2021年度の名古屋市予算と子育てについて

今日はあまり面白くない話ですが、名古屋市が出している予算情報から名古屋市が子育てについてどのような姿勢なのか考えてみます。

※2021年5月20日更新
「ナゴヤわくわくプレゼント事業」「ナゴヤ出産お祝いギフト」の続報がでましたのでこちらにまとめました。
ご興味があればどうぞ。

※2021年8月3日更新
「ナゴヤわくわくプレゼント事業」「ナゴヤ出産お祝いギフト」のさらに具体的な内容が判明しましたのでまとめました。

ナゴヤわくわくプレゼント事業の続報2
ナゴヤわくわくプレゼント事業 BABY YELL!について、新たに分かったことを紹介しています。 対象となる児童や案内状の発送時期、商品の内容などをまとめました。
スポンサーリンク

名古屋市の考え方は予算から見られる

正直、見ても面白くないので確認する人は少ないと思うのですが、毎年2月半ばに公表される翌年度の臨時・政策経費予算案を見ると名古屋市がどういった考えを持っているか知ることが出来ます。

2021年度(令和3年度)のの臨時・政策経費予算に関する情報はこちらから確認できますが、慣れていないと何を見れば良いか分からないものになっています。

かなりザックリと流れを言うと、

  • 前年度11月にの臨時・政策経費予算編成の考え方が示され
  • それとほぼ同時期に市の各担当局がやりたいこととその金額を提出
  • その内容について市民からの声を募集(11月下旬~12月中旬)
  • 1月に財政局案が示され、それに対する市民の声を募集し(1月上旬)
  • 2月にの臨時・政策経費予算案と市民の声に対する市の考え方が示される

という感じで、各案には施策とその内容、それに対する予算が書かれています。

結局は市の運営にはお金が必要なので、その流れを見ることで、名古屋市が何を大事にしているか、という事が見える、という形になります。

子育てに関する2021年度予算のトピックス

実際の予算案はこちらですが、長いですし面白くもないので、子育てに関する大きな内容を抜き出してみました。

ナゴヤ出産お祝いギフト

書く前にテレビのニュースになってしまいましたが、やはり一番大きいのは、
「ナゴヤ出産お祝いギフト」
事業でしょう。

これは
今年の4月2日以降に子どもが生まれる市内の世帯を対象に5万円相当の子育て必需品を贈る
という事業で、予算額は約10億円弱をとっており、それなりに予算規模を確保しての取り組みとなるようです。

詳細はまだ発表されていませんが、具体的にはカタログギフトのような形で、受け取る側がある程度品物を選べるような仕組みになりそうです。

子供が生まれたばかりの頃は出費も多いため、こういった取り組みはとても良いと思います。

ちなみに、この事業、もともとは「ナゴヤわくわくプレゼント事業」という名前で予算請求されており、財政局は「市長判断」としていたので、市長が実施を決めた形になっています。

北名古屋市に温水プールができる

2021年度に完成するとは書かれていませんが、名古屋市、北名古屋市、豊山町及び北名古屋衛生組合が共同で、北名古屋に建設している清掃工場(焼却場)に温水プールが作られる予定のようです。
場所は恐らく上小田井駅の周辺で、名古屋市内の西側からは比較的容易にアクセスできる場所のようです。

予算計上金額から見ると、そこまでの規模はなさそうですが、新しい設備ができるのは良いことですね。

子どもの通院補助対象が18歳までに拡大

現在の通院に対する子ども医療費助成は、
「15歳到達の年度末まで」
というルールですが、予算案を見ると、これが
「2022年1月から18歳までが助成対象になる」
という変更がなされるようです。

入院の医療費はもともと18歳まで対象でしたが、通院も2022年1月から18歳まで補助されるようになるようです。

地味ながら通院はお金がかかるのでこれは嬉しい変更です。

スポンサーリンク

小学3年生が1年早く35人学級に

国の計画でも2023年から小学3年生を35人学級にする計画のようですが、名古屋市ではそれに先駆けて小学3年生が35人学級にするようです。

そのための予算として6億円弱が計上されており、この準備に入るようです。

小中学生へのタブレット端末配布が決定

こちらもニュースになっていましたが、予算上も4.5億円が確保され、小中学生にタブレット端末が配布されるようです。

もともとは「タブレット端末を活用したチーム活動のモデル実施」だったため、大幅に予定を変更して配布する事にしたようです。

予算規模からすると配られるタブレット端末の質がかなり心配ですが、こういう取り組みはとても良いと思います。

 

その他、保育所の申込みの電子化予算が確保されているなど、細かい施策はありますが、大きいところではこのような施策がありました。

全体的な姿勢

子育てに関するトピックスは上記に挙げた通りですが、その他の項目を考えると
子育て関連の臨時・政策経費予算は縮小傾向
であり、
医療施設の更改と中小企業に対する支援が重点対応されている
という傾向が見えます。

下表は予算案の数字から作成したものですが、2020年度予算から比較すると医療関係の投資(総務局)や中小企業に対する支援(経済局)が重点的に対応されていることが分かります。
この状況では仕方がないような気もしますが、子育てに関する「子ども青少年局」と「教育委員会」の予算が減ってしまったのは残念なところです。

しかし、上記に挙げたような施策もしっかり入っているので、ないがしろにされているという印象もなく、現在の状況を踏まえるとそれなりに力が入っているのではないでしょうか。


引用元: 名古屋市「令和3年度予算編成過程の公開」より作成

ちなみに、余談ですが、個人的に気になっていた、
「政令指定都市で唯一名古屋市だけが住民票の写しと印鑑証明書をコンビニで発行できないという不名誉」
来年度以降も継続することが決定しました。

(※他県ではマイナンバーカードを活用して住民票の写しや印鑑証明書の発行は、コンビニで交付できたり、区役所・市役所に自動交付機が設置されていたりするので、これらを発行するために会社を休んだり長時間待たされたりすることはほとんどありません)

この施策は予算要求の段階では上記対応のための予算は要求されるのですが、財務局案作成の段階で削減されるという流れを何年も続けています。

区役所に行くと住民票や印鑑証明書の発行にかなりの人が来場していて、特別な衛生対策が必要な状況であり得ないような状況になっているのですが、マイナンバーカードが嫌いな市長が在任中はやはり実現は難しそうですね。

正直なところ、コンビニ発行も自動交付機もなく、印鑑証明書の管理が印鑑登録手帳という紙で行われているというのは非常に恥ずかしいと思うのですがまだまだこの状況は続きそうです。

1点希望の光があるとすれば、
「市役所におけるデジタルトランスフォーメーションの推進に向けた情報システムのあり方調査」
として1億円計上されているので、別の形で利便性を向上させる検討をするのかもしれません。

今回は以上です。

あまり面白くないお話でしたがたまにはこんな話題もと思って書いてみました。

皆様の参考になれば幸いです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました