前回からご紹介している2023年の大手中学受験塾の合格実績、今回は女子校編です。
2024年の最新データを反映した新記事を公開しました。
最新データは以下の記事からどうぞ。

男子校編と共学校編+全体まとめは以下をご確認ください。


前提条件と注意事項
細かい前提条件や、データを見るうえでの注意事項は冒頭でもご紹介している男子校編をご確認いただければと思いますが、ざっくりとまとめると、
- 母数が異なるので合格者数が多い塾=優秀な塾ではない
- 各塾の教室数には大きな差がある
- 受験生から選ばれているかが大事で、これは「合格者数が増加傾向にあるか」である程度把握できる
といった感じ。
重要な要素なので、各塾の教室数の比較推移グラフを再掲させていただきます。
引用元:各塾における以下のページの教室数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※上記校舎数は各年の教室数であり、新規開校のタイミングによっては合格数の母数とリンクしない可能性があるので注意
現時点(2023年2月)の教室数は
- 名進研:37教室
- 日能研:18教室
- 浜学園:8教室
- 馬渕教室:5教室
です。
なお、女子校編における対象校は、
- 南山女子
- 愛知淑徳中
- 金城学院中
- 椙山女学園中※
- 名古屋女子※
としました。
(※印の学校は馬渕教室の合格実績なし)
主要私立中学の合格実績推移
南山女子
男子も含めた東海地区最難関である南山女子の合格実績は以下の通りとなりました。
南山女子に対応したクラスは、東海中と同様、各塾が最も力を入れるところでもあるので、ハイレベル分野における各塾の実力が出るのではないかと思います。
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
ザックリとまとめると、
- 南山女子は名進研の合格数減少が一旦止まり、2割超の増加となった
- 日能研は昨年よりは下がったものの、それでも過去3番目に良い実績
- 浜学園、馬渕教室はともに大きく合格者数を増やしている
といった感じです。
一部で話題になっていましたが、昨年の算数の難易度が抑えられていた反動なのか、今年は算数の難易度が高かったようです。
その影響もあってか、算数のレベルが高い浜学園や、ハイレベル層がターゲットとなっている馬渕教室の大きな躍進が目立ちます。
一方で、日能研は昨年の大幅増と比較すると良くない結果に見えますが、それでも2位の名進研との差は大きいです。
その名進研も、今年は浜学園に抜かれてしまうかと思っていたのですが、合格数を増やしています。
これは確実な事は言えませんが、以下の通り、95%の合格率を誇るSクラス(※)導入の効果が現れた結果の可能性が高いと思います。
この傾向が来年も続くとなると、少なくとも女子はSクラス導入による効果が現れた、と言って好循環に入れそうですね。
※名進研の最上位クラスで、認定者は南山女子・東海・滝の3校に合格できなければ返金するという制度がある
引用元:名進研ホームページより
浜、馬渕の勢いがこのまま続くとなると、名進研と日能研は来年が正念場となりそうです。
愛知淑徳
愛知淑徳は名古屋、南山男子と同等の偏差値の学校で、前述の南山女子を狙う層はほとんどの生徒が受験する学校です。
(※椙山との併願は不可)
結果は以下の通りとなりました。
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
ザックリとまとめると、
- 全体的な傾向は南山女子とほぼ同じ
- Sクラス効果がない分、名進研の実績は横ばい
- 日能研は昨年よりは下がったものの、それでも過去2番目に良い実績
- 浜学園、馬渕教室は南山女子ほどではないが順調に合格数を増やしている
といった感じです。
名進研は南山女子と異なり合格数がほぼ横ばい(微減)という感じ。
もちろん、Sクラス生の合格率はかなり高いと考えられますが、Sクラスではない生徒の合格数が伸びていないのではないでしょうか。
日能研は去年が良かった分、今年は合格数が減少していますが、それでも過去2番目に多い合格数です。
南山女子の結果と併せて考えると「偏差値50以上の女子が少なかっただけ」という可能性もありそうです。
(それを言ってしまっては元も子もないのですが…)
金城学院
金城は日能研R4偏差値が43前後の学校。
試験日程が愛知中と被っているので愛知中との併願はできませんが、女子はどちらかというと金城を受験する子が多いようです。
引用元:各塾における以下のページの合格者数より作成
日能研/名進研/馬渕教室/浜学園
※馬渕教室は2018年10月に名古屋進出
ザックリとまとめると、
- 名進研が合格数のトップをキープ
- 昨年まで好調だった日能研は合格数を伸ばせず
- 浜学園、馬渕教室も合格数を伸ばしてはいるものの、上位2塾との差は大きい
といった感じです。
南山女子、愛知淑徳と同様、日能研が合格数を伸ばせず、結果として名進研が合格数のトップをキープしています。
昨年までの流れだと、今年は日能研がトップをとると思っていたのですが、そうはならなかったですね。
とは言え、日能研、名進研ともに合格数は増えておらず、順調に合格数を伸ばしている浜学園、馬渕教室とは対照的です。
椙山女学園中
椙山は日能研R4偏差値が40前後の学校。
試験日程が愛知淑徳中と被っているので、どちらかを選んで受験することになります。
なお、椙山は想定している層と異なるためか、馬渕は合格実績を掲載していません。
椙山の結果は解釈が難しいですが、日能研、名進研ともに合格数が減少しており、特に名進研の減少数が大きいです。
金城も含め、この偏差値帯は名進研の優位性がまだ保たれていたのですが、その優位性もほぼなくなっています。
名進研はSクラス創設等でハイレベル層のテコ入れに力が入っていますが、ボリュームゾーンに近いこの層は特に新たな施策は見えてきていません。
もし、この層を狙う生徒数そのものが大きく減少しているとなると、ちょっと苦しいですね。
浜学園は馬渕教室と同様、もともとこの層は積極的に狙っている生徒は少ないと思うので、合格数は微増、という感じですね。
名古屋女子大学中学校
今年から名古屋女子も見ていく事にしました。
これは、主に以下の2点が理由です。
- 聖霊が滑り止めとして機能しなくなった関係で受験者数が増えている
- 受験が1月上旬で、特奨受験も含めると受験者層が非常に幅広い
- 浜⇔名進研&日能研のターゲット層の違いが分かりやすく出ている
聖霊はVAP入試の合格者割合がかなり上がってしまったので、以前のように滑り止めとしては機能しなくなりました。
そこで、日程的にも「前受け」として機能しますし、特奨のR4偏差値は54なので上位校を見据えた層も受験する意味がある名女は
「東海地区で中学受験をする女子はかなりの割合で受験する」
というポジションになったようです。
なお、今回の推移作成にあたり、過去のデータを見直したのですが、名進研は2016年以前はそもそも合格数を公表しておらず、データが残っているのは2019年以降で、少し情報が少ないですがご容赦ください。
特筆すべきポイントは
- 日能研は2018年以降の合格数増加が顕著
- 名進研もかなりの合格数を出している
- 浜学園は上記2塾とはかなり異なる傾向を示している
といった感じ。
日能研の急増は前述の「VAP導入によって聖霊が滑り止めとして機能しなくなった」という理由が大きく、現在の名女のポジションの変化をよく示していると思います。
一方で、名進研は既に2019年の時点で日能研よりもかなり多くの合格数を出しており、これは「そもそも名進研の生徒は層が広かった」という理由である可能性が高いです。
しかし、2022年に合格数を日能研に抜かれてしまっており、上位校を狙っていない層も日能研を選び始めている、と考える事ができるのではないでしょうか。
対象的に、浜学園は日能研とは対照的にほとんど合格数が増えていません。
これはやはり浜学園のメインターゲットはハイレベル層であることをハッキリ示していると思います。
というのも、南山女子をメインターゲットにする層にとって名女は滑り止めにはなり得ず、愛知淑徳や金城がその役割を担うからです。
(特奨受験で力試し…はある程度あると思いますが)
そもそも合格数の発表すらしていない馬渕教室も傾向としては同じだと思います。
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以上、今回は
[2023年]大手中学受験塾の合格実績推移(女子校編)
についてご紹介しました。
皆様の参考になれば幸いです。











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