今回はマンションの戸建てや設備の話でカーテンレール編です。
マンションや一戸建てのモデルルームやレビュー記事を見てると、設備仕様が高いとか低いとかそういう話、出てきますよね。
今回はそのなかでカーテンレールの話を少し書こうと思います。
【これまでに書いた住居設備の記事】
トイレ
カーテンレール(※今回)
カーテンレールの種類とランク
カーテンレールの場合はハッキリとランク分けするのが難しい場合もあるのですが、ランクが高い順に下記の順番と考えられています。
天井埋め込みのカーテンボックス
↓
カーテンボックス
↓
カーテンレールむき出し
(例外)
装飾カーテンレール
それぞれあまり想像がつかないかもしれないので、ひとつひとつ説明します。
それぞれのカーテンの特徴
天井埋め込みのカーテンボックス
画像をご覧いただければ分かる通り、「天井の一部を折り上げてそこにカーテンレールをつける」か、「カーテン上部の一部に仕切りを付ける」かのどちらかにより、カーテンを開けていてもカーテンレールが見えない状態にしてあるものが該当します。
当然、天井の一部を折り上げるか仕切りをつけるかどちらを採用するにしてもコストがかかってきます。
そのため、賃貸マンションでは採用されることは少なく、分譲マンションでもグレードの低いマンションでは採用されないことすらあります。
===メリット===
- カーテンが壁一面に配置されるので部屋が広く見える
- 遮光カーテンを使えば部屋を真っ暗にすることができる
- カーテンレールが見えないので高級感が出る
===デメリット===
- コストがかかるため物件価格が高くなる
- 長いカーテンが必要なためカーテン代が高くなる
とくに、部屋が真っ暗になるか否かは寝室では重要です。
カーテンボックス
これは、カーテンレールを設置するためのボックスを設置しているものが該当します。
===メリット===
- ボックスの上に写真等を飾ることができる
- 遮光カーテンを使えば部屋を真っ暗にすることができる
- 折り上げ仕様に比べればカーテン代は安価で済む
===デメリット===
- 折り上げ仕様に比べれば高級感が落ちる
- ホコリが溜まるので掃除が大変
マンションではあまり見ない設備ですが戸建ての場合使っているケースもあります。
カーテンレールむき出し
これは、壁に直接カーテンレールを付ける方法で、最も安価だと言われています。
===メリット===
- 安価である
- 掃除等のメンテンスが楽
- カーテン代は安価で済む
===デメリット===
- 見てすぐ安価な仕様であることが分かってしまう
- 部屋を真っ暗にすることは困難
安いこと以外はあまりメリットはなく、ワンルームや賃貸でよく見る仕様ですね。
後述のしますが、共用廊下に面した寝室がこの仕様である場合は注意が必要です
装飾カーテンレール
これはマンションにはほとんど見られない仕様で、カーテンレール自体を「魅せる」ために設置しているものです。
===メリット===
- カーテンレールでオシャレ感を演出することができる
- レールの選び方によっては安価に高級感を出すことができる
===デメリット===
- センスが問われ、カーテンとの組み合わせも吟味する必要がある
- ものによっては非常に高価になってしまうこともある
- 部屋を真っ暗にすることは困難
何を気をつけるべきなのか
ここまで見ると、「ハイグレード仕様と見せたい見栄なのか?」と思われてしまいそうですが、それだけではないです。
例えば外廊下のマンションの場合、下記のような間取りが多いと思います。
上記間取りの洋室1と洋室2は共用廊下に面していますが、寝室として使われるケースが多いと思います。
この場合に、上記で説明した「カーテンレールむき出し」や「装飾カーテンレール」タイプの場合、真っ暗な部屋で眠るのは困難だと考えたほうが良いです。
というのも、共用廊下の明かりは防犯上の問題もあるため、夜中もある程度の明るさを保っています。
しかし、「カーテンレールむき出し」や「装飾カーテンレール」タイプの場合、カーテン上部が開いているため、部屋を真っ暗にすることは出来ず、更に人が通るたびに光が揺らぐといったことも起きます。
もちろん、「そんなこと気にしない」という方も居るかと思いますが、将来的な資産価値を考えたら、このような仕様でない方が有利なのは間違いないです。
そして、モデルルーム等を訪問したときには下記の項目を見ると良いかと思います。
- リビングダイニング以外のカーテンはむき出し仕様でないか
→リビングダイニングだけ上位仕様になっているケースがあります - モデルルームの仕様はオプションや改造ではないのか
→モデルルームはオプション盛々なので確認が必要
実は、名古屋の人気住宅地で(ここに入っているような)大手~中堅デベロッパーが供給していた5,000万円超の角部屋で、リビングダイニングのベランダに出るメインのカーテンだけ天井埋め込みのカーテンボックスで、キッチン横の小窓、寝室の窓は全てむき出し仕様という物件に遭遇したことがあります。
この物件は角部屋ではあったものの、寝室は共用廊下に面していたため、やはり夜間の明かりは気になっていた可能性が高いです。
こういう細かい仕様は知識があるうえで意識してモデルルームを見ないと気づかないものです。
また、昨今のマンション(建築費)高騰にの影響によりどんどんコストダウンが進んでいる現状では、仕様のグレードを下げるターゲットとしては選ばれやすい箇所ではないでしょうか。
むき出しパターンの対処法はないのか
例えば、非常に気に入ったマンションの寝室のカーテンレールがむき出しパターンだった場合、何も出来ないか、と言われればそうではありません。
もちろん、天井埋め込みのカーテンボックスに変更してもらうのはかなり無理がありますが、カーテンボックスにオプションでしてもらう相談はする価値はあります。
そしてどうしても無理だった場合、こういう商品もあるのです。
この商品は、むき出しパターンのカーテンレールをカバーで覆って、ほぼカーテンボックスの仕様と同じようにすることができるものです。
もちろん、サイズ等の条件もあるため、あらゆる状況で使えるものではないですが、覚えておくと良いのではないでしょうか。
皆様の参考になれば幸いです。
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