さて、今日は最近たまにやっている”名古屋でよく言われているけど本当なのか確認してみよう”シリーズです。
表題の通り、名古屋では、
「名東区は転勤族が多い」
といったように、特定の地区で転勤族が多い、という話をよく聞きます。
果たしてこの話は本当なのか、統計データから確認してみました。
使用データについて
使用データは、
「住民基本台帳人口移動報告」
および
「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」
の年次報告を使用しました。
この統計データの中にある、
- 名古屋市の各区の2021年1月における5-14歳(子ども)の人口数
- 名古屋市の各区の2021年における5-14歳(子ども)の転出数
- 名古屋市の各区の2021年における5-14歳(子ども)の転入数
のデータを使って、
「小中学校の子どもの増減割合が激しいのはどこか?」
という事を確認します。
最初は絶対数だけで見ようかと思ったんですが、それだと各区の広さや元々の人数、供給されている住居数等の影響でフェアな比較ができないので、割合をメインとしました。
ちなみに、各区の転入者数、転入者数は(100%の自信があるわけじゃあないですが)データを見た感じ、名古屋市内で移動した数は入っておらず、名古屋市外への転出、名古屋市外からの転入がカウント対象になっていると思われます。
また、厳密に言えば一部未就学児の人数が入っていますが、これは統計上区切りがこのカテゴリしかなかったため5-14歳の数字を採用しています。
名古屋市各区の転入者数、転出者数割合比較
本題の分析結果をご紹介します。
その前に、割合の母数となっている2021年1月時点の各区の子ども(5-14歳)の人数をご紹介しておきます。
出典:住民基本台帳人口移動報告および
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査より作成
前述の通り、絶対数は区の広さ等に影響を受けるため、この数字だけで多い少ないを評価するべきではないのですが、それでも各区の子どもの数の差は思ったよりも大きいですね。
転入者数
簡単に言えば、「転校生がどれだけの割合で来るか?」というお話で、100人居たところに10人入ってきたなら10%といった数字感です。
出典:住民基本台帳人口移動報告および
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査より作成
上記を見ると、千種区、名東区あたりは世間で言われている通り、入ってくる子どもの割合が高いです。
逆に割合で見ると、中区などイメージではあまり高くなさそうなところも上位に来ていますね。
参考として、転入者数そのものもグラフ化してみました。
こちらはイメージ通りで、名東区、千種区の転入数が特に多く、子どもの転入者数の約1/4が名東区、千種区に入っている事になります。
出典:住民基本台帳人口移動報告および
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査より作成
ちなみに、来年入居が開始される予定のNAGOYA the TOWERは中村区で、現状そこまで転入数割合、転入数そのものは大きくないですがココがどう変化するかは注目ですね。
転出者数
こちらは、イメージとしては「クラスの友達がどれだけ転校していくか?」というお話。
結果は以下の通りとなりました。
出典:住民基本台帳人口移動報告および
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査より作成
意外な事にトップは中区で、その下に転出入が多いと言われる名東区や千種区が来ています。
これは、上でご紹介した元々の人数が少ない事の影響があり、少し上ブレすると割合としては高くなるためだと思います。
しかし、中区の子どもはは約4,000人しかいないにも関わらず、約300人が出ていったと考えると、結構動きが激しい年だったのは間違いないと思います。
こちらも転出者数そのものもグラフ化してみました。
出典:住民基本台帳人口移動報告および
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査より作成
こちらはさらに名東区が2位の千種区よりも頭一つ抜けている感じになっていて、このあたりも「名東区は転勤族が多い」というイメージの裏付けになっています。
まとめ
以上から、
- 名古屋の人が言っている転勤族が多いエリアはデータからも正しいことが確認できた
- 一方で中区など、転入、転出割合で見るとあまり転勤族が多いと言われないエリアも上位に来ている
- 現状絶対数・割合ともに下位の区も、NAGOYA the TOWERのような大規模開発によって変動する可能性がある
という事が分かりました。
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以上、今回は
名古屋で転勤族が多い地区はどこ?
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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