2022年の実績がほぼ出揃ったので数回に分けてご紹介します。
今回は男子(男子校+共学校)編です。
その他の2022年の進学実績記事は以下の通りです。
【医学部進学実績編】

【私立女子編】

【公立高校編】

【公立と私立の比較】

各校のR4偏差値について
偏差値について
最近書いていなかったので偏差値についておさらいです。
偏差値と順位のイメージ
偏差値という言葉はよく聞きますが、実はなかなかイメージしづらいですよね。
なので、仮にデータの分布が正規分布(データが平均値の付近に集積するような分布)だとすると、偏差値と順位の関係は以下のようになると覚えておけばイメージしやすいと思います。
【偏差値70~50の順位イメージ】
偏差値70→上位2.28%
偏差値69→上位2.87%
偏差値68→上位3.59%
偏差値67→上位4.46%
偏差値66→上位5.48%
偏差値65→上位6.68%
偏差値64→上位8.08%
偏差値63→上位9.68%
偏差値62→上位11.51%
偏差値61→上位13.57%
偏差値60→上位15.87%
偏差値59→上位18.41%
偏差値58→上位21.19%
偏差値57→上位24.20%
偏差値56→上位27.43%
偏差値55→上位30.85%
偏差値54→上位34.46%
偏差値53→上位38.21%
偏差値52→上位42.07%
偏差値51→上位46.02%
偏差値50→上位50.00%
つまり、10,000人の人が受けたテストの成績分布が正規分布だったとして、288位まで人が偏差値70以上ということになります。
ただし、実際のテストの成績の分布は正規分布にはなり得ないので、あくまでイメージですよ。
R4偏差値とは?
下でも書いていますが、「R4偏差値」というものをよく耳にするかと思いますが、R4偏差値は日能研で使われる指標で、以下のように説明されています。
R4偏差値とは合格可能性を示す数値で、偏差値による合格率の各段階(RANGE=レンジ)を示し、『R4=80%、R3=50%、R2=20%』を意味します。
引用元: 日能研公式HP
つまり、「R4偏差値=合格率80%の偏差値」ということです。
なお、このR4偏差値は「日能研全国公開模試」の結果が反映されているため、全国基準の偏差値です。
そのため、関東地方で開成、麻布といった超上位校を受けるような生徒も含まれた偏差値となります。
また、今回使用するR4偏差値は母数が「日能研全国公開模試を受けた人」となるため、「中学受験をする人のなかでの偏差値」となります。
そのため、仮に偏差値が50を下回っていたとしても、全国の小学生の半分より下、というわけではないので注意が必要です。
各校のR4偏差値推移と2023年の予想R4偏差値
これまでの各校の偏差値と、日能研が定期的に発表している予想R4偏差値の推移をまとめました。
現時点での予想R4偏差値は、以下のようになっています。
- 東海中:偏差値60
- 滝中:偏差値60
- 南山男子:偏差値50
- 名古屋中:偏差値50
- 愛知中:偏差値43
- 愛工大名電中:偏差値42
- 中部大春日丘:偏差値42
引用元:日能研ホームページ「予想R4偏差値2022年5月版」より
また、2013年以降のR4偏差値推移と、上記予想R4偏差値をまとめると以下のようになり、22年→23年の変化としては、
- 偏差値50以上の学校は横ばい
- 愛知中は45→43へ下がる
- 愛工大名電・中部大春日丘は43→42へ下がる
といった予想になっています。
引用元:日能研ホームページ「予想R4偏差値2022年5月版」および過去の公表データより作成
2022年に実施された中学入試では、特に愛知・愛工大名電・中部大春日丘の上昇が顕著でしたが、今年は若干偏差値が下がると予想されています。
共学人気が高まっている昨今の状況で予想通り偏差値が下がるのか注目です。
2022年の大学進学実績比較
2022年に行われた入試(22年の年明けの入試→22年4月入学の入試)の実績が概ね揃いましたのでご紹介します。
なお、以下の点が昨年分との違いや注意点となっておりますのでご留意いただきご確認ください。
- 今回から生徒100人あたりの合格数のみをまとめた
- 東海中の実績はHPでの公式発表がまだ無いので、サンデー毎日増刊の数字を使用
- 名古屋中以外の学校は、算出の母数となる生徒数は公表されている実数で再計算を実施
→これまでは入学者に準じた数字を使用(名古屋中は数字が非公表なので240人とした) - 上記変更の関係で、比較している21年の実績数値が以前作成したものと少し異なる(精度が上がった)
- 東海・滝以外は中学受験組の実績を使用(南山男子は高校入学がないので公表数字がそのまま中学受験組の数字)
- 愛工大名電の中学受験組の実績発表はまだ無いので、後日追加予定
東大・京大の合格数実績
東大・京大の合格数実績は以下のようになりました。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
やはり、東大・京大の実績は東海が圧倒的で、2位の滝と比較しても差が大きいです。
また、東海と滝以外の学校は東大・京大への進学者は多いとはいえず、上位2校との差が明確に出ています。
名古屋大学の合格数実績
今回から名古屋大は単体で可視化してみる事にしました。
結果は以下の通りです。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
東大・京大と基本的な傾向は似ており、東海と滝がそれ以下を大きく引き離しています。
また、春日丘の実績がかなり特徴的で、前述のR4偏差値を考えると、6年間でかなり学力を伸ばしている事がわかります。
もちろん、これは「部活が禁止」といった、かなり勉強の比重が大きい春日丘の啓明コースの特徴的なカリキュラムの結果とも言えるので、この結果をどう評価するかは人それぞれだと思います。
東大・京大以外の旧帝大+一工の合格数実績
東大・京大以外の旧帝大(名大、北大、東北大、阪大、九大)と、一橋大、東工大を合算した実績は以下の通りです。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
名古屋大の結果と傾向は同じで、東海→滝→春日丘という順番で合格数が多くなっています。
早慶上理の合格数実績
関東私大のトップ校である早慶上理の合格数実績は以下のようになりました。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
ここでは、南山男子の伸びがかなり特徴的で、昨年と比較して1.5倍超、という結果になっています。
また、上位国公立では奮闘していた春日丘ですが、私立大学では上位の国公立のような結果にはなっておらず、南山男子、名古屋中との差が大きくなっています。
それでも入学時偏差値を考えればすごいと思いますが、どちらかというと、春日丘は国公立志向が強いのかもしれません。
なお、以前ご指摘いただきましたが、東海や滝に関しては、これ以後の学校はメインターゲットではない可能性があるため、その点は頭に入れておいた方が良いかもしれません。
MARCHの合格数実績
関東私大の難関校ではるMARCHの合格実績は以下のようになりました。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
MARCHは名古屋中が伸び率、合格数の両方で強く、滝よりも合格数が多くなっています。
ちなみに、名古屋中はMATCHに対しては15枠以上の指定校推薦枠を持っているので、後述の関関同立も含め、このゾーンの大学を狙うのであれば有力な選択肢になるのではないでしょか。
関関同立の合格数実績
最後は、関西私大の難関校ではる関関同立の合格実績です。
引用元:サンデー毎日増刊 大学入試全記録 2022年度版および説明会の配布資料より作成
ただし、滝、南山男子、春日丘は公式ホームページで公表されている数字を使用
MARCHとは変わって、滝の合格数が相当多くなっています。(滝の生徒がこのゾーンをメインターゲットにしているかは微妙なところですが)
また、南山男子、名古屋中も安定して合格数を出しています。
なお、名古屋中は同志社、関西学院、立命館と特別協定を結んでおり、合計で60枠以上の指定校推薦枠を持っています。
合格実績を見ると、この枠を使い切れていないぐらいなので、この3校を狙うのであれば、相当有力な選択肢になると思います。
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以上、今回は、
2022年 中高一貫私立校の進学実績とR4偏差値(男子編)
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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