「フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義」 備忘録 -Part01-
最近、巷で使われるようになった「フードテック」という言葉。多少なりとも食に携わる者として、遅ればせながら学んでみようと思いました。
フードテックとは
フードテックとは、文字通り、フード(Food)とテクノロジー(Technology)とを掛け合わせた言葉で、最先端の科学的視点や、進化し続ける情報テクノロジーを使って、食分野全体にイノベーションを起こそうという一大ムーブメントの総称です。
食にまつわる様々な事柄は、まだまだ、どちらかというと旧態依然とした経験則や風習が色濃く残る分野です。
例えば、料理の美味しさは、料理人の舌と腕によって決まりますし、レシピには分量が書いてありますが、実際に計量や検温を厳密に行って調理することは稀です。
一般的に農作物を作るということは、農家の人々が今までの経験、すなわち、土壌の手触りや時として味覚、季節の空気感や天候などを加味しながら土地を耕し、試行錯誤を繰り返しながら育て、交配し続けるということでしょう。
スーパーやコンビニには商品が溢れていますが、消費者は自分ですべてを選ばなければならず、(主に今までの購買行動、または、作ることができるレシピからの逆算)、組み合わせによるカロリー・栄養バランスの最適化や、新たな食材・メニューを簡単に発見することが非常に難しくなっています。
そして、いざ、ご家庭で料理をする段になると、料理することを「楽しいものである」と感じている人は、どれほどいるのでしょうか?
上記の点は、ある意味、問題点ではなく、個性・こだわりの部分であり平準化の必要はない、という意見もあるでしょう。
しかしながら、ITの進化・普及により、昔ながらの平準化ではない、それぞれの人・場所・ライフスタイルに合った平準化が可能になった現在、食文化に積極的にテクノロジーを導入していくということは、時代の要請でもあるように思います。
そんな中、今回読んでみた本はこちらです。
田中宏隆氏、岡田亜希子氏、瀬川明秀氏 著/外村仁氏 監修
日経BP 発刊

本の構成としては、序章と結びを除いて全10章、約400ページとボリューム感があり、内容は大変多岐にわたりっています。
序 章 フードテック革命に「日本不在」という現実
第1章 今、なぜ「フードテック」なのか
第2章 世界で巻き起こるフードイノベーションの全体像
第3章 With&アフター時代のフードテック
第4章 「代替プロテイン」の衝撃
第5章 「食領域のGAFA」が生み出す新たな食体験
第6章 超パーソナライゼーションが創る食の未来
第7章 フードテックによる外食産業のアップデート
第8章 フードテックを活用した食品リテールの進化
第9章 食のイノベーション社会実装への道
第10章 新産業「日本版フードテック市場」の創出に向けて
おわりに 改めて思う「日本はすぐ動かねばならぬ」
2020年7月29日に刊行されて以来、ベストセラーで増刷されているようなので、ご存じの方も多いかと思います。
内容は、非常に興味深く、かつ、知らない知識や分野が多く、とても勉強にもなった本でした。
とはいえ、正直、未知の領域がかなり多かったので、次回から各章ごとに、簡単ではありますが備忘録を作成しようと思います。
全文が気になるようでしたら、ご購入をお勧めしますよ。
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