[プロの先生に聞いてみた!]西塾車道校 川邊先生インタビュー part4 最近の入試傾向と入学までにすること

今回は、
「プロの先生に聞いてみた!」
の第一弾”西塾 車道校 教室長の川邊先生”編のPart3です。

プロの先生に聞いてみた!第一弾の一覧は以下の通りです。

【Part1】

[プロの先生に聞いてみた!]西塾車道校 川邊先生インタビュー part1 中部地区における中学受験のメリット、適性と塾選び
西塾車道校 川邊先生に東海地区の中学受験事情についてインタビューしました。 Part1の今回は、中部地区における中学受験のメリット、適性と塾選びについてご紹介しています。

【Part2】

[プロの先生に聞いてみた!]西塾車道校 川邊先生インタビュー part2 中学受験をスタートする時期と早期教育
西塾車道校 川邊先生に東海地区の中学受験事情についてインタビューしました。 Part2の今回は、中学受験をスタートする時期と早期教育、高校受験との関係や、全国統一小学生テストとトップ校合格率についてご紹介しています。

【Part3】

[プロの先生に聞いてみた!]西塾車道校 川邊先生インタビュー part3 受験環境の変化と学校について
西塾車道校 川邊先生に東海地区の中学受験事情についてインタビューしました。 Part3の今回は、最近の受験環境の変化や各学校の特徴、受験校選びについてご紹介しています。

今回は

  • 最近の入試傾向について
  • 入試に向けた対応について
  • 入試の後の対応について

についてまとめます。

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インタビュー

最近の入試傾向について

最近の中学入試そのもの、つまりテスト問題について、どのような変化が起こっているか聞いてみました。

“考える力”が問われる

子育て情報局
情報局

最近の動向として、入学試験、つまりテスト内容で変化しているところはありますか?例えば、名古屋中などは偏差値が上昇傾向ですが、それに応じて入学試験も変化していたりするのでしょうか。

川邊先生
川邊先生
例として挙げられた名古屋中の場合、今年の入試は関東の入試問題の傾向が入ってきています。
特に社会が顕著ですが、「考えさせる問題」の傾向が強くなった、という事です。
子育て情報局
情報局
考えさせる問題、というのはどう考えれば良いのでしょうか。
単純に難易度が上昇した、というわけではないんですか?
川邊先生
川邊先生
難しくなった、と言うよりは、「論理的思考力」「情報処理能力」、つまり「読んで考える」という事が必要な傾向が強くなったとご理解いただければ。
これは、大学受験の共通テストで求められる要素が入ってきた、という感じです。

特に名古屋中は入試問題のテコ入れを頻繁に行う学校で、3年前の共通テスト導入から変化が始まっています。

子育て情報局
情報局
名古屋中以外の学校はどうでしょうか?
川邊先生
川邊先生
上位校では南山女子は今年の問題に同様の傾向が少し入っていますね。
滝も2年前ぐらいから変化を感じています。 

教科別に言えば、今回の変化の影響を受けやすいのは社会で、データの読み取りが増加するなど、暗記だけでは解けないものが増えています
算数の場合は、解き方を暗記するだけでは答えにたどり着けない、考える力が問われる問題が増えています。

近代史と時事

子育て情報局
情報局
先程、社会の話が出てきましたが、近年は社会で近代史が多く取り扱われるようになった、という話を聞いたのですが、愛知県でもその傾向は同じでしょうか。
川邊先生
川邊先生
近代史部分が多くなっているのは事実です。西塾で使っている予習シリーズも改定されて、近代史のパートが分厚くなりました。入試で言えば、東海等の試験で近代史は出されていますよ。

例えば、数年前に愛知淑徳で日韓ワールドカップの話題が出されました。

子育て情報局
情報局
あれって近代史扱いなんですね…(ショック)
川邊先生
川邊先生
平成に起こったことはもう近代史扱いで普通に出題されますね。問題作成者である先生の世代が若返っている事も影響していると思います。

子育て情報局
情報局
近代史の重要度が上がってきているんですね。 

ちなみに、もっと今に近い話題、つまり時事問題は学校によって出る、出ない、の傾向はありますか?

川邊先生
川邊先生

時事は全般的にはどの学校でも出てきます。
 
男子校では、南山男子が最先端で名古屋はごく普通の問題、東海はほとんど出ない。 
 
共学校は、滝が最先端で、愛知や名電、春日丘などはニュースの教材レベル。 
 
女子校は各校特徴のある出題内容になっています。
金城はG20などの内容から出ることもあり、環境問題等に力を入れていますね。
南山女子は、女子高の優だけあって女性の活躍や、キリスト教学校なので、差別の問題などが取り上げられることが多いです。
淑徳や椙山はニュースの教材レベルです。
ただ、淑徳は、必ずと言っていいほど、きちんとニュースなどを見ていないと分からない事も出てますね。具体的には、世界の文化(ミネストローネ、マトリョーシカ等…)に関することやトランプ首相の人物像、小池百合子都知事をフルネームで書かせたり、歴代の首相や知事の顔写真から選べ、といった内容です。

子育て情報局
情報局
最近は小学校でも英語の授業がしっかり入ってきていますが、一般的な中学入試に英語という科目が入ってくることはあるのでしょうか?
川邊先生
川邊先生

英語については、一部の入試で既に何らかの英語能力を利用する形の試験は設定されていますが、一般的な試験として必須化される可能性は非常に低いのではないかと考えています。
 
これは、各私立中、特に上位校は自分の学校の英語カリキュラムに自信を持っているからです。
つまり、自分の学校のカリキュラムでゼロから英語は仕上げられるので、小学校の段階でそこまで勉強しなくても良い、入試を設定して勉強してもらう必要はないと考えている、という事です。

【最近の入試傾向まとめ】

  • 最近は愛知県でも”考えさせる問題”が増加傾向にある
  • 問われる力は暗記能力ではなく、「論理的思考力」「情報処理能力」で、つまりは「読んで考える力」である
  • この傾向は大学入試の共通テストに通じる内容である
  • 社会は近代史が多く扱われるようになっている
  • 時事問題は、東海はほとんど出ない等、学校によって扱いに差がある
  • 各校は自分の英語カリキュラムに自信を持っているので、入学試験で英語が必須化される可能性は低い
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入試に向けた対応について

6年生の勉強時間

子育て情報局
情報局
中学入試を経験されていない方にはあまり想像できない部分かと思いますが、4年、5年と塾に通って通常カリキュラムに則っている子は、入試の最後の仕上げとなる6年生では1日にどれぐらい勉強する事になるのでしょうか。
川邊先生
川邊先生
私が求めるのは、平日学校のあと5時間、休日なら10時間ぐらいですね。
子育て情報局
情報局
休日10時間…なかなかハードですね。では、入試直前期、つまり年明けから2月までの期間どうでしょう?
関東だと「学校を休ませる」という話も聞きますが…

川邊先生
川邊先生
私としては学校は休んで集中的に勉強するのをオススメしています。

ちなみに、西塾の場合は、1月、2月の起きている時間は全て管理して指導するオプションも用意しています。
年明けから入試終了までの期間、モーニングコールから対策講座、昼間の学習管理まで行って約30万円程度(※)、入学試験費用を考えれば40万円程度になります。
一見、高額に思えるかもしれませんが、家庭教師をつきっきりで雇う事を考えたらお値打ちなオプションになっていますよ。

※冬期講習:6万円、入試対策(正月特訓と1,2月の受験対策までの月謝):16万、昼間学習:3,520円×20日の合計が約30万円

過去問の使い方

子育て情報局
情報局
いよいよ6年生に入ってくると「過去問をどう活用するか」という事を意識するようになってくると思います。
第一志望校の過去問は直前期に解くとして、それ以外の学校の過去問の上手な活用方法はありますか?
川邊先生
川邊先生
たとえば、偏差値50以上の学校を狙うのであれば、愛知、金城あたりの小問、算数だったら計算問題を毎日解かせる、という使い方は力がつきますよ。
基礎的な問題が素直に出題されている愛知がおすすめです。

その後で、滝や淑徳の過去問にステップアップしていきます。

子育て情報局
情報局
基礎固めとして愛知や金城の過去問を使う、というイメージですね。

川邊先生
川邊先生
その通りです。夏までは基礎固めが重要です。

もちろん、滝の過去問などは最初は解けない問題も多いです。
しかし、解けなくても良いので、何度も繰り返しやる、というのが大事です。

これをしっかりやっていれば、名古屋中の問題などは簡単に感じますから。

 

なお、西塾のカリキュラムでは、淑徳と滝は夏休みに解き、東海南女を秋以降に解くという流れになっています。

【入試に向けた対応まとめ】

  • 6年生は(川邊先生的目安として)平日5時間、休日10時間程度の勉強が必要
  • 最後の追い込み時期は小学校を休むのも一つの選択肢としてアリ
  • 6年生の夏までは基礎固めが重要で、偏差値が高くない学校の過去問を活用するのがおすすめ
  • 10月以降から、滝等の高偏差値校の過去問を使って基礎から一歩先に行った問題に慣れていくのが良い
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入試の後の対応について

ギリギリ合格は覚悟が必要

子育て情報局
情報局
入学後のお話を少し質問させてください。

 

ようやく入試も終わり、持ち偏差値よりも上の学校に合格したとして、授業についていけるか、というところを不安になるご家庭も多いと聞きます。

たとえば、男子では東海が東海地区のトップ校ですが、1学年の生徒数が多いため、灘に入れるレベルの子も居るし、ギリギリ合格の子も居て、生徒の学力差がかなり大きいように思います。

その差は入学後にどう影響するのでしょうか?

川邊先生
川邊先生
実際に持ち偏差値よりも上の学校に入学したケースだと、苦労している子は多いです。

 

学力差のイメージとしては、1回言われただけで英単語が覚えられる子と3回言われても覚えられない子が混在している中で授業が進んでいく、と考えていただければ分かるのではないでしょうか。

当然、学校の授業は後者(3回の子)に合わせて行われるわけではないので、ギリギリ合格したような子は相応の努力は必要だと思います。

子育て情報局
情報局
合格自体は喜ばしいけど、その後の事を考えるとギリギリ合格のケースでは注意が必要という事ですね。
川邊先生
川邊先生
これはなかなか悩ましいところで、せっかく合格したからには行きたいと思うのは当然です。

 

東海の話ではないのですが、愛知に入学した生徒で実例があります。

その子は6年生でとても努力をして、自分の持ち偏差値よりも上位の愛知中学に合格し、受かったからには入学したい、と希望しました。
先程お話した(Part3参照)通り、愛知は選抜クラスに入れるトップ40に入れるかが非常に重要です。

そのため、周りが自分より理解力が高く、入学後しっかり勉強することが大事だという事を念押ししたのですが、やはり続かなかったようで、だんだん授業についていけなくなってしまいました。

子育て情報局
情報局
同級生と一緒に遊んでいたり部活をしていたら、なかなか人一倍勉強するのはハードルが高く、かなり強い意志が必要ですもんね…
特に定員が多く、ゆっくり授業が進む学校でない場合は注意したほうが良さそうですね。
川邊先生
川邊先生
そうです。なので自分の持ち偏差値よりも上位の学校に行くのは結構な覚悟が必要なんです。
 
もう男子については、極端な事を言ってしまえば「医者になりたい」というのがハッキリしているわけではない場合は、そこまで無理して東海に入学する必要はないのではないかと考えることがあるぐらいです。

子育て情報局
情報局
冷静に考えるとなかなかすごい事を言ってますね…。。。

 
女子はどうでしょう?南山女子も似たような傾向があるのでしょうか?

川邊先生
川邊先生
南山女子については、そもそも定員が少ないので、学力差があまりなく、そこまで心配する必要はないと思います。
どちらかというと、南山女子は付属小から進学してきた生徒たちが苦労している、という話を聞く事の方が多いですね。

入学後の塾選び

子育て情報局
情報局
2月上旬にはほとんどの学校で試験が終わりますが、東京の鉄緑会のように、合格後すぐ申込みが集中する塾などはあるのでしょうか?
確か河合塾に私立中高一貫上位校向けのコースがあったような気がしていますが…(※東海南女エンリッチコースONE WEXなど)
川邊先生
川邊先生
優秀な子は河合塾よりもSEAを選んでいるようです。
すぐに申し込みを行うようですね。
子育て情報局
情報局
優秀な子ではなく、普通の子向けの中高一貫校対応塾で大きいところってあるんですか?
川邊先生
川邊先生
エスト…ぐらいしか聞かないですね。

あ、もちろん、西塾車道校も中高一貫校に通う生徒向けのコースを開講しているので大歓迎です!
中学受験で通っていた生徒から過去問も集めているので定期考査対策もバッチリです!

子育て情報局
情報局
お世辞抜きに、この立地は東海生にとってはズルいですよね。
車道経由で通学する子の場合、ほぼ確実に塾の前を通るわけですから…

入学までにしておくこと

子育て情報局
情報局
仮にSEAのようなバキバキ勉強をしていく塾に通うパターンではない場合、2月から4月まで時間が空く事になると思います。
この間に何かやっておいたほうが良い事ってありますか?
川邊先生
川邊先生
“算数”を抜いてほしいです。
子育て情報局
情報局
算数を抜く…??
川邊先生
川邊先生
簡単に言えば、「数学に向けて、文字式、つまり方程式の問題に慣れる」という事をやってほしいという事です。

中学受験で身につけた、面積図、線分図も大事ですが、数学で使う文字式に対応できるように慣れる作業をやっておくとスムーズに中1の”数学”に入っていけます。

子育て情報局
情報局
そこに対応できず、ついていけなくなる子は多いですか?
なんだか中学受験時代に”算数”が得意だった子ほど引っかかりそうなトラップに感じますが…
川邊先生
川邊先生
一定数、この算数が抜けきらずに数学で苦労する子がいますね。
算数以外の3教科は、中学受験で勉強した内容にプラスして積み上げていく形の勉強になりますが、算数だけは中学受験の延長線上という関係性が薄いので、慣れが必要です。

中1向けの問題集等を使って、1次方程式と比例まで関数で解けるようになっておくと良いと思います。

【入試の後の対応についてまとめ】

  • 自分の持ち偏差値よりも上位の学校に入学する場合は覚悟が必要
  • →実際にギリギリ合格の後、苦労している生徒も多い

  • 東海・南女合格後に優秀な子はSEAに申し込むパターンが多い
  • →最近の上位層は河合塾よりもSEAを選ぶ

  • 大手で中高一貫校対応コースをやっているところは少ない
  • →エストぐらい…?西塾車道校もやってる!

  • 入学までの間に”算数を抜く”訓練をしておくのがオススメ
    →1次方程式と比例まで関数で解けるようになっておくと良い

まとめ

「プロの先生に聞いてみた!」の第一弾は以上です。

4回に渡ってご紹介してきたこの企画はいかがでしたでしょうか。
既に中学受験の世界にどっぷり浸かっている方には「知ってるよ!」という内容も多かったかもしれませんが、「ギリギリ合格は油断禁物!」「合格後は”算数を抜く”のがオススメ」といった、あまり他では聞かない話もご紹介できたのではないかと思います。

実は今回の4記事を書くにあたっては2時間超のインタビューをさせていただきました。
名古屋子育て情報局初のインタビューということで、慣れないなか川邊先生には非常に丁寧にご対応いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

詳細は別記事で書く予定ですが、このインタビュー企画は今後も続けていきたいと思っています。インタビューに関するご意見やご感想も大歓迎!ブログ自体にコメントいただいてもOKですし、TwitterInstagramにコメントいただいても大丈夫です。いいね、やRTしていただけるとさらに嬉しいです。

(次回は高校受験塾の話を聞いてみたいと思っていますが…誰かインタビュー受けてくれないかな…)

===
以上、今回は
[プロの先生に聞いてみた!]西塾車道校 川邊先生インタビュー part4 最近の入試傾向と入学までにすること
をご紹介しました。

皆様の参考になれば幸いです。


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