今日は名古屋の私立中学校について書きたいと思います。
各学校の詳細はいずれ触れようと思いますが、各学校の位置づけ等をまとめたものがあまり見かけないので、まとめることにしました。
なお、以前書いた進路マップの話でも触れていますが、愛知県/名古屋市の上位私立中学校が共学が少なく、男子/女子で傾向が異なるため、記事も分けることにしました。
今回は男子編です。
※2020年11月11日更新
女子編書きました。
こちらからどうぞ。
※2021年3月31日更新
2021年度の最新偏差値と進学実績との関係をまとめました。
こちらからどうぞ。
学校の選択肢
愛知県/名古屋市の男の子が選ぶことができる私立中学校は以下の通りです。
※1:共学 ※2:愛知県外の学校
- 東海中
- 滝中 ※1
- 南山中(男子部)
- 名古屋中
- 高田中 ※2
- 海陽中
- 愛知中 ※1
- 鶯谷中 ※1 ※2
- 愛知工業大学名電中 ※1
- 中部大学春日丘中 ※1
- 大成中 ※1
計11校あります。
実際には、名古屋から愛知県外の学校へ行くケースはあまり多くはないので、愛知県内に絞れば9校です。
各学校の偏差値について
偏差値って何よ?
偏差値という言葉はよく聞きますが、実はなかなかイメージしづらいですよね。
なので、仮にデータの分布が正規分布(データが平均値の付近に集積するような分布)だとすると、偏差値と順位の関係は以下のようになると覚えておけばイメージしやすいと思います。
【偏差値70~50の順位イメージ】
偏差値70→上位2.28%
偏差値69→上位2.87%
偏差値68→上位3.59%
偏差値67→上位4.46%
偏差値66→上位5.48%
偏差値65→上位6.68%
偏差値64→上位8.08%
偏差値63→上位9.68%
偏差値62→上位11.51%
偏差値61→上位13.57%
偏差値60→上位15.87%
偏差値59→上位18.41%
偏差値58→上位21.19%
偏差値57→上位24.20%
偏差値56→上位27.43%
偏差値55→上位30.85%
偏差値54→上位34.46%
偏差値53→上位38.21%
偏差値52→上位42.07%
偏差値51→上位46.02%
偏差値50→上位50.00%
つまり、10,000人の人が受けたテストの成績分布が正規分布だったとして、288位まで人が偏差値70以上ということになります。
ただし、実際のテストの成績の分布は正規分布にはなり得ないので、あくまでイメージですよ。
偏差値は母数をどこで考えるかで数字が違う
偏差値については中部地区で絞るのか、全国基準なのか色々な考え方があり、各塾によってかなりの差があります。
そのため、全国展開している日能研のR4偏差値をご紹介します。
なお、R4偏差値は日能研で使われる指標で、以下の通り説明されています。
R4偏差値とは合格可能性を示す数値で、偏差値による合格率の各段階(RANGE=レンジ)を示し、『R4=80%、R3=50%、R2=20%』を意味します。
引用元: 日能研公式HP
つまり、合格率80%の偏差値、ということです。
なお、このR4偏差値は「日能研全国公開模試」の結果が反映されているため、全国基準の偏差値です。
そのため、関東地方で開成、麻布といった超上位校を受けるような生徒も含まれた偏差値となります。
また、今回使用するR4偏差値は母数が「日能研全国公開模試を受けた人」となるため、「中学受験をする人のなかでの偏差値」となります。
そのため、仮に偏差値が50を切っていたとしても、全国の小学生の半分より下、というわけではないので注意が必要です。
各学校の偏差値
- 東海中:偏差値59
- 滝中:偏差値59
- 南山中(男子部):偏差値50
- 名古屋中:偏差値51
- 高田中:偏差値50
- 海陽中:偏差値49
- 愛知中:偏差値43
- 鶯谷中:偏差値40
- 愛知工業大学名電中:偏差値40
- 中部大学春日丘中:偏差値40
- 大成中:偏差値38
具体的な数字で言えば上記のような感じです。
いわゆる名門、といわれる東海中学で全国偏差値は59で、目安としては全国の上位18%前後に入っていれば合格率80%といったところでしょうか。
これをどう捉えるか、は難しいところではありますが、一度日能研の全国テストを受けてみるとイメージがしやすいかもしれません。
実は日能研のテストは2年生から無料で受けられるので、イメージをつけるためにも受けてみるのも良いかもしれません。
なお、最も多いパターンとしては、
愛知中(1月18日)→名古屋中(1月25日)→南山男子or東海中(2月1日)→滝中(2月2日)
という流れが多いのではないでしょうか。
(※括弧内な2019年度の受験日)
各学校の概要
ここからは上記5校+比較的新しい海洋中の概要をご紹介します。
東海中学校
【所在地】
名古屋市東区筒井一丁目2-35
【交通アクセス】
地下鉄桜通線車道駅下車1番出口徒歩10分
地下鉄東山線千種駅下車1番出口徒歩15分
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
男子校
【1学年の人数】
360名
※高校から40名程度募集あり
【進路】
東京大学:26人
京都大学:43人
名古屋大学:55人早稲田大学:63人
慶應義塾大学:38人
上智大学:5人
明治大学:59人
青山学院大学:16人
立教大学:8人
中央大学:42人
法政大学:29人引用元: 東海高校公式HP令和2年度実績
【その他】
愛知県内男子のトップ校で仏教系。
愛知県内で東海出身といえば「頭いい!」と殆どの場合言われる。
進学実績も他と比べるとやはりハイレベル。
毎年試験日が南山男子と同日に行われるため、南山男子併願はできない。
滝中学校
【所在地】
愛知県江南市東野町米野1番地
【交通アクセス】
名鉄バス 滝学園前、滝学園口
名鉄江南駅より徒歩約20分(1.5km)
名鉄布袋駅より徒歩約30分(2.0km)
具体的には、名駅から江南駅まで行くとして、名鉄の急行で24分かかる。
そこから徒歩かバスを使うことになる。
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
共学
【1学年の人数】
250名程度
※高校から110名程度の募集あり
【進路】
東京大学:6人
京都大学:17人
名古屋大学:25人早稲田大学:48人
慶應義塾大学:22人
上智大学:4人
明治大学:34人
青山学院大学:11人
立教大学:6人
中央大学:19人
法政大学:16人
【その他】
愛知県内共学校のトップ校。
愛知県内で滝出身といえば「頭いい!」か「遠いところへ行って大変だったね」と言われることが多い。
敷地は広いが、交通アクセスを見てもらえば分かる通り、通学にかなり時間がかかるケースが多く、名古屋市内からここへ通うにはある程度の覚悟が必要。
南山中学男子部
【所在地】
愛知県名古屋市昭和区五軒家町6番地
【交通アクセス】
地下鉄鶴舞線いりなか駅下車2番出口より徒歩3分
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
男子校
※男女別学のため女子部とは別校舎
【1学年の人数】
200名程度
※高校からの募集はなし
※付属小学校からの進学者あり
【進路】
東京大学:1人
京都大学:4人
名古屋大学:15人早稲田大学:18人
慶應義塾大学:7人
上智大学:13人
明治大学:13人
青山学院大学:5人
立教大学:8人
中央大学:13人
法政大学:16人引用元: 南山高校公式HP「2020年度進学状況」
【その他】
愛知県内男子校の2-3番手のカトリック系学校。
愛知県内で南山男子出身といえば「良いところの子だねぇ」とか「南山って男子部あったの?」と言われることが多い。
悲しいことに私立中学校(女子)のトップに南山女子があるため影が薄い。
立地は名古屋市内からアクセスが良く、通いやすい。
東海とは全く校風が異なり、私服であることもあって成績上位でも「絶対南山に入りたい」という子もいる。
(愛知県内で私服である有名校は南山男子と旭丘高校が有名。ちなみに、女子部は制服。)
なお、過去には私服化は生徒会からの提案が発端であったほど生徒会活動が盛んであった。
ちなみに、女子部とは合同行事が中学の入学式と高校の卒業式ぐらいしかないほど交流がない。
スポンサーリンク
名古屋中学
【所在地】
愛知県名古屋市東区砂田橋二丁目1-58
【交通アクセス】
名古屋市営地下鉄名城線砂田橋駅3番出口すぐ
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
男子校
【1学年の人数】
240名程度
※高校から230名程度の募集あり
【進路】
東京大学:0人
京都大学:5人
名古屋大学:14人早稲田大学:16人
慶應義塾大学:9人
上智大学:4人
明治大学:33人
青山学院大学:14人
立教大学:15人
中央大学:23人
法政大学:24人
【その他】
愛知県内男子校の2-3番手のプロテスタント系学校。
かつては名古屋学院中学校・名古屋学院高等学校と言われていたが、2000年に現在の名前に(もとに戻した)。
名中(なちゅう)・名高(なこう)といえば名古屋の高齢者にも間違いなく通じる名門。
名古屋市内からの交通アクセスは最も有利で、駅直結。
文武両道のイメージがあり、実は高校からスポーツ推薦をとっている愛知では珍しい進学校。
東海・南山男子と併願可能なこともあり受験者数は非常に多い。
海陽中等教育学校
【所在地】
愛知県蒲郡市海陽町三丁目12番地1
【交通アクセス】
最寄駅「三河大塚駅」から徒歩約20分
※「三河大塚駅」へは名古屋駅から快速利用、蒲郡駅にて乗り換え、約50分
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
男子校
【1学年の人数】
120名程度
【進路】
東京大学:14人
京都大学7人
名古屋大学:5人早稲田大学:23人
慶應義塾大学:10人
上智大学:0人
明治大学:10人
青山学院大学:6人
立教大学:7人
中央大学:18人
法政大学:7人
【その他】
2006年開校の全寮制学校。トヨタ自動車や東海旅客鉄道、中部電力などの中部地方の有力企業が中心となり設立された。
イギリスのイートン校をモデルにしており、他の学校と比べるとかなり異質。
進学実績は人数を考えるととても良いが、寮生活はルールがかなり厳しいと度々話題になり、退学者も多いそう。
あまり情報が出てくることは多くないが、進学を検討するなら充分に調べてからのほうが良さそう。
愛知中学
【所在地】
愛知県名古屋市千種区光が丘2丁目11番41号
【交通アクセス】
名古屋市営地下鉄名城線自由ヶ丘駅より徒歩15分
名古屋市営バス 光が丘バス停より徒歩3分
【公式HP】
こちらです
【男子校・共学】
共学
【1学年の人数】
160名程度
※高校からの募集あり(400人程度)
【進路】
東京大学:0人
京都大学0人
名古屋大学:7人早稲田大学:10人
慶應義塾大学:2人
上智大学:0人
明治大学:19人
青山学院大学:20人
立教大学:8人
中央大学:18人
法政大学:10人
【その他】
2004年に中学校男女共学化した名古屋では貴重な仏教系共学私立中学校。それまでは男子校だった。
実は愛知県の私立女子高が相次いで高校からの入学を停止したため、女子にとっては高校から入れる私立高校としては上位に入る。
上記の進学実績には書いていないが、関西の私立上位大学への進学実績が多く、令和2年では関西大学16人、関西学院大学12人、同志社大学27人、立命館大学65人となっている。
以上、名古屋の私立中学校概要紹介男子編でした。
皆様の参考になれば幸いです。
コメント