹島小は六反小、新明小の統合で誕生した学校で、2010年より統合校として運営されています。
このエリアは過去にモデルルーム訪問記で該当エリアの新築マンションを何度かご紹介した通り、都心回帰による人口増の影響を大きく受けていると考えられます。
その他は、やはり東白壁や星ヶ丘といった人気学区の小学校も入っていますね。
2012年~2021年
ランキングは以下のようになりました。
1位 下志段味小:+157%
2位 大高南小:+123%
3位 東白壁小:+72%
4位 葵小:+57%
5位 東丘小:+54%
6位 鳴子小:+53%
7位 守山小:+52%
8位 星ヶ丘小:+51%
9位 山吹小:+48%
10位 杉村小:+47%
[(参考)分割校の数値]
志段味西小+下志段味小:+102.4%(3位相当)
志段味東小+上志段味小:+61.0%(4位相当)
※太字は人気学区とされている学区
やはりというか、下志段味の勢いが凄まじい事になっており、ここは2012年に開校していますが、そこから10年で3倍弱になっています。
大高南小も中期集計では2位ですが、それでも2倍超の生徒数増加となっています。
その他、葵小、東丘小、守山小に加え、人気学区とされる東白壁小と星ヶ丘小が長期に続いて中期でもランクインしており、中長期的に需要と供給を兼ね備えていた事が伺えます。
2016年~2021年
ランキングは以下のようになりました。
1位 大高南小:+53%
2位 東白壁小:+48%
3位 砂田橋小:+45%
4位 相生小:+41%
5位 山吹小:+36%
6位 汐路小:+33%
7位 鳴子小:+32%
8位 徳重小:+31%
9位 鶴舞小:+31%
10位 豊岡小:+30%
[(参考)分割校の数値]
志段味西小+下志段味小:+20.8%(ランク外)
志段味東小+上志段味小:+49.6%(2位相当)
短期では大高南小が1位を取り、長期と短期で1位となりました。
また、砂田橋小が突然3位に入ってきていますが、おそらくこれは、元々200人程度と人数が少なかったところにメガシティテラスが竣工した結果、急伸したものと考えられます。
志段味エリアについては志段味西+下志段味がランク外となる一方で、志段味東+上志段味の伸びが上位ということで近年の志段味エリアの伸びは志段味東+上志段味のエリアが中心とい言えるのではないでしょうか。
それ以外には、相変わらず東白壁小は上位にランクインしており根強い人気を示している他、鳴子小、山吹小などは中期に続いてランクインしており、近年の勢いを感じます。
また、人気学区からは汐路小もランクインしていますが、確かこの学区は近年新築マンションの供給があったはずなのでその影響を受けていると思われます。
まとめ
以上をザックリとまとめると、
- 短期、中期、長期全てにおいて大高南小エリアの増加率が高い
- 人気学区では東白壁小が短期、中期、長期全てにおいて増加率が上位で、人気の根強さを感じさせる結果だった
- 志段味エリアは短期集計を見ると近年は志段味東小+上志段味小が伸びている
- 長期-中期で見ると葵小、東丘小、守山小に加え、人気学区とされる東白壁小と星ヶ丘小が増えている
- 中期-短期で見ると東白壁小、鳴子小、山吹小が増えている
といった感じです。
以上、今回は
名古屋の公立小学校で選ばれているのはどこか(公立小学校生徒数増加率ランキング)
をご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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