先日の記事で、
「名古屋の公立中の中学生の学力は他の都市と比べてどうなのか?」
というのをご紹介しましたが、
“関東は上位層が中学受験で抜けるので平等じゃあない!”
というご意見を頂いたので、今回は
「名古屋の公立小の小学生の学力は他の都市と比べてどうなのか?」
というところを見ていきたいと思います。
使用するデータと分析内容について
使用するデータと分析内容は中学生の分析とほぼ同等ですが、数字が独り歩きしても良くないので、前提を改めてご紹介します。
使用するデータ
使用するデータは
「令和6年度 全国学力・学習状況調査」
を使用します。
前回は英語も比較したかったので、令和5年版を使用しましたが、小学生の調査では令和5年版でも英語は調査対象ではないで、最新版の令和6年版を使用する事にしました。
なお、全国学力・学習状況調査は小学6年生を対象に、数学・国語の試験を行い、教育施策の成果と課題を分析する事を目的にしているものです。
令和6年の小学校向けの調査の場合、
- 国語:14点満点
- 算数:16点満点
のテストとなっています。
また、試験自体は、私立・国立・公立全種類の学校で実施されていますが、今回の分析では、公立小のもののみを使用しています。
分析内容
どう分析するかはなかなか難しいのですが、今回は
- 平均点比較
→各都市の全体的な学力を比較する - 得点率80%以上の生徒の割合
→各都市の上位層の学力を比較する - 得点率20%以下の生徒の割合
→各都市が授業についてこれない生徒をどれだけ出さないか
という3つの視点で分析をしたいと思います。
なお、対象都市は政令指定都市+東京都としました。
公立小の小学生学力比較結果
国語の学力比較
まずは国語の結果を見てみましょう。
全体的な傾向としては、中学生の結果とほぼ同様で、名古屋市の小学生は国語に弱い傾向がある、という感じです。
平均点の比較
平均点を比べると以下のようになりました。
なお、平均点そのものを比べると差が見えづらいので、得点率で表しています。
(例えば、1位のさいたま市・京都市の場合、平均点は10.0点/14点満点で、得点率は71.4%)
引用元:令和6年度 全国学力・学習状況調査より作成
上記の通り、全体感としては、名古屋市の国語の学力は政令指定都市でも下位に来ています。
そのほか、傾向としては関東+京都が上位に来ているのが特徴的。
相変わらずさいたま市が強いです。
なお、全国の公立小の平均得点率が67.9%なので、名古屋市は全国平均を下回っている事になります。
得点率80%以上の生徒数割合比較
この指標は、要するに「80%以上得点できるような優秀な生徒がどれだけ居るか」という分析で、数字が大きい方が優秀です。
国語の場合14点満点なので、今回は12問以上正解した生徒の割合を出しています。
引用元:令和6年度 全国学力・学習状況調査より作成
こちらも名古屋市は芳しくないというのは変わらずワースト4。
しかも上位陣との差が結構開いていますね。
傾向としては京都+関東の都市が強いのは平均得点率と同じです。
なお、全国の値は29.9%なので、この指標でも名古屋市は名古屋市は全国平均を下回っている事になります。
得点率20%以下の生徒数割合
この指標は、要するに「20%も得点できないような生徒を出さない努力を学校側がどれだけしているか」という分析で、数字が小さい方が優秀です。
国語の場合14点満点なので、今回は正解数が3問以下だった生徒の割合を出しています。
引用元:令和6年度 全国学力・学習状況調査より作成
名古屋市はワースト2という感じで、平均や上位の指標よりもさらに悪い、という結果になってしまいました。
特にトップの京都市とは倍以上の差があり、2位と比較しても1.5倍という感じです。
全体的な傾向としては、前2つの指標と傾向が少し異なり、京都・さいたまが強いのは変わらずですが、東京や川崎はそこまで強くありませんでした。
また、全国の値は4.7%なので、この指標でも名古屋市は名古屋市は全国平均を下回っている事になります。
算数の学力比較
次に、算数の結果を見てみましょう。
平均点の比較
平均得点率(平均点)を比べると以下のようになりました。
なお、平均点そのものを比べると差が見えづらいので、得点率で表しています。
(例えば、1位の京都市の場合、平均点は10.9点/16点満点で、得点率は61.9%)
引用元:令和6年度 全国学力・学習状況調査より作成
こちらは、国語とは大きく異なる結果で、名古屋市はトップ5に入っています。
数学に強かった中学生と傾向は同じです。
名古屋市以外の傾向は国語と似ており、京都+関東の都市が上位に入っていますね。
なお、全国の公立小の平均得点率が63.1%なので、名古屋市は全国平均を上回っている事になります。
得点率80%以上の生徒数割合比較
この指標は、要するに「80%以上得点できるような優秀な生徒がどれだけ居るか」という分析で、数字が大きい方が優秀です。
算数は16点満点なので、今回は13問以上正解した生徒の割合を出しています。
引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成
こちらも平均得点率と同様、トップ5に入っています。
その他の傾向も平均得点率と変わらず、京都+関東の都市が上位に入っています。
なお、全国の値は33.7%なので、この指標では名古屋市は全国平均を大きく上回っている事になります。
小学生は京都市が強いですね…
得点率20%以下の生徒数割合
この指標は、要するに「20%も得点できないような生徒を出さない努力を学校側がどれだけしているか」という分析で、数字が小さい方が優秀です。
算数は16点満点なので、今回は正解数が3問以下だった生徒の割合を出しています。
引用元:令和5年度 全国学力・学習状況調査より作成
こちらはこれまでの指標とは異なり、名古屋市は真ん中より下、という結果に。
名古屋市以外の都市の傾向は平均得点率や上位層の分析とあまり変わらないので、名古屋市の特異性が際立ちます。
なお、全国の値は6.7%なので、この指標では名古屋市は全国平均以下という事になります。
まとめ
これまでの結果を考えると、名古屋市の小学生・小学校の学力・教育の傾向は中学校と同じで、
- 国語は若干芳しくない結果で全国平均を下回る
- 算数はかなり優秀で、大都市でも上位に入る
- ただし、算数で芳しくない成績の子どもは明らかに中学校より多い
という感じでした。
最後のポイントは若干気になるものの、
「国語が苦手で算数が得意」
という大まかな方向性は同じと考えて良さそうです。
なお、冒頭で少し触れた”関東は上位層が中学受験で抜けるので平等じゃあない!”という部分に関しては、
「特に川崎と千葉は明確に小学生の方が順位が上だった」
という傾向でした。
関東ではないですが、京都市も明確に小学生の方が高順位でしたね。
====
以上、今回は
名古屋の小学生の学力は他の都市と比べてどうなのか?
をご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。










コメント