今回は大手中学受験塾の合格実績推移について、2025年の最新データが揃いましたのでご紹介します。
最近中学受験ネタばかりで申し訳ないですが、そういう時期、ということでご容赦ください…
なお、女子校編は以下をご確認ください。


前提条件の注意点
合格者数が多い塾=優秀な塾ではない
通常、子育て情報局では合格数の単純比較は控えています。
というのも、各塾は規模が全く異なるため、合格者数のみを出してしまうと誤解を生む危険性があるからです。
しかし、生徒数が非公表である以上、合格数しか出しようがない、というのが現状です。
そのため今回は、以下の3点を充分ご留意いただけますと幸いです。
- 各塾の生徒数(受験者数)は大きく異なるため合格者数の数そのものの比較にあまり意味はない
- 上記の関係から、合格者数が多い塾=優秀な塾ではない
- 合格数を塾選びの参考にするなら見るべきは推移の中長期傾向で、合格者数が増加傾向か否かである
また、
「各中学受験塾の合格者数の数字は1年間限定で公開され、次年度のテストが終わると消されてしまう」
という状況に対して後年のためにデータを残す、という意味もあります。
柔軟な対応の有無と受験生から選ばれているかが大事
上記ポイントに「合格者数が増加傾向にあるか否かが大事」と書いていますが、これは、
- 刻々と変化する受験環境に対して柔軟な対応が出来ているか
- 受験生から選ばれているか(シェアを伸ばしている)
という事に繋がるためです。
というのも、各塾のカリキュラムが各校の合格に役立っているか・求められているものの変化に対応出来ているかどうかは、合格者数が伸びているか否か、というところが判断基準の1つになりますし、合格者数を伸ばすための母数(=受験生数)は受験生から選ばれないと伸びていきません。
以前、塾に支払う金額のイメージをまとめましたが、塾を選ぶ側も安い金額ではないことは分かっているので、それなりに調べた結果ちゃんと理由があって選ばれている、と考えることが出来ますので、合格者数が増加傾向にあるか否かが大事だと考えています。
今回対象とする塾と学校
今回対象とする塾と学校は以下の通りです。
なお、推移を見るのは
2013年~2025年
としました。
対象とする塾
名古屋には中学受験塾が沢山ありますが、今回は大手とされる
- 日能研
- 名進研
- 馬渕教室
- 浜学園
の4つを対象としました。
各塾の教室数の推移
既述の通り、各塾の生徒数(受験者数)は不明ですが、教室数の推移は過去のデータから分かっているので、参考としてご紹介します。
なお、県外受験者もそれなりに居るので東海地区にある教室を対象に集計しています。
引用元:各塾における以下のページの教室数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※上記校舎数は各年の教室数であり、新規開校のタイミングによっては合格数の母数とリンクしない可能性があるので注意
※浜学園の星ヶ丘校、日能研多治見校は25年入試の時点で開校していないので除外
現時点(2025年2月)の教室数は
- 名進研 :37教室
- 日能研 :18教室
- 浜学園 :9教室
- 馬渕教室:6教室
といった感じ。
2024年から変動なしですね。
そして上の注釈でも書きましたが、25年春から浜学園の星ヶ丘校、日能研多治見校が開校する予定です。
対象とする学校
今回は男子校編ということで、
- 東海中
- 南山男子
- 名古屋中
の3校を対象としました。
本当は名古屋中はスカラー合格数も比較したいところですが、塾によってスカラー合格数の公表が無かったりするので、単純な合格数のみにしています。
主要私立中学の合格実績推移
東海中
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
男子における最難関である東海中の合格実績は上記の通りとなりました。
東海中に対応したクラスは各塾が最も力を入れるところでもあるので、ハイレベル分野における各塾の実力が出るのではないかと思います。
ザックリとまとめると、
- 名進研は復調傾向だったが、ついに日能研にほぼ追いついた
- 日能研・浜学園は伸び悩み、合格数を減らした
- 馬渕教室は今年は合格数増になった
といった感じです。
今年は何と言っても名進研の復調が最大のトピック。
名進研は下落傾向へのテコ入れのため20年からSクラスを設立し、関東で圧倒的な上位校の合格実績を誇るSAPIXの教材・メソッドを取り入れて来ました。
24年入試の3期生からSAPIXメソッドを100%受講した生徒が入試に挑んでおり、復調の兆しは見えていました。
そして今年、ついに日能研に合格数が並んだという形です。
当初は”関東の最難関校向けの教材・メソッドは東海地区にはオーバースペック”というような意見もありましたが、SAPIXのテキスト”コアマスター”だけでなく、名進研独自の問題集も併用するなど、ローカライズに努力してきた結果が出ているように感じます。
なお、24年から名進研の最上位クラスは”αクラス”と名称が変わり、「東海・滝・南山女子の合格保証」もホームページ上では明記しなくなりました。(制度として続いているかは不明)
それに伴い、最上位クラスの東海・滝・南山女子3校の合格率の発表もなくなりました。(2期生は95%、3期生は100%という情報が発表されていた)
また、最上位クラスはかなり狭き門であるようで、昨年の3期生は認定者が26人という公表があり、今年は40人前後だったという情報もあります。
日能研は昨年は約13%の大幅増加だった反動か、今年は約1割減少しました。
別記事で女子校や共学校もまとめますが、総じて今年の日能研はトップ校で苦戦していた印象です。
(まぁ、去年が良すぎた、とも言えますが)
東海中に限って言えば、名進研との差は”2人”しかないので、26年はどうなっていくか注目ですね。
浜学園は2018年以降6年連続で東海中の合格数を伸ばし続けていましたが、こちらも今年は減少しました。
とはいえ、減少率は約3%なので、ほぼ横ばいと言って良いと思います。
馬渕教室は昨年は約2割減の大苦戦でしたが、今年は約18%増で復調しています。
もちろん、馬渕教室の場合はまだ教室数(=生徒数)が少ないので、ブレが大きいのは仕方がないと思います。
なお、別記事でご紹介しますが、今年の馬渕教室は女子校で大苦戦という状況なのが気になります。
余談ですが、現時点の4塾の東海中合格数の合計は411人。
東海中の定員は360人なので、この4塾だけで定員以上の合格数を出している事になります。
名古屋中
名古屋中の結果は以下の通りとなりました。
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
こちらはやたらと合格者数が多いように感じますが、これは名古屋中は受験日程が比較的早いうえ日程が被っている学校がなく、東海地区で中学受験をする男子の多くが名古屋中を受験するから。
ザックリとポイントをまとめると、
- 日能研・名進研は横ばい~微減の傾向
- 浜学園は前年比17%増の大幅増加
- 馬渕教室も1割増で好調
といった感じです。
名古屋中は偏差値が一定以上の生徒のほとんどが受験する学校なので、この結果からは、
浜学園・馬渕教室は日能研R4偏差値が50前後の生徒を順調に増やしている
と言えるのではないでしょうか。
また、毎回書いていますが、名古屋中の場合は、
環境が変化する中で合格者数を大きく伸ばしているか否か
という事が重要です。
以前ご紹介した通り、名古屋中は近年偏差値が上昇しており、難易度も上昇しているという変化が起こっています。
ここ10年で合格者数を大きく伸ばしている塾は、様々な変化に対応できる塾であると言えるのではないでしょうか。
そういう意味だと、日能研・浜学園はそのあたりの強さが出ているのかもしれません。
名進研に関しても、2019年~22年な大幅に合格数を減らしていましたが、近年はその傾向に歯止めがかかっている状況です。
ちなみに、スカラー合格(いわゆる特待生合格)数は浜学園と馬渕教室で数字が出ており、
浜学園 :30人(-2人)
馬渕教室:18人(+5人)
という数字になっています。
名古屋中のスカラー合格は東海中に合格するよりも難しいと言われており、”東海中に余裕を持って合格できる”という上位層の変動がこの数字から分かります。
既述の東海中の結果と傾向は似ており、男子に関しては馬渕の地固めが着実に進んでいっているように感じます。
南山男子
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
東海や名古屋に比べると合格者数の絶対数が少なく見えますが、これは大手塾以外が多いわけではなく、南山男子は東海に比べると定員が少なく、さらに余剰合格者が少ない(定員以上の合格者をあまり出さない)事が関係しています。
また、試験日程的に東海中と両方受験できないことも影響していると思います。
ザックリとポイントをまとめると、
- 名進研・浜学園・馬渕教室が合格数を伸ばした
- 日能研は大手塾で唯一合格数を減らしている
- 名進研と日能研の差が大きく開いた
といった感じです。
名進研が昨年に引き続き合格数を大きく伸ばしており、3年ぶりに南山男子の合格数トップを奪還した昨年の勢いをキープ。
一方で、日能研は大きく合格数を減らしており、名進研との差が大きく開きました。
浜学園・馬渕教室も合格数を大きく伸ばしており、それぞれ約55%増、約40%増となっています。
南山男子の場合、24年の結果R4偏差値で名古屋中との偏差値差が3まで広がっています。
もちろん、偏差値が全てではありませんが、傾向としては
名古屋中に合格→南山男子か東海中にチャレンジ
という流れから
名古屋中に合格したら東海中チャレンジ、不合格なら南山男子
という流れが加速しているように感じます。
そういう意味では、名進研の層の厚さがここに現れており、名進研に比べると教室数(=生徒数)が少ない日能研は、上位層の生徒が増えると南山男子の合格数が減少する、という構図になっていると思います。
ただ、今年の日能研は東海中も合格数を減らしており、偏差値50以上の生徒の層が薄くなっている可能性はあります。
浜学園・馬渕教室は最上位校がメインターゲットではあるものの、南山男子の数字を見る限り、着実に通塾する生徒の幅を広げているように感じますね。
(参考)塾の傾向について
※一部不正確な内容が含まれていたので25年2月22日に考察部分の記載修正を行いました。
申し訳ございませんでした。
昨年、女子校では分析を行いましたが、
「難関校(名古屋)とトップ校(東海)の合格数比較」
を男子校でも行ってみたいと思います。
確認するのは、「東海中の合格者」÷「名古屋中の合格者」の数字で、
「名古屋中に合格した生徒の何割が東海中に合格できているか?」
というところから、各塾の生徒層や考え方を見る試みです。
計算結果は以下の通りとなりました。
結果をまとめると、
- 近年は日能研・名進研・浜学園は概ね60%弱に収束している
- 馬渕教室だけが突出して高い
- かつては浜学園も馬渕教室と同様にかなり高い数字だった
という感じ。
東海中の日能研R3-R4偏差値(合格可能性50%-80%)のレンジが”57-60″という事を考えると、「偏差値53の名古屋中に合格した日能研・名進研・浜学園の生徒」の60%弱が東海中に合格した、というのはあまり違和感がありません。
逆に、この数字が100%を超えている、つまり「名古屋中に合格した生徒よりも東海中に合格した生徒の方が多い」という現象については少し違和感を感じます。
この現象について考えられるのは
- 名古屋中を受験せずに東海中を受験した
- 名古屋中は不合格だったが東海中は合格だった
という2パターンで、このどちらかが多数発生した際に出てくる事になると思います。
後者のパターンは相当レアなので、前者のパターンが多かったと思われます。
前者のパターンに関しては、「生徒のレベルが相当高い」「他地区からの遠征受験」のどちらかだったと考えるのが自然でしょう。
このお話に関しては、”生徒のレベルが相当高く、名古屋中を受験しない層も居る”という情報提供をいただきました。
私もすっかり失念していたのですが、馬渕教室には灘中合格を主眼に置いた”NKクラス”という類のクラスが設置されており、名古屋地区では千種校で開設されています。
このクラスの生徒は、名古屋在住ではあるものの、本気で灘合格を目指す子が大半で、「東海は滑り止め」に近い扱いだそう。
ちょっとハイレベル過ぎて想像し辛いですが、こういう層の場合「東海中は受験するが、名古屋中は受験しない」ということも普通にあるそうです。
ちなみに、馬渕教室だけでなく、浜学園でも名古屋校で「日曜特訓前期〈灘コース〉」というのが設置されているように、似たような層の生徒が一定数在籍しているクラスが用意されています。
もちろん、「他地区の最難関校受験クラス」は大手4塾には必ず設置されていますが、どの塾も設置されている校舎(生徒数)はかなり限られており、校舎数(生徒数)がまだ少ない馬渕教室・浜学園はこういった最難関校を目指す生徒の割合が高い傾向にあるのだと思います。
なお、遠征受験に関しては”あまり積極的でない”というお話も聞きましたが、”関西エリアの”合格体験記に掲載されている受験生の合格校のリストを見ると、全くゼロというわけでもなさそうです。
(各地区の最難関を取りたい、という本人の意思で受けている可能性もあります)
引用元:馬渕教室関西エリア2025年合格体験記より
もちろん、他地区に拠点を持つ他塾(日能研・浜学園)でも遠征受験が存在する可能性はあります。
何が言いたいか分からなくなってきましたが、要するに
「単純な合格数比較だけで”塾の優劣や”東海地区への対応ができているか”を考えることはできない」
という事を頭に入れておいた方が良い、という事です。
個人的には、合格実績だけなく、各塾の説明会に足を運び、保護者・受験生ともに納得できる塾を選んだ方が最終的に納得できる受験になると思っています。
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以上、今回は
[2025年]大手中学受験塾の合格実績推移(男子校編)
についてご紹介しました。
今回の表題画像はAIが考える
「日本人小学生に対し、熱心に算数の講義を行っている学習塾の日本人講師の様子」
(A Japanese instructor at a cram school is enthusiastically giving a math lecture to Japanese elementary school students.)
です。
まぁ、遠からずという感じなんですが、よく見るとスライドの文字が読めませんw
次回は南山女子等の女子校編をご紹介する予定です。
皆様の参考になれば幸いです。










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