今回は2022年のプレミアム商品券の申込状況について、最終的な状況が暫定的に判明しましたのでご紹介します。
※ただし、市からの公式発表が市民向けになされていないため、これまでまとめてきた内容とは若干精度が下がっているのでご了承ください。
申込状況についてまとめると、
- 申込み人数は紙版42.8万件、電子版13.1万件となっており、紙版が電子版の3倍以上申し込まれた
- 紙版の申込率は約191%となり倍率が2倍に迫っている
- 電子版の申込率は約86%で、全員が当選、という結果になった
- 当選率の推計値は紙版51.1%、電子版100%
- 紙版落選時に電子版余剰分抽選を希望していた場合、紙版に落選→電子版余剰分も落選するのは約37%程度(トータルの紙版当選率は63%程度)
という感じです。
なお、商品券の利用可否について、大手チェーンの紙版、電子版の対応状況は以下のページにまとめてありますのでご興味があれはどうぞ。
2021年6月21日時点の情報に更新しました。また、電子版を複数当選した場合に、1つのスマホで複数の当選分を利用できるか、についてもまとめています。

最終的な申込状況
参考にしたデータ
現時点(6月16日時点)では、これまでのように公式ホームページにおける最終的な申込状況の発表はなされていません。
そのため、今回は以下の3件を参考に数字を作成しています。
- 2022年6月14日 中日新聞市民版
→申込件数と当選件数 - CBCテレビニュース
→紙版、電子版の申込率 - 名古屋市ホームページ令和4年5月30日 市長定例記者会見書き起こし
→紙版落選者の電子版余剰分抽選参加希望率
上記件数については、ちょっと不可解な事があり、別件の確認のついでに(迷惑にならない程度に)詳細な申込件数や口数は教えてもらえないか市民窓口に聞いてみたら、「教えられない」と言われました。
市の公的な事業として行われているものに対し、新聞等のマスコミには数字を公表する一方、市民には数字を公表しない、という対応はちょっと疑問ですね…
ちなみに、CBCテレビニュースは河村市長の定例会見を報じているものですが、市が会見について書き起こしている公開文書には紙版、電子版の申込率は書かれていないので、新聞等のマスコミには別途数字を伝えている可能性が高そうです。
申込件数
いわゆる、
何人が応募したか?
という情報で、最終的には
- 紙版:42.8万件
- 電子版:13.1万件
となりました。
途中経過からあまり比率は変わらず、紙版の申込数が電子版の3倍超という結果です。
引用元:2022年6月14日 中日新聞市民版より抜粋
申込率
これは、用意された発行数に対して、何口の応募があったか、という割合を示しています。
例えば、紙版は1,008,000冊発行予定なので、応募が10,080口来た場合は申込率10%、といった数字になります。
実は件数よりもこちらが大事で、これが100%を超えると抽選という事になり、申込率が低ければ低いほど当選率は上がります。
引用元:CBCテレビニュースで公表された申込率より作成
最終的には、
- 紙版:約191%
- 電子版:約86%
という結果でした。
紙版が発行数を大きく上回る申込件数となったのに対し、電子版は余剰が発生してしまいました。
当選確率の推計
当選確率については、
- 申し込んだ券種に対する当選率
- 紙版落選者で電子版余剰分抽選を希望した場合のトータル当選率
の2件を出してみました。
なお、後者に関して、これまでは、
「紙版に落選した場合に、電子版の余剰分抽選に参加する事を希望している人の割合」
が不明だったので、全員が希望した、という前提で計算していましたが、名古屋市ホームページ令和4年5月30日 市長定例記者会見書き起こしにて、
「紙版申込者の4割が、落選時に余剰分の電子版抽選を希望している」
という数字が出ていましたので、今回はこの数字を採用しています。
申し込んだ券種の当選確率
紙版、電子版の当選率は以下の通りとなり、
- 紙版:当選率51.1%
- 電子版:当選率100%
でした。
引用元:CBCテレビニュースで公表された申込率
および
2022年6月14日 中日新聞市民版で公表された申込件数より作成
電子版場合、申込みに不備がなければ100%当選、紙版は約半数が当選、という事になります。
なお、申込時に「紙版に落選した場合に、電子版の余剰分抽選に参加する事を希望する」とした場合の当選率は以下の通りです。
電子版余剰分抽選を希望した場合のトータル当選率
ちょっとややこしいのですが、紙版申込者で、電子版余剰分抽選を希望した場合のトータル当選率も出してみました。
結果としては、電子版余剰分抽選を希望した場合のトータル当選率は約63%でした。
(紙版に落選(約49%)し、さらに電子版余剰分も落選する(約75%)のは約37%程度)
(参考)算出方法
まず、前提として、紙版に落選する確率は48.9%で、その人数は約21万人、という結果になっています。
上で書いた通り、この約4割が電子版余剰分抽選に参加を希望しているという数字が出ているので、約21万人の4割=約8.4万人がこの電子版余剰分抽選に参加することになります。
そして、電子版余剰分で当選できるのは約2.1万人のため、結果的に
2.1万÷8.4万=約25%
が余剰分の当選確率となります。(逆に言うと余剰分の落選率は75%)
最終的に、紙版も余剰分電子版も両方落選してしまう確率は、
紙版落選確率(約49%)x 電子版余剰分落選確率(約75%)=37%
となるため、
電子版余剰分抽選を希望した場合のトータル当選率は約63%
と推計しました。
その他の不備
今回のプレミアム商品券の応募については、いくつか運営側の不備とも言える事象が発生していました。
具体的には、
- 「紙版と電子版の当選確率は変わらない」という正しくない案内を行っていた
- 「応募状況の途中経過が発表される」という事がうまく伝わっておらず、申込時期によって有利/不利が生まれてしまった
- 電子版の申込みプログラムが甘く、相当数の無効申込が発生している可能性がある
という3点です。
これらは、運営側の不備/検討不足により発生したものと言っても過言ではなく、今後のプレミアム商品券の発行の際には同じミスをしないように気をつけてほしいと思います。
「紙版と電子版の当選確率は変わらない」という正しくない案内を行っていた
これは、現時点でも確認できますが、公式ホームページでは、
「紙版と電子版の当選確率は変わらない」
と案内されています。
しかし、実際は電子版の当選確率は100%に対し、紙版の当選確率は約50%と、大きく差が出てしまっています。
紙版と電子版という異なる券種を発行するのは今回が初めてとはいえ、少し考えれば当選確率が異なる事はすぐに分かると思うのですが、なぜこのような不備が修正されず現在も残っているのか疑問です。
引用元:2022年名古屋市プレミアム商品券応募サイトより抜粋
申込時期によって有利/不利が生まれてしまった
上の画像には、「応募状況の途中経過が発表される」と書いてありますが、これは自動応答の質問フォームで、「電子商品券は当たりやすい?」という質問をすると初めて確認できるないようで、「よくある質問」には掲載されていませんでした。
結果的に、紙版・電子版どちらでも良かった人はギリギリまで状況を見極め、電子版を申し込めば100%当選できた、という事になってしまい、早期に申し込んだ人が不利になってしまいました。
電子版の申込みプログラムが甘く、相当数の無効申込が発生している可能性がある
これは、Twitterで情報提供をいただいたのですが、
「同じ電話番号で申し込みをすると、後に申し込んだ方は『無効』になる」
というルールがあったそうです。
家族(子供)の分を電子版で申し込もうと思った場合に、自分のケータイ番号で申込をされている方も多いかと思いますが、この場合、
「受付完了メールが来るが無効」
という対応になるそうです。(窓口で確認されたそうです)
ちなみに、同じメールアドレスで申込を行った場合は、最初の段階で「同一アドレスはNG」として弾かれる仕組みは存在していましたが、電話番号はこういった仕組みはありませんでした。
ハッキリ言って、この同一電話番号を弾く仕組みを組み込むのはそんなに難しい事ではなく、運営側の不備と言い切れます。
電子版を発行するのは今回が初めてとはいえ、ミスの内容があまりにも初歩的で、名古屋市のIT対応の弱さ、遅れが出てしまったのではないかと思います。
実際、2022年6月14日 中日新聞市民版に掲載されている電子版の数字では、
- 申込:131,023件
- 当選:128,809件
となっており、当選率が100%にも関わらず、申込件数よりも当選件数の方が少なくなっています。
もちろん、市外からの申込や、重複申込、その他の入力ミス等で弾かれているものもあるかと思いますが、本件によって漏れてしまった方も多いのではないかと思います。
今回は電子版の当選率が100%となっているため、納得いかない、という方が多く出るのではないでしょうか。
また、プレミアム商品券はこれからが本番で、アプリ側にもこういった不備がないか非常に心配しています。
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以上、今回は、
2022年プレミアム商品券の最終的な当選確率とまとめ
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。
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