今日は少しだけ趣向を変えて、
このサイトが中学受験を多く紹介している理由
を書こうと思います。
以前も別の記事で少し書いた気がしますが、今後またどこかで触れることになると思うので1つの記事にすることにしました。
中学受験を強く勧めているわけではない
当サイトではよく中学受験の内容に触れていますが、実は私個人としては中学受験を強く勧めているわけではないです。
では、なぜ中学受験の内容に多く触れているかというと、
- 愛知県の公立高校受験は万人に向いている制度ではない
- 名古屋では中学受験がメジャーな選択肢ではなく、中学受験という選択肢もあるという事を知ってほしい
の2点が理由です。
愛知県の公立高校入試は万人に向いている制度ではない
近年、愛知県の公立高校入試はルールが変わり、多少緩和されてきているとはいえ、基本的には
「全ての教科をそつなくこなせる快活な優等生」
が愛知県の公立トップ高校で求められている人物像であると言え、向いている子、向いていない子がハッキリと出ます。
ざっくりと言ってしまうと、
- 運動や芸術が苦手なタイプ
- 得意科目と苦手科目の差が大きいタイプ
- 引っ込み思案で奥手なタイプ
は公立高校入試では不利になってしまう傾向がある、というのが実情です。
これは、
- 体育・音楽・美術・技術家庭の実技4教科も評価に入る
- テストの点数だけで評価が決まるわけではない
というのが理由です。
体育・音楽・美術・技術家庭の実技4教科も評価に入る
詳細は以下の受験ルールの記事をご確認いただければと思いますが、内申点はメイン科目である国語、数学、理科、社会、英語の5科目に加え、体育・音楽・美術・技術家庭の実技4教科も評価に入ります。


内申点は普通科の場合は上記9科目は平等に扱われ、上記9教科を5段階評価で評価し、その合計を2倍(9教科x5段階x2倍=90点が最高得点)して得点となります。
今年からルールが変わり、公立高校のトップ校の合否は概ね
入学試験110点x2倍 + 内申点90点 = 最高310点
の合計点数で判断されるため、概ね3割が内申点となります。
以前の4割よりは比率が下がりましたがそれでも3割です。
そして、志望校を選ぶ際には各校の過去の内申点状況を参考にするわけですが、以下のようになっています。
※◯のプロットが合格者の内申点平均値、棒グラフ部分が最大値と最小値の範囲を表す
※順番は愛知全県模試合格者平均偏差値上位順
※上記グラフの内申点は2倍する前の45点満点としている出典元:2021年愛知全県模試 追跡調査NEXT STAGEより
今年からルールが変わるため、多少変動があると思いますが、上位校に合格するためには9教科x5段階の合計が40以上は当たり前、というかなり厳しい状況になっています。
イメージとしては全教科4以上の評価が当たり前で、5の評価も半分以上必要、という感じでしょうか。
また、評価は絶対評価でつけられ、「できる子は評価5が当たり前」という状況でもあるので、苦手科目があると挽回するのが難しい状況でもあります。
つまり、少なくともメイン5科目は不得意科目を作ってはいけないという状況なのは間違いないと言えます。
さらに、冒頭で申し上げた通り、体育・音楽・美術・技術家庭の実技4教科も含まれており、「評価4以上」と取るにはある程度運動ができないと体育は厳しいですし、音楽的・美術的センスも問われます。
テストの点数だけで評価が決まるわけではない
ここが結構やっかいなところで、基本的に内申点はテストの点数だけでは決まらない事になっています。
今年の春に中日新聞の記事になっていましたが、公立中の校長によると、内申点は以下の基準があると言われています。
教科ごとに「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三つの観点で、授業の目標に到達できているかを3段階で評価。それを踏まえて5段階の評定を付ける。
引用元:中日新聞2022年3月28日「<ユースク> 内申点って高校受験でいるの?」より
つまり、テストの点数である知識・技能だけではない部分も評価される、という事です。
上記記事にはこのテストの点数以外の部分について、
授業で手を挙げたり、ノートをきちんと出したりといった分かりやすい見た目で判断してしまう先生もいる
引用元:中日新聞2022年3月28日「<ユースク> 内申点って高校受験でいるの?」より
という言及がありました。
また、様々な塾が書いている内申点対策を見ると、
- 授業中の態度(背筋を伸ばす等の姿勢)
- 字のキレイさ
- 授業中の積極性(手を挙げる)
- 授業後に質問に行く
といった内容が当たり前のように書いてあることが多いです。
実際に公立高校受験に関係する口コミを見ると、
テストで同じ点数だったが評価点が違っていた
というパターンが散見されるうえ、理由が全くわからない、説明を求めてもハッキリした答えが返ってこない、という状況となってしまう事もあるそうです。
教員の方々も人間なので、各生徒と「合う」「合わない」はあるでしょうし、印象に残りやすい生徒が高評価になりやすいのは仕方がない面もあると思います。
どちらにしろ、品行方正かつ積極的な子が有利である事は間違いなく、どうしても引っ込み思案で奥手なタイプ不利なルールだと言えるのではないでしょうか。
中学受験はどうなのか
中学受験は
- 国語・算数・理科・社会の4教科で判断される
- 満点が出るような試験ではなく不得意科目と得意科目でカバーすることが可能
といった感じです。
中学受験の算数は少し特殊な内容もあるので、高校受験とは違った意味で向いている、向いていないはあると思いますが、授業態度や字のキレイさ、その子の特性(引っ込み思案等)は関係なく、テストの点数で平等に評価される、というのが特徴です。
もちろん、遊びたい盛りの小学校4-6年の間に集中的に勉強できるか、という集中力という観点からも、向いている、向いていないは分かれると思います。
国語・算数・理科・社会の4教科で判断される
基本的には東海地区の中学入試場合は、
- 国語・算数・理科・社会の4教科が平等に扱われる
- 国語・算数の点数割合が大きい(1.5倍程度)
のどちらか、といった感じです。
一部の学校では面接が課される場合がありますが、基本的にはこの4教科のテストが判断基準としては大部分を占めます。
ある意味、努力した結果が反映されやすい平等な試験だと言えます。
不得意科目と得意科目でカバーすることが可能
中学入試では大人でも解けないような難問が含まれていることが多く、満点が出るようなテストではないことがほとんどです。
逆に言えば、得意・不得意で点数差が出やすいテストである、という事が言えるため、仮に不得意科目があっても、得意科目があれば充分挽回することが可能なテストになっています
中学受験という選択肢があることをもっと知ってほしい
以前、記事にしましたが、愛知県の中学受験率は高くはなく5%程度という状況です。
一方で、以下の通り、愛知県の公立高校・中高一貫私立校の大学合格実績はどちらが圧倒的という事はなく、どちらにも良い進学実績を残している学校があります。

つまり、進学実績の面で言えば、
愛知県は公立高校受験・私立中学受験のどちらを選んでも良い学校がある
環境であり、選択肢が存在する恵まれた環境であると言えます。
もちろん、中学受験にも金銭的な問題や、向いている、向いていないはあります。
だからと言って、上記の通り公立高校受験も中学受験と同様に向いている、向いていないはあるので、
最初から中学受験という選択肢を考えないのはもったいない
ですし、
大事なのは選択肢があることを認識し、検討した上で決める事
だと考えています。
以上のような想いがあり、当サイトでは
「中学受験という選択肢もあるよ」
という事を示すために、少し多めに中学受験情報を書いているのです。
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以上、今回は
このサイトが中学受験を多く紹介している理由
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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