前回まで中学受験ネタが多かったですが、今日は名古屋の住宅事情に関するお話です。
名古屋で家探し(住宅購入)の検討をしていると、「戸建てが絶対に優位!」と考えている人に出会うことがあり、その頻度は関東地区に住んでいた頃より格段に多いです。
そこで、
「実際に名古屋におけるマンションと戸建ての割合はどうなっているのか?」
という疑問を解消しよう、というのが今回の目的です。
検証するデータについて
使用するデータ
今回は5年に一度調査が行われている
「住宅・土地統計調査の2018年(平成30年)版」
を使用して検証します。

比較内容
住宅・土地統計調査では、住宅の戸数について、
- 所有状況が持ち家/借家のどちらであるか
- 建物について一戸建/長屋建/共同住宅/その他のどれか
等が別々にカウントされており、これを利用することで名古屋においてマンション割合が高いか低いかを見ることができます。
今回は上記区分データを使って、
- 持ち家か借家かを問わず、マンションの割合はどうなっているか
- 持ち家においてマンションの割合はどうなっているか
の2つを比較してみようと思います。
また、名古屋市だけのデータを見ても多いか少ないか分からないので、マンション割合の政令指定都市+東京23区のランキングを作って比較します。
政令指定都市におけるマンション割合ランキング
全体から見たマンション割合
このデータは、
分子:共同住宅(=マンション)の戸数
分母:市内全戸数
として算出したもので、簡単に言えば、
「賃貸、持ち家を区別せず、全住戸の中でマンションがどれぐらいの割合存在するか」
を算出したものです。
引用元:平成30年住宅・土地統計調査より作成
結果は上記の通り、名古屋は5位となっており、都市規模を考えれば納得の位置に居るのではないでしょうか。
割合イメージとしては、
名古屋では2/3程度がマンションに住んでいる
といった感じで、賃貸・持ち家の区別をしなければ名古屋においてマンション住まいは珍しくない、と言えます。
意外だったのは1位が東京23区ではなく福岡市だったところで、8割弱がマンション、といった結果になっています。
持ち家におけるマンション割合
このデータは、
分子:持ち家における共同住宅(=マンション)の戸数
分母:持ち家全戸数
として算出したもので、簡単に言えば、
「持ち家においてマンションはどのぐらいの割合存在するか」
を算出したものです。
引用元:平成30年住宅・土地統計調査より作成
結果は上記の通り、名古屋は8位となっており、持ち家に絞るとマンション割合は上位の都市とはなっていません。
割合イメージとしては、
賃貸ではない住戸において、名古屋ではマンションは3割程度
といった感じです。
なお、グラフは下記の参考に載せていますが、母数を持ち家ではなく全住戸にすると、持ち家マンション比率は17%となっており、
名古屋の住戸で分譲マンションは1/6程度しかない
と見ることもできます。(持ち家一戸建ては30%)
そう考えると、
「名古屋でマンションを買うのは少数派」
と言われても仕方がないかもしれません。
(参考)詳細な割合データ
参考として、各都市における全戸数から見た
- 持ち家のマンション割合
- 持ち家の戸建ての割合
- 賃貸のマンション割合
- 賃貸の戸建ての割合
を100%積み上げ棒グラフで作ったので載せておきます。
(※数が少ない長屋・その他は戸建ての方に入れて集計してあります)
引用元:平成30年住宅・土地統計調査より作成
上記のグラフを見ると、名古屋の賃貸:持ち家の比率は半々ぐらいといった感じですね。
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近年の傾向
住宅・土地統計調査は5年おきにしか行われないので、データの粒度が荒いですが、1998年から2018年までの名古屋市における
- 持ち家マンション戸数
- 持ち家におけるマンションの割合
の推移を作り、傾向を見てみました。
引用元:各年の住宅・土地統計調査より作成
結果として、人口数が増えているので持ち家マンション戸数が増えているのは当然ですが、
「持ち家におけるマンションの割合も増えている」
という傾向がはっきりと見えます。
今後は人口減少等、これまでとは違った要因も出てきますが、今後もこの傾向は続いていくと思います。
今回は以上です。
皆様の参考になれば幸いです。
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