前回からスタートした街分析シリーズ
「名古屋の交通安全分析」
ですが、Part2の今回は
“名古屋市各区の交通安全ランキング”
をご紹介します。
なお、使用しているデータは前回記事をご確認いただければと思いますが、道路長データについては名古屋市各区の公式データが無いので、GISソフトで計算して算出しています。(内容は記事最下部を参照)
また、今回の分析は高速道路等の自動車専用道路で発生した事故は除外していますのでご了承ください。
名古屋市内の事故発生状況
前回もご紹介しましたが、まずは名古屋市内の事故発生状況について、
- 全ての交通事故
- 人対車の交通事故
の2種類を可視化してみました。
全ての交通事故の発生状況
車対車の事故を含めた全ての交通事故の発生状況は以下の通りでした。
なお、負傷事故に関しては、件数が多いので青色プロットを透過化し、青色が濃いところが事故発生件数が多いエリア、というイメージになっています。
死亡事故に関しては透過化していないので、1つの丸が1件の事故です。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
やはり幹線道路沿いに多く発生しています(青色が濃い)
特に都心部である中区周辺は他のエリアよりも明らかに色が濃いので、事故の密度がかなり高い事がわかります。
一方で、死亡事故に関しては都心部に集中しているという傾向はなさそうです。
人対車の交通事故発生状況
“子どもの交通安全”を考える場合、人対車の事故がどの程度発生しているか、というのも重要だと思います。
ということで、上記データについて「人対車の交通事故に限定」して可視化してみました。
※負傷事故の青色の透過度は調整しています
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
大きな傾向としては都心部の発生密度が濃い事は同じなのですが、幹線道路以外でも多く交通事故が発生していることがわかります。
死亡事故については全事故の場合と大きな傾向の差はなさそうです。
名古屋市各区の交通安全ランキング
上でご紹介した交通事故の発生状況を名古屋市の各区で集計してみました。
こちらも、”全事故”と”人対車事故”の2種類の分析を行っています。
また、”事故に遭遇しやすいか否か”は各区の道路長、つまり”事故の発生密度”も重要だと思うので、各分析では「道路100kmあたりの事故発生数」も算出し、ランキング化しました。
全事故分析
事故発生件数(全事故)
まずは単純な事故発生数のランキングです。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
トップは意外にも緑区で、次いで緑区、中川区と続きます。
イメージとは異なり、都心部が圧倒的に多い、というわけではありませんが、比較的上位に多いのは都心部に近い区です。
(もちろん区の広さ・道路の長さが影響しているわけですが…)
上記データを死亡事故のみにしてランキング化すると以下のようになりました。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
死亡事故に限定すると、都心部から離れた区、いわゆる住宅街を多く持っているような区が上位に来ています。
特に、南区は全交通事故数の比較では上位ではありませんでしたが、死亡事故に限定すると上位に入ってしまっていますね。
道路100kmあたり事故発生件数(全事故)
上でご紹介した事故の件数について、道路の長さを考慮した形にしてみました。
具体的には、”道路100kmあたりに年間発生する事故件数”にしており、このランキングから交通事故の密度、つまり
「交通事故に遭遇するリスクの高さ」
を知る事ができます。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
単純な事故件数の結果とは大きく異なり、中区が圧倒的に多いという結果になりました。
また、緑区は単純件数では1位でしたが、この分析では下から4番目という事で、安全性が高いエリアと言える位置にいます。
全体的な傾向としてはやはり都心部の区が上位に来てしまっていますね。
前のパートと同様に、このデータを死亡事故のみにしてランキング化すると以下のようになりました。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
こちらも大きな傾向としては似ており、都心部に近い区が上位に来ている一方で、そこまで都心部に近いわけではない南区が上位に来ているのが気になるところですね。
人対車事故分析
事故発生件数(人対車事故)
人対車事故について、まずは単純な事故発生数のランキングです。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
人対車の事故に限定した場合のトップは中区で、次いで緑区、中村区と続きます。
前の全事故分析と比較してもそこまで大きな差はなさそうです。
上記データを死亡事故のみにしてランキング化すると以下のようになりました。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
明確に都心部に近い区の発生数が少ないように見えるのは全事故分析と似ています。
熱田区、千種区、昭和区、守山区は人対車の死亡事故が3年間発生しておらず、安心感がありますね。
道路100kmあたり事故発生件数(人対車事故)
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
こちらも全事故分析の結果と似ており、都心部に近い区が上位に多いです。
一方で、天白区が比較的上位に来ているなど、人対車事故に限定すると住宅街が多い区の交通事故遭遇リスクが高い、という傾向の違いはあります。
前のパートと同様に、このデータを死亡事故のみにしてランキング化すると以下のようになりました。
出典:交通事故統計情報のオープンデータより作成
この分析のワースト1は南区で、中区よりも上に来てしまっています。
また、高級住宅街を擁する瑞穂区も上位に入っているのが気になるところです。
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以上、今回は、
名古屋の交通安全ってどうなの? Part2 名古屋市の各区比較
をご紹介しました。
子どもの交通事故遭遇リスクを表す”人対車の交通事故発生密度”については、人気の住宅街を多く擁する区が比較的上位に来ていたのが印象でした。
次回は学区別の分析を行い、子どもの交通事故遭遇リスクについて、さらに深堀りする予定です。
皆さまの参考になれば幸いです。














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